№_08_ふりがな版
悪意悪食
不安と疑心の表情を現す、依頼者。
「この子達が…ですか」
「ご安心ください。これ〘↓〙でも、優秀な探偵ですので」
「は、はあ…そうなんですね」
「では明日、ご自宅にお伺いしますので…」
「あっ明日は仕事が…」
「いえ。明日には、事件も解決していると思いますので、
お支払いの用意を、お願いします」
「え!そんなに早く、出来るんですか」
「いつまで、寝ているつもりかな?出来るよね?」
「はい!」
勢い良く立ち上がる、楓。
「…悠くんは?」
悠に返事をするよう、圧を掛ける高見。
「は、はい」
「では、楓。麗羅様を、家までお送りいたしなさい」
「は~い」
カランコロン。
深々とお辞儀をして、依頼者と楓を見送る、高見。
「高見さん。明日までに解決なんて、無理だと思うんですけど…」
「悠くん。これを…」
お札と、本を渡される。
「はい?」
「・・・何を”ぼ~”としているのです?”仕事”して来てください!」
「あ。楓さんに、付いて行けってこと?」
「早く追いかけないと、見失いますよ」
「はい」
階段を駆け下りる、悠。
「ははは。大変だな~」
「・・・あなた”も”ですよ」
「俺も!あ~はい、はい。わかりました」
何かを悟り、怒りの籠った表情で答える、剛。
10階まであるマンションを、見上げる。
「着きました。ここです」
「家の事務所より、立派だ~」
「そうですね~」
「あ、あはは…」
「ストーカー。現れませんでしたね」
「この人数だからね~」
「仕事帰りに、居ることが多いので…」
「じゃあ、行こうか!」
「行く?どこへ?」
「どこって、お宅へ?」
「お宅って、依頼者の部屋に!でも、いきなりは…」
「調査のためなら、私は構いませんけど…
汚い部屋で、人様にお見せ出来るようなものでは…」
「はい。決定!」
『~9階です~』
「おじゃましま~す」
「広!窓!高!」
「生活感が無い部屋だな~」
「おい!”お洒落”って言え!」
「お腹空いたな~」
冷蔵庫を勝手に開ける、楓。
「ちょっおい!」
「あれ?何も無いよ」
「ごめんなさい。私、料理しないので」
「今、お茶をご用意しますね」
キッチンに淡い光を灯し、銅製のケトルに水を入れる。
慣れた手付きで、ティーカップとソーサーを用意し始めた。
「ふ~ん」




