№_05_ふりがな版
曖昧模糊
「ああ。きいろ君」
「ひいろだ!」
「だれ?」
「お前こそ、誰だ!」
「こちら→警察官」
「こちら→民間人」
「何!民間人を避難させなかったのか、高見!」
「知りませんよ。私が着いた時には、警官が避難した後だったので」
「・・・この件は、上に報告しておく」
「評価が下がります、止めて下さい。お願いします」
土下座した高見。
「金のために、そこまでするのか…」
「民間も辛いな。それで、あの霊はなんだ?」
壁に埋もれた、剛を指差す。
「さあ。なんでしょうね~」
「はぐらかすか…まあ、いい。悪餓は祓ったんだ、好きにしろ」
「君の融通が利く所、大好きですよ」
「ちっ。さっさと、消えろ!」
「じゃあ~」
「待て…」
ガチャリ。
「お前は、逮捕だ」
「ですよね…」
取調室の椅子に、縛られた悠。
目の前には、態度の悪い警官が、座っている。
「え~と。年齢は、19歳。前科は、9犯!すごいね~君」
「ありがとうございます」
「褒めて無いよ」
「窃盗罪、器物損壊罪。
不法侵入に、無銭飲食と、繰り返し犯罪を犯している」
「しかし裁判では、これまでの被害者に返金、返品をしているため、
反省の意思があるとして、減刑を受けている?」
「反省ね~」
「なに、文句あんの?」
ゴン!
「はい。傷害罪ね」
「はぁーふざけんな!机にぶつかっただけじゃん」
「雪、もういいぞ」
「は~い」
警官は、壁をすり抜けて、取調室を出て行く。
「えっ・・・」
「何をしている。お前も出ろ!」
「いや、椅子に縛られて」
「足は、縛っていない。立って、自分で歩け」
「・・・はい」
前かがみの姿勢で、椅子の足を地面に擦りながら、必死に歩く。
「あ、お疲れ様でした」
「あんたか。はぁはぁ、何でここに?」
「君を、引き取りに」
「?」
「審査は、合格だ。園久悠、今日からお前は、高見の事務所で働いてもらう」
「は⁇」
「よろしくね、悠くん」
「働く?逮捕は?」
「高見は、霊関係の探偵事務所を経営している。
犯罪に関しては、保護観察処分とする」
「やったー!でも、なんで?」
「この業界は、人手不足なんですよ」
「業界?」
「霊に関係する仕事は、色々と数がある」
「儲かる?」
「民間の組織は、稼げますよ。主な収入は、税金だけどね」
「ちっ。政府は、秘密裏に民間の祓い屋と契約して、悪餓の被害を隠蔽してきた。
それでも、悪餓の事件は、年々増加している」
「霊が見える人間は少ない。だから警察は、犯罪者の手も借りたいそうです」
「ちっ。勘違いするなよ。
また、犯罪に手を染めることがあれば、容赦なく逮捕する」
「はーい」
「こいつ!」
「まあまあ、落ち着いて。取り敢えず、おめでとう。悠くん」
「あんたは…さっきの幽霊!」
「あはは。怖がらせて、ごめんね。審査だったから」
「はあ…」
「あ、私は、淡代 雪。あれの」
「雪!犯罪者に余計なことを喋るな」
「こちらは、節那 緋色くん。28歳」
「おい!高見」
「私は、高見 夏樹。年齢不詳です」
「まだ、年齢を隠しているのか…」
「モテたいからね」
「その年齢で…逆に、モテないだろ」
「・・・帰ろうかな」
「待て。始末書と業務報告書を提出して…」
「もう、帰りましたよ」
「さようなら~」
いつの間にか、階段まで移動していた、高見。
「あいつ…」
そろ~
「待て」
後ろから、首根っこを掴まれた、悠。
「新人探偵。お前が、始末書を書け」
「書いたこと無いので」
「書け!」
「・・・はい」
「融通が利いて、助かるな」




