№_23_安居楽業
~登場人物紹介~
主人公・・園久 悠
悠の守護霊・・勘凪 剛
探偵・・天張 緒乃葉
警察・・節那 緋色
緋色の守護霊・・淡代 雪
謎・・羽賀魔 天
天の守護霊・・朽木 縷射
謎・・未吉 龍
龍の守護霊・・紘街 燐
街の裏通りに戻り~
_「ふふ。この状況なら、殺っていいよね?」
_「…止むを得んな。だが、お前の相手は、こっちだ」
緒乃葉に敵意を向ける天を、持ち上げ、緋色に向けさせる、龍。
_「雑魚の方が、俺の相手だと?舐められたものだな!」
取り出した手袋を着け、手を握り込む、緋色。
_「雑魚ね~本当に、そう見える?」
薄ら笑いの天が、体の形状を、うねうねと変化させる。
_「いつ見ても、悪餓状態の人間は、気持ち悪いな!」
表情を無に変えた天が、緋色に向かい走り出す。
_「…雪」
落ち着いた声色で、背後の雪を呼び出す。
_「は~い」
バリバリバリ!
雪が、吹き出した氷塵が、辺り一面を氷原に変えた。
_「あれれれ?」
氷塵を浴び、全身を、氷で固められる。
_「凄~い。”夜”の、情報通りだ!」
_「いや、これは、情報以上の威力だぞ、天。あまり、気を抜くな…」
氷で覆われた自分の下半身を、強引に弾き飛ばす。
_「ちょっと。私まで、凍らせるつもり?」
浮遊させた刀の柄に、片足を乗せ、氷を回避した緒乃葉が、緋色を強かに睨む。
_「…人間のお前には、効かないだろ?」
_「氷は、龍の脚を、狙う目的だったんだが…後は、自力で殺れ」
_「それにしては、随分と、貧弱な氷ですこと…」
_「今出せる、全力を出したんだがな⁉」
久々に破壊された強者に、思わず笑顔が零れる、緋色。
_「まぁ、こちらは、早々と終わってしまった様だが…」
_「はぁ~龍の方が、相性よかったんじゃない?」
全身を覆う氷が、二つに割れ、体から離れて行く。
_「ありがとう、縷射」
_「やはり、名持ちの悪餓か…雪、本気を出す」
_「見張りの捜査員に、退避の指示を送れ」
_「…うん、分かった」
緊張した面持ちで、氷の花火を打ち上げる。
_「良かった~あれが、全力じゃなくて…少しは、楽しめそうだね」
_「雪!」
雪は、無数の氷槍を、空中に作りだし、天に放つ。
しかし、直進した氷槍は、天に当たる目前で、進路を壁に替えてしまった。
_「遠距離は、駄目だな…次だ」
冷静に見定める緋色は、雪に氷剣を作らせる。
_「出来たよ、緋色」
氷剣を緋色に手渡し、雪煙と成り、姿を消す。
_「消えちゃった!まぁ、無駄だと思うけどな~」
距離を詰め、天に斬りかかる、緋色。
緋色の氷剣に合わせ、上半身を左右に動かし、斬撃を避け続ける、天。
死角を衝いた雪が、氷槍を放つが、天に近づいた途端、進路が反転してしまう。
始めから、跳ね返されると予測していた雪は、体を透過させ、氷槍交わす。
しかし、通過した氷槍は、再び進路を変え、緋色めがけて進み出した。
_「緋色!」
_「ああ、問題無い。予定通りだ…」
氷槍が氷霧に変わり、緋色と天の視界を奪う。
_「はあ~そんなの、ずるいよ!」
緋色の氷剣が、天の右腕を、切り飛ばす。
_「痛~い…なんてね!」
_「⁉」
切り飛ばした右腕は、宙に浮き、血の一滴も垂れていない。
_「ふふふ、びっくりした?」
_「・・・これは、時間が掛かりそうだな」
氷剣から振り払われた血が、氷の地面に、三日月を描く。
建物の上を移動し、天と緋色たちから離れた、龍と緒乃葉。
_「そろそろ、始めるか…」
_「私は、何時でも、構いませんけど…」
_「燐!」
守護霊を呼んだ龍は、鎧の様な黒闇を、全身に纏った。




