128話 イーシキハイの見据えるモノ2
俺はミリアと琴音へと、イーシキハイは軍隊を組織している事を伝える
「軍隊ですか、、、それはその一体?」
そうか、アンスには無かったんだな
軍隊の概念そのものが
全て恩寵士が戦っていたから
「そうだな、俺もそこまで詳しくは無いんだけど、、、」
「複数の人間の集団を指揮する人がいて、複数の人間はその指示通りに動く、、、」
「その組織の事だな」
「それは、、、王?や、、、その、、、教会での私も、、、?」
「まぁ、確かに近いが、、、」
「命令には複数の人間は絶対服従なんだ。つまり、極端な話、死ねと言われれば死ぬ」
「そ、それは、、、」
「ああ、これからは恐らく、、、」
「恩寵士だけが戦うという、状況そのものが無くなる」
そうなるよな?たぶん、、、
そして、、、
「イーシキハイの軍隊は、複数の一般人が魔玉槍を持ち、恩寵士もまた、その支援を受けて戦う」
「これが、、、イーシキハイの新しい戦争戦術になると思います」
キョーセイ王国王城玉座の間ーー
「トーツは死に、サーク、アストロは手に入らなかったか」
「だが、、、シャムと、、、バイタールか。」
そう話すのは、キョーセイ王国国王にして、ダーインの恩寵士スレイブキョーセイだった。
歳は40代、金色の髪を無造作にはやし、鋭い眼光とがっしりとした体格、
王冠と赤いマントに身につけ、堂々とした出立ちでイーシキハイを見下ろす
「はい、陛下」
イーシキハイは頭を下げたまま応える
「それで?今後はどう動くつもりだ?」
「魔玉を集めなければなりません。国の備蓄からも、、、」
スレイブキョーセイは少し考えーー
「良いだろう。備えよ。」
そう告げた。
「して、バイタールは?」
「私が継承いたしました。」
「そうか、、、お前はもう、キョーセイ王国の英雄だ。そのつもりで振る舞え」
「ハッ!」
少し間を置き、スレイブキョーセイは
「帝国はいかに動くと考える?」
ハーク帝国帝城ーー
ガーベラが涙ながらに報告する
いや、、、咆哮する
「どうか!どうか今すぐに、救援を!一般兵を、、、ドンガッチン様をお救いせねば!!!」
「救援は出す、お前は治療に専念せよ」
ハーク帝国皇帝レオグランハークはそう短く、抑揚の無い声で応える
「ユイワン」
「確認して参れ、ドンガッチンらが生きておれば救出し、死んでいれば、、、」
「そのまま、帰還せよ」
「ハッ!」
「わ、私も!」
そう、ガーベラが声を上げる
「お前は休め」
レオグランハークはそう、静かに返し、目を閉じて思考するーー




