№_19_阿鼻叫喚
~登場人物紹介~
主人公・・園久 悠
悠の守護霊・・勘凪 剛
探偵・・天張 緒乃葉
新人探偵[巫女]・・矢真白 百
百の父・・矢真白 鉄男
謎・・羽賀魔 天
謎・・未吉 龍
_「剛⁈」
_「ダメだよ、龍。大事になったら、厄介なんだから」
_「目的は達した。誰が来ても、逃げるだけだ」
剛が衝き破った壁の奥から、血を付けた大男が出て来る。
_「誰だよ。あんた達?」
ゆっくりと近づく龍を、冷静な表情で睨む、悠。
_「あほ。逃げろ…」
ダメージを負った剛が、起き上がる。
その様子を見た龍が、起き上がろうとする剛へと、進路を替えた。
_「だから、ダメだって!それ、”特異種”だから」
_「こいつが、例の奴か…全く、楽しめそうに無いが?」
_「そう?あいつよりは、楽しめると思うけどな~」
_「楽しめそう?」
笑いを堪える天に、不機嫌な顔で、問い掛ける、悠。
_「ふふ、そう!見てよ、あれ」
くすくすと笑う天が、社務所奥を指差す。
覗き込んだ悠の目には、血溜まりの床と、壁に貼り付けられた鉄男の姿があった。
_「はあ~怒れたわ…」
横で腹を抱えて笑う天に、殴り掛かる、悠。
顔面に迫る拳を、余裕で受け止める、天。
_「いきなりは、止めてようよ。悠くんと戦うつもりは、無いんだからさ!」
掴まれた腕を払い飛ばされた悠は、横腹を天に蹴られ、激しく吹き飛んだ。
_「悠!」
血を吐き、上半身を起こそうとする、悠。
_「ぐはっ。この馬鹿力、人間じゃねぇだろ…」
_「ひどい!人間だよ、一応?」
天は、腕を組みながら怒り、地団駄を踏む。
_「おい。あれも、壊してはいけない者だぞ」
_「分かってるよ…少し物足りないけど、帰ろうか?」
剛と悠を、ぼろぼろにした二人は、その場を去ろうとする。
_「待て…」
_「待てと言われて、待つ奴なんて居ないよ~」
_「待ても出来ないなんて、貴方は、犬以下なんですね…」
_「は⁉」
シュッ。
飛んで来た来た緒乃葉の刀が、振り返った天の顔を掠める。
_「緒乃葉…先輩!」
_「緒乃葉”様”でしょ!」
倒れた剛と悠を、天と龍の視線から消す様に、緒乃葉が現れた。
_ 「いいの?大事な武器を、投げ捨てちゃって?」
_「さぁ、どうですかね?」
遥か彼方に飛んで行った刀が、反転し、天の背後に迫る。
迫り来る刀を、平然と素手で振り払う、龍。
_「天…気をつけろ」
_「大丈夫だよ。あれは、自由に操れるだけの、刀なんだから」
_「まるで、私の力を、知っているかのような口振…気持ち悪いですね」
振り払われた刀を、自分の手元に戻し、二人を睨む、緒乃葉。
_「あはは、挑発された~!でも、早く帰らないと、怒られるからさ~」
首を横に振る龍を見て、困った顔で悩む、天。
_「ばいばい」
緒乃葉の挑発に、万遍の笑顔を返し、天たちは、神社を去った。
_「…百さん、出て来ても良いですよ」
物陰に隠れていた百が、顔を出す。
_「怖かった…何あれ?」
_「追って・・・」
口の血で、会話が儘ならない悠が、声を絞り出す。
_「無理ですね。流石の私でも、あれに二対一では、勝てそうにありません」
立ち上がろとする悠に、手を差し伸べる。
_「まずは、傷の手当が先です…」
緒乃葉の肩を借り、起き上がった悠は、社務所奥を指差す。
_「・・・あっち」
_「きゃああああ」
突然、百の叫び声が、神社に響く。
肩に置かれた悠の腕を、振り払い、崩れ落ちた百に、駆けよる。
_「はぁー最悪です・・・」




