№_01_ふりがな版
合縁奇縁
ジーー
骨董店に並ぶ、世にも奇妙な青い壺を見つめる、男。
「サッ、左よし。サッ、右よし」
バッ
壺を持って走りだす男。
ピキッ⊰⊱
「おい!待て、ごらー」
「はっやっ‼」
「毎日、店に来るてめえが、怪しいと思って見張ってたんじゃ。ぼけー」
「くそー、この一個で三色コンプリートだったのに。あっ」
隆起した地面に足を引っ掛ける。
パリンッ!
「あーーー」
「てめえ、なにしてんだ!」
「あんたが追いかけるからだろ!」
「当たり前じゃ!」
「とにかく、警察を呼ぶから、おとなしくしていろ」
「はあー壺割っただけなのに?」
「割っても、罪だぞ」
「そんなの、捕まり損じゃん」
「少しは反省しろ!」
ウ~
「はい。この人物が窃盗の容疑者ですね?」
「あと、器物損壊もです」
「では、連れて行きます。詳しいお話は後ほど・・・」
「ご苦労様です」
「ほら、早く乗れ!」
「う~。壺が…コンプリートが…」
ウ~ウ~
キーガチャン。
留置場の入れられた、男。
「はー。うん?」
振り返ると、部屋の隅でなにかに怯える人物がいた。
「先住民?あんたは、なんでここに」
「くる。くる…あいつが。あ、あ、ああ~」
「うわ!・・・薬かよ」
「あ、あ~。くる。くる、くる」
「・・・お、おい、あんた。大丈夫ですか」
鉄格子から顔を出して人を捜す。
「すみませ~ん。お~い、誰かいませんか~?」
「・・・来た」
ドカッン
突然、留置場の壁が吹き飛んだ。
「あ・・・。お、おい!大丈夫か」
!!
先程まで怯えていた人物の姿が、明らかに変化していた。
上半身は、服が破けるほどの体積に増え、
下半身は、ストレートパンツが半ズボンに変わっている。
「な、なんだよこの化物・・・”かっけー”」
化物は、留置場の壁を壊し進んで行く。
男は、行進する化物の前に立ち塞がった。
「おい!どこ行くんだよ、お前」
「悪いことした奴が、罪も償わずに逃げられる、と思って
ドンッ
「ぐはっ」
化物の腕で薙ぎ飛ばされ、壁に衝突すると、血反吐を吐き倒れた。
地面に伏せながら、化物の方に目をやる。
「な、なんだ。あれ?」
壁を壊す化物の背後に、黒い靄の罹った人間が見えた。




