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二度と戻らぬ日々へ

私は「春風 琴音(はるかぜ ことね)」12歳。

この学校、「私立青葉学園(しりつあおばがくえん)緑ヶ丘(みどりがおか)高等学校付属中学校」の生徒会長だ。

私立青葉学園の立地は地方都市の郊外、駅からバスで15分。

周辺はコンビニ、代わり映えのしない住宅街、少し歩くと田畑や川があるような

The田舎。


12歳で生徒会長というのはすこしぶっ飛んでるのかもしれない。

そんな私がなぜ生徒会長なのか。






「私(・)が(・)美(・)少(・)女(・)ヒ(・)ロ(・)イ(・)ン(・)属(・)性(・)だ(・)か(・)ら(・)!(・)!(・)!(・)!(・)」



というのが建前。


ホントのところはこの学校がヤンキー校だからだ。

先輩方には生徒会長っていうお仕事にしっかりと向き合って努められる人いないからだという。学園長によるとね。




すべてはこの学園を更生させるため。美しさを作り、振る舞うことも戦略なのだ。














5月5日の朝の7時30分。私は生徒会室の扉を開けた。

「おはようございます。二人ともお早いですね。」

ニコッと爽やかに微笑む


「かいちょ〜おはよ!珍しく早い!!」


明るく挨拶をするのは、「葛城 珀(かつらぎ はく)」

まあ、見ての通り、むかつくほどのイケメンだ。

雲一つない青空をそのまま頭に載せたような、鮮やかな空色の髪。そして、ヤンキーとは思えないクリっとした猫目。

身長はぶっちゃけ私より低い(本人の前で言うと本気で怒る)くせに、腰の位置がやたらと高くて、モデルみたいに足が長い。全体のスタイルが良すぎる。

顔も足も少し女っぽいので、女装させたらバズりそうな気がする。

黙っていればどこかの王子様なのに、口を開くと生意気。

それでも成績優秀だ。学年では、私と1、2を争うくらいに。


「ん、琴音。おはよ。今んとこ出てる予算申請書は終わらしといたよ。珀が。」


この傲岸不遜ちび助は、「桃季 薙(とおり なぎ)」

鮮やかな金髪に、どういうわけか毛先だけがイチゴシロップみたいな甘いピンク色。

校則なんて概念をハナから無視したような、とんでもなく派手なグラデーションヘアである。

それが薙の地毛なのだ。めずらっしいわねえ。

髪色も大概だが、一番目を引くのはその顔立ちだ。

宝石のアメジストをそのままはめ込んだような、透き通った紫の瞳。それが、眠たげでやる気のなさそうなジト目気味の猫目に収まっている。黙っていれば誰もが振り返るレベルの美形(こいつもイケメン)なのに、視線のせいで常に不機嫌そうに見えるのが特徴だ。たまに高飛車な態度をとり、歯に衣着せぬ毒舌で相手を切り捨てる。だがおごりや慢心はない。

口や目つきが悪くても、面倒見がよくまとめ役だ。

男子平均より頭一つ分低いのに、こちらも腰の位置が高くて驚くほど足が長い。

成績は、、まあ、、国語以外は優秀。総合はギリギリ。

どこぞの鬼メイド、ラ○さんみたいなかんじ。



足長いのはムカつく。ちょっとだけ。ちょっとだけだよ!?



「報告ありがとうございます。他の皆さんはまだいらっしゃっていないのですか?」

「うーん……まだだけど……。」


と、珀はバツの悪そうな顔をしながらいう。


「だけど?」

「多分……」


「多分…サボりでしょうねぇ……。」






まあ…!






薙は心配そうにうつむき

「あいつら昨日も遅くまでゲームしてたっぽいし、寝坊で遅刻か休みだろ。生活習慣が終わってる……。」


珀は薙肯定マシーンなので全力肯定

「そうだそうだ!」

「生活習慣が悪い!!薙を見習え!!」

「その前に珀は飯ちゃんと食いなさい。俺より細いやん…」

「ちゃんと食べないと背も伸びませんよ?」

「琴音ぇ…………。た、たぶんそれとこれとは関係ないし!!!!!!大体、、遺伝だしさあ!?あんまりお腹すかないし…というか身長低くても生きてはいけますぅ〜!!」

「関係ありますよ。」

「むーっ。そんなこといわんくてもええのになあ……」

「そのまま身長伸びずに生きていったら。それが嫌だったらしっかりと食べて睡眠取って体を動かすことだね。珀、最近は学校以外外出てないじゃん。」



クスリと悪戯っぽく微笑みながら、綺麗なお姉さんが口を開く。いや、お姉様か。


「朝から珀の気の滅入る話かな?」


「片菜先輩、、てかなんでみんなそんなバカにするのさ。」

「でも薙のいってることはホントだから。多分。」

「だって薙が言うことだもん!!」

自信ありげに言い張る


「ふふっ、ほんとうに珀くんは薙くんのこと大好きだね。」

「ふんっ……。」

と珀は顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。


――そんな、色んな意味で騒がしい「ちびコンビ」を、一歩引いたところからクスリと笑って見つめているのが、「桐谷 片菜(きりたに かな)」片菜先輩だ。

ゆるく波打つ温かみのある茶髪に、すべてを包み込んでくれるような優しそうな目元。困ったように細められるその瞳に見つめられると、男子なら誰だって一瞬で骨抜きにされる。

そして何より、彼女の最大の特徴はその高い身長だ。

さっきの2人とは逆の意味でスタイルが抜群。スラリと伸びた長い足と、出るところは出ている大人のプロポーションは、制服の上からでもはっきりと分かる。

横に並ぶと私よりも少し背が高くて、ふとした瞬間に上から覗き込まれると、私も綺麗なお姉さんオーラに心臓がバックバク鳴って破裂しそうになる。

自由奔放な空色と、気だるげなジト目、そして包容力の塊のような茶髪のお姉さん。

私にとってはお姉様だ。

どこにでもありそうな学園のはずなのに、私の周りだけキャラの濃度が完全にキャパオーバーしている。


というか、スタイルは私は違いすぎる、、

私は、、、胸は小さいし、尻は平均より少し大きいくらい、?かなぁ、、そうしんじたいよぉ、、

ま、まあ!!そこはいつかどうにかできる!!少しでも生活習慣を改善すれば、、

ん?


「まずはア(・)イ(・)ツ(・)ら(・)の生活習慣と態度を改善させればいいじゃない!!!!」


私が急に大きな声を出すので、薙がビクッと震えた。


「きゅ、急に何、、?」

「薙がびっくりしてんじゃん!!」

「まあ、、元気でいいんじゃないかな」


ごめん。薙。


「ん〜まずは学校での生活態度を改善させる……そんな感じですかね。」

「え〜めんどくさっ……」

「珀、そういうこと言わないの」

「はぁ〜い」


ってことで、話は急だけどやることは結構固まってきた気がした……。

「生徒会役員育成生活 〜生活習慣&態度を直せ!!〜」

が始まるのであった……

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