第2話 ~転入生~
どーも、蓮だ。今は結構ブルーな気分。何でって、そりゃ自分の部屋が荷物共々消し飛んだらショックだろ。
「で、これはどうしてくれんのかな?ローラさん?」
現在の状況を説明すると、焼け野原になった俺の部屋だった場所の中心にローラが正座している。その目の前に仁王立ちの俺。アリスは俺の後ろにいる。
「いいじゃない別に。あんたが見せろって言ったんじゃない」
「何故こんな強力なヤツを使うんだよ!もっと手軽なのねーのかよ!」
「あれよ。なんか派手な方がいいじゃない」
「よくねえよ!お前の魔法で直せねえのか?」
「無理よ。それから魔法じゃなくて魔じゅ「ボコッ」すいませんでした」
取りあえず軽くローラを殴った後で改めて回りを見回す。…ホントに酷い。戦後みたい。戦争経験はないけど。
「ところで魔術は信じてくれたの?」
というアリスの質問。
「…当たり前だろ。こんなもん見せられちゃあな。ところでお前らは帰んないのか?」
「それが、帰る為の魔術を私たちは知らないんだよ」
とアリスが言う。お前らは馬鹿か。あ、先生に飛ばされたんだっけ。
「ふーん。じゃあお前らはどうする訳?」
「そこで提案なんだけど「だが断る」私たちを泊めてほしいんだよ」
「俺の意思は無視ですか!?」
「「お願いします」」
アリスとローラが涙眼で見てくる。正直キツいなこれは。
「……お前ら料理はできんの?」
「私は家庭料理程度ならできるんだよ」
「私は無理よ」
ちょっと待て。アリスはともかくローラは何なんですか?ただのお荷物じゃないですか?
「…ローラは一体何ができんの?」
「…………さあ?」
「よしわかった。アリスはウチで面倒を見てやる。ローラは出てけ」
「すいませんでしたごめんなさい何でもやりますから許して下さい」
「はぁ…じゃあローラは毎日風呂掃除とゴミ捨てだな」
「え〜めんどく「嫌なら出てけ」喜んでやらせて頂きます」
…なんかこれからめんどくさくなりそうだな。
「あ、ちょっと待って」
「ん?なんだアリス」
「あなたの名前を教えてもらってないよ」
「ああ、俺は斎藤 蓮だ。これからよろしくな」
「よろしくね、蓮」
「よろしく」
俺は二人と握手した後、リビングで寝た。
「………ん、…………………て」
ん?何か聞こえる……気のせいか…
「……れ………、……お…て」
なんだよ。もっと寝かせろよ……
「蓮、起きて!」
俺はアリスの声で目を覚ました。すっかり明るくなっていた。
「ああアリスか。おはよう…ところで今何時だ?」
「おはよう蓮。今は8時20分だよ」
…8時20分?確かうちの高校の登校時間は8時30分だったよな……。つまり…
「遅刻かよォオ!」
昨日から制服は着ていたため格好はそのまま。教科書等を準備するため俺の部屋に向かう。
…そこには、焼け野原しかなかった。そうか…昨日の事件で俺の教科書とバッグは塵になったのか…
俺が途方にくれている間に、時計は8時30分を過ぎていた。
もういいや。手ぶらで行こう…
ところ変わって学校。俺が学校についたのは結局9時。しかも手ぶらで来た俺を見てクラスメート全員に笑われた。溜め息をつきながら俺は自分の席に向かった。
「よお蓮。2日目からやってくれるな」
こいつは俺の友達の浅川 拓哉。幼稚園の時からおんなじ学校に通ってる。茶髪がかった黒髪で耳にかかるくらいの髪型。いわゆる美形だな。こいつとは腐れ縁ってやつだ。まあそれだけじゃないけど。
「うるせーよ拓哉。俺の教科書とは1日で決別したよ」
因みに拓哉は俺の左隣。右隣と後ろはまだ誰もいない。
「そう言えば可愛い女の子が転校してくるらし「黙れ」ギャアアァァァァ!!」
今俺が目潰しをしたのはただの変態だ。それ以上でもそれ以下でもない。
「初登場でそれはなくない?」
仕方ないので一応、説明する。こいつは秋山 温哉。変態。以上。
「もうちょっとこう……容姿とかさ………」
何かブツブツ言ってるが無視する。因みに温哉は俺の前の席。
「………ちょっとそこ。授業中だからね一応。キャラ紹介大事だけど授業中だからね…」
ああ、この人は担任。
「…いやそれだけ?」
「いや授業中ですけど?」
「私も紹介してよぉぉお!」
…この人は担任の鳴海 由希。26歳、独身。彼氏募集中。生徒に自分の事を名前で呼ばせている。
「ああ、今日転校生来るからよろしく」
…いや今日ってまだ2日目だよね?転校生来るの早すぎだよね?つーか温哉。ドヤ顔で俺を見てるな?ウゼェ。
「つーかあんたはあの自己紹介にツッコめよ!」
「いやホントのことだし」
「…もういいです」
「転校生は昼休みに来ます。じゃあ一時間目はおしまい!」
「…蓮、お疲れ」
拓哉に励まされた。
時は流れて昼休み。
担任の由希が入ってきた。
「はーい、転校生の紹介をしまーす。アリス・キャロルさんとローラ・ディアスさんです」
「……お前らかよォォォォォオオオオオオ!!!」
「皆さんこの二人となかよくしてあげてくださいねー」
恐らく二人の回りに大量の人だかりができると思った俺は、由希がいなくなるとすぐに二人を掴んで屋上に連れていった。
「…で、なんでお前らがここにいるんだ?」
「「暇だったから(だよ)」」
「…どうやって転入した?」
「魔術で先生の記憶を改ざんしたんだよ」
「いやそれダメじゃね?」
その時、屋上のドアから拓哉と温哉と女子二人が出てきた。
「蓮~何転校生を独り占めしてブべラッッ!?」
取りあえず温哉に裏拳をかます。温哉は痙攣してピクピクしている。
「ねえ蓮くんその子知り合い?」
今のは千藤 莉子。俺の幼なじみで、茶髪が肩を越すくらいの髪型。
「そうですわ蓮。そのお方は知り合いですか?」
これは田島 明日香。こっちは中学ん時にある事情で知り合ったお嬢様。黒髪ロングの美人。
(おい、アリス。お前らの事喋っていいのか?)
(ダメだよ。ほんとは魔術は知られちゃいけないんだよ。蓮だけは特別だけど)
(わかった)
「こいつらは俺の幼なじみなんだ。仲良くしてやってくれ」
「「「よろしく」」」
「よろしくお願いします」
「ヨロシクね」
「俺とも仲よ「お前は黙ってろ」ゲフッ」
まぁこんな感じで学校は終わった。
作者(以下『作』)「これいつまで続くんだろうね」
蓮「お前次第だろ」
作「打ちきりになったらごめんね」
蓮「そのときはお前が何とかしろ」