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帰宅途中
真ん中の兄貴と俺の話
まだ地元にいた頃、兄貴を助手席に乗せて家に帰ってた。
結構夜の深い時間帯で雨が降っていたと思う。
家が裏通りに面しており、しかも、自宅前の道路が一方通行ということで、いつも大外回りで帰ってた。
その途中の車一台が通れる狭い道路を走ってた。突き当りを右折すればもう裏道から抜けれるところ。
「危ない!!」
突然、兄が叫んだ。
びっくりして急ブレーキを掛ける。少し前のめりになるぐらい勢いだったので、二人共、必然的に顔を伏せた状態になった。
車が完全に止まって顔を上げた。
「あ、あれ?」
困惑している兄。
「なに?どうした?」
兄に問いかけた。
「いや、目の前に赤い服の女の人がおったんやけど・・・おらんくて」
兄貴が叫んだ時もその前もそんな人歩いてなかった。
そして、そのまま帰った。
というお話。