第7話 ~家族~
なんだこれ………
自分で書いていて恥ずかしくなった……………
蓮だ。今日は日曜だから学校はない。俺とアリスとローラは家で煎餅を食べながら、笑ってい〇とも増刊号を見ている。そんな時、俺はふとあることを思い出した。
「お前らいつまでこっちの世界にいんの?」
「「……………え?」」
「……………いや、え?じゃなくて」
「だって帰る方法がないし」
「先生に連絡はつかないのか?」
「………あ」
「何?お前ら帰るつもりないの?」
「あの時はお腹が空いてそれどころじゃなかったからね」
「何か帰るのもめんどくさくなったのもあるわね」
「突っ込みどころがありすぎてどこから手をつければいいのか分からん…」
アリスは携帯を取りだし、どこかにかけ始めた。つーか世界が違うのに携帯なんか繋がるのか?
「あ、もしもし先生ですか?」
「繋がるんかい!」
「ちょっと!電話中は静かにしなさいよ!」
ローラに怒られた。その携帯はどんな仕組みしてんだよ…
「私たちっていつ帰れるんですか?………え?はい…分かりました。……蓮、先生がお話したいって」
「はあ?何で俺が……………はい、もしもし」
「あ、君がアリスとローラの面倒見てくれてる人?」
電話から聞こえてきたのは若い女性の声だった。
「そうですけど、貴女は?」
「あら、ごめんなさい。私はレイチェル・ウィンター。レイチェルでいいわ」
「んじゃレイチェルさん。俺になんか用ですか?」
「あー、その事なんだけどさ」
何か嫌な予感がする。
「別に今戻そうとすれば戻せるんだけど、私がそっちに行かなきゃなんないんだよね〜。それもめんどくさいし、その子達の人生経験としていい機会だからしばらく預かっといて」
………………はい?
「いやいや!何その適当さ!?仮にもアンタの生徒だろ!それなのに放置って!いくらなんでもメチャクチャだろ!というよりアンタの超個人的理由だろ!」
「年上には敬語を使いなさい!そんな子に育てた覚えはありませんよ!ちなみに私は21よ!」
「誰も聞いてねーよ!教え子が教え子なら先生も先生だな!つーか若いなオイ!」
「まあそれはおいといて」
「おいとかれたよ!?」
「まあそっちを知るためには1年くらい必要よね」
「だが断る」
「これから一年間、アリス・キャロル並びにローラ・ディアス両生徒をそちらの世界に留学生として送り込みまーす!」
「ねえさっきの聞いてた!?さらっと人の発言スルーすんのやめよう!?大体それって本人達に向かって言う言葉なのに何で俺に向かって言ってんのさ!?」
「来年の3月にまた連絡するから。それまでよろしく頼むわよ」
「すいませーん誰かこの電話の相手を病院に連れてってくださーい!精神科と耳鼻科でお願いしまーす!」
「なんかあなたとは仲良くなれそうだわ。私の発言の一言一言にここまで突っ込んだのはあなたが初めてよ」
「俺もですよレイチェルさん。俺をここまで突っ込ませた人は久しぶりですよ」
俺とレイチェルさんの間に、謎の絆が生まれた。まだ一回も会ってないけど。
「じゃあ二人をヨロシクね!バイバーイ♪」
そう言うとレイチェルさんは電話を切った。つ、疲れた……
「何か大変そうだったね……先生は何だって?」
「『うちの生徒二人を一年間預かっといて〜、また一年後に連絡するわ!じゃ!』だと」
「なんだ、大したことないわね」
「そうだね、結局何も変わらないって事だよね」
「いやお前ら、もうちょっと焦れ」
「もう慣れちゃったのよ」
「うんうん」
こいつら一体どんな生活送ってたんだよ……と心の中で突っ込む。何で声に出さないかって?疲れたからだよ。
「親は?心配しないのか?」
「親は先生よ」
「……………はい?」
「私たちの産みの親は私たちを置いて蒸発したの。それを拾ってくれたのがレイチェル先生なんだよ」
アリスは心なしか、泣きそうな顔をしていた。
「そうか…………何か悪いな、嫌なこと思い出させちまって」
「いいよ、別に。それより蓮のお母さんとお父さんはいないの?」
「なんだ、会いたいのか?」
「い、いやそういう意味じゃなくって、蓮は一人暮らしみたいだから親は何してるのかなーと思って」
「死んだよ」
「「えっ……………」」
「俺の母親は父親からDVを受けてた。父親は気にくわないことがあるとすぐに母親に手を出した。そんな日が毎日続いて、母親は死んだ。自殺だった。その後父親は俺を置いて出てった。その頃俺はまだ七歳だったが、それからずっと一人暮らしだ。俺が剣術を極めようと思ったのも、もう誰も失いたくないから。大切な人を守るためなんだよ」
「「…………………」」
「え?ちょ、アリスにローラ!何でお前ら泣いてんだよ!」
「だって………そんな辛い過去があったなんて……」
「そうよ……何で黙ってるのよ!」
「それを言うならお前らもだろ?これでおあいこだ。だから泣くのをやめろ」
「私たちは……育ててくれる人がいたのに………蓮とは比べられないよ…」
「親がいないのは一緒だろ?……………わかった、もう泣け。泣いてスッキリしろ。それでこの話は終わりだ」
「「う……うわぁぁぁぁぁ!!」」
アリスとローラは俺に泣きついてきた。
「寂しかった……お母さんたちがいなくて………」
「私たちを理解してくれる人がいなかったの…」
「じゃあ俺が家族になってやる。お前らの良いところも悪いところも全部受け止めてやる。だから、もっと俺を頼れ。絶対に見捨てたりしないから」
「「うわぁぁぁぁぁん!」」
この時、俺は誓った。絶対に、コイツらを守ることを。
作「ということで第7話でした~」
蓮「お前の能力の低さ全開だったな」
作「ホントにごめんなさい!自分でも駄文だと思うくらいなんで………」
蓮「お前も大変だな」
作「どうか見捨てないで下さい。それでは失礼します」