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=世界を知る  作者: 真知コまち


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№_04_愛多憎生

~登場人物紹介~

 主人公・・園久そのひさ ゆう 

 おっさん(悠の守護霊)・・勘凪かんなぎ つよし

 探偵・・高見たかみ 夏樹なつき

 夏樹の守護霊・・鴫山しぎやま あさひ

 化物・・湖鹿こじか 春香はるか

 霊察・・節那ふしな 緋色ひいろ


_(〘かんなぎ〙)「で、策はあんのか」

_(〘ゆう〙)「ない」

_(〘かんなぎ〙)「はあ!」

_(〘ゆう〙)「バカだから、考えられないの!知ってるでしょ。おっさんが考えてよ」

_(〘かんなぎ〙)「なっ」

 _(〘たかみ〙)「来るよ。避けてください」

   化物は、片手で瓦礫を握り投げた。

  ヒュー、ドン。パラ、パラ

   天井にぶつかり、散乱した瓦礫が、降り注ぐ。

   避ける悠の左肩に、瓦礫の一部が、被弾する。

_(〘ゆう〙)「くっ」

   土埃が舞い、視界を失う、化物。

_(〘かんなぎ〙)「一先ず、あっちの壁に隠れるぞ」

   埃が晴れ、化物は、きょろきょろと、消えた悠を捜す。

_(〘ゆう〙)「あんなのに、どうやって札を貼れって、言うんだよ…」

_(〘ゆう〙)「なあ。おっさんも、火吹いたりとか、できないの?」

_(〘かんなぎ〙)「・・・できない」

_(〘ゆう〙)「役立たず!」

_(〘かんなぎ〙)「俺には、名前が無いんだよ!」

_(〘ゆう〙)「名前?」

_(〘かんなぎ〙)「人間が、名前をつけることで、守護霊は、本来の力を発揮できる」

_(〘ゆう〙)「名前…馬鹿?おっさん?」

_(〘かんなぎ〙)「やめろ!そんな適当な名前をつけるな」

_(〘かんなぎ〙)「いいか!名前をつけるってことは、契りを結ぶってことだ」

_(〘ゆう〙)「結ぶ?」

_(〘かんなぎ〙)「捕り付いた人間が死んだら、守護霊は、ただの幽霊になる」

_(〘かんなぎ〙)「しかし、契りを結んだ守護霊は、人間と共に消えてしまう」

_(〘かんなぎ〙)「…俺の一生を賭ける価値が”お前にある”と言えるか?」

_(〘ゆう〙)「・・・ない」

   化物は、闇雲に、瓦礫を投げ始めた。

_(〘かんなぎ〙)「なぜ、窃盗を繰り返した?」

_(〘ゆう〙)「盗むつもりじゃ、なかったよ。お金が無いタイミングだった…だけ」

_(〘かんなぎ〙)「なぜ、我慢しない?」

_(〘ゆう〙)「それは…欲しかった。から」

_(〘かんなぎ〙)「なぜ、欲する」

_(〘ゆう〙)「わからない…」

_(〘かんなぎ〙)「お前は、化物あいつと対して変わらない、価値の無い人間だ」

_(〘かんなぎ〙)「そんな奴を、助けたいと思うか」

_(〘ゆう〙)「…思わない」

_(〘ゆう〙)「でも・・・助けたい」

_(〘かんなぎ〙)「なぜ、助ける?」

_(〘ゆう〙)「生きて欲しいから!」

   悠に、背を向ける。

_(〘かんなぎ〙)「・・・悠。俺に名前をつけてみろ」

_(〘ゆう〙)「!、わかった。名前は・・・」

_(〘ゆう〙)「剛」

   光で満ち溢れる、剛。

_(〘つよし〙)「ファイアー!」

    スカッ...

_(〘ゆう〙)「あれ?」

_(〘つよし〙)「ウォーター。風。土。光、闇」

  ・・・・・・

  _(〘はるか〙)「うわぁーーー」

   突進する化物。

_(〘ゆう〙)「うわぁー!」

_(〘つよし〙)「逃げろ。悠!」

   剛の腕が、悠を、突き飛ばす。

_(〘ゆう〙)「えっ」

_(〘つよし〙)「えっ」

  グシャ。ドンッ!

_(〘ゆう〙)「おっさ~ん!」

   ”守護霊”の剛は、化物のタックルで、壁に吹き飛んだ。

 _(〘たかみ〙)「おやおや、これは…」

_(〘つよし〙)「ごほっ名前がついて、ごほっ実態を持ったのか。ごほっ退化してるだろ」

   戸惑う化物。

 _(〘たかみ〙)「君。化物に守護霊は見えていないんです。今のうちに、お札を」

_(〘ゆう〙)「あ、はい」

    ペタ。

   混乱した化物の隙を衝き、札を貼る、悠。

 _(〘たかみ〙)「離れていてください」

   上階から降りてきた高見は、手をかざし、言霊ことだまを唱えはじめる。

 _(〘たかみ〙)「・・・滅!」

 _(〘はるか〙)「ぐあぁーーああ~~」

   苦しみだす化物。

_(〘ゆう〙)「お、おい」

 _(〘たかみ〙)「大丈夫だよ。体が、元に戻る反動を受けているだけですから」

   粉々になり、天に昇って行く、悪餓の守護霊。

    ドサ。

   人間に戻った春華が、倒れた。

_(〘ゆう〙)「生きてる…の?」

 _(〘たかみ〙)「はい。心停止していますが、専門の治療を受ければ、息を吹き返します」

_(〘ゆう〙)「心停止!」

 _(〘たかみ〙)「今は、これよりも…」

_(〘つよし〙)「お~い。助けてくれ、ごほっ」

_(〘ゆう〙)「血を吐いてる!どうしよう」

 _(〘たかみ〙)「困ったな~。実態を持つ守護霊なんて、聞いたことありませんよ」

_(〘ゆう〙)「治せるの?」

 _(〘たかみ〙)「…どうかな」

_(〘ゆう〙)「そんな…」

  _(〘ひいろ〙)「随分と、派手にやってくれたな、高見!」

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