表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

84/84

84 最終話~光の中へ

 ついに結婚式の日がやって来た。


 恒例のように朝5時に、侍女レンジャーにたたき起こされ、もみくちゃにされ……

 今日はその、いつもの作業が嬉しく思う。


「もう、ルーシーったら泣かないで」

「ウッ、ウッ、グスン。だってぇ、おぢょうざまぁ……」

「永遠の別れじゃないんだからぁ」

 私はルーシーに微笑む。


「そうですよ。ルーシー。今日はおめでたい日なんですから」

 鬼軍曹ことメラニーの目の端も赤くなっている。


「もう、みんな、笑ってちょうだい」

「いつでも会えるんだから」

 私が言うと、


 鬼軍曹殿がすかさず

「王太子妃殿下ともあろう方が、簡単にお城を出るなど、あってはなりません!」

 強い口調で言う。


「い、いえ……簡単と言うか……ちゃんと言って出て……」

 鬼軍曹殿の目がキラン! と光った為、続きの言葉は口の中にしまった。


 準備が整い、お父様とお母様に挨拶をする。


「エレナ。おめでとう」

「今日のエレナはとても綺麗だよ」


「エレナ……」

 二人に優しく抱きしめられた。


 はじめて私がこの世界に来た時、ベッドから起き上がった時に心配そうな顔を浮かべた後、直ぐに私を大事そうに、優しく抱きしめてくれたこの二人の顔を思いだした。

 この二人の溢れる愛情があったから、これまで頑張って来れたんだわ。


「お父様、お母様、こんな私を今までずっと支えて下さり、本当にありがとうございました」


 二人の手を取り、お礼を言うと、泣きながら再び強く抱きしめられた。


「さぁ、今日はエレナの新しい出発の日だ」

「おめでたい日にいつまでも泣いていてはいけないね」

 お父様が優しい声で私の頭を撫でながら言った。


「そうね。エレナ、無理をしてはいけませんよ」

「あなたは何でも一人で頑張ろうとするから、これからは、殿下をお支えし、二人で仲良くこの国の為に……」

 お母様は泣きながら、私の背中を撫でる。


「さぁ、そろそろ時間だ。行こうか」

 優しくお父様が私に手を差し出す。

 私はお父様のエスコートでホールを出て玄関前の公爵家の人達全員に見送られながら、門前で待つ馬車へ向かった。


 今まで本当にみんなありがとうございました。

 心に中で再び呟き馬車に乗った。




 ───王宮に到着すると、ルドルフが待っていた。

「エレナ様、クロフォード公爵様、本日はおめでとうございます。こちらへ」と

 お城にある教会へと案内された。



 大きな白い重厚なドアに、ルドルフが手を掛ける。

「よろしいですか?」

 優しい笑顔で私とお父様に聞く。


 軽く頷くと、そのドアをゆっくりルドルフが開けた。


 大きな窓から、眩いキラキラと輝く光が一気に視界に入る。

 その眩しさに一瞬目を閉じる。


 そして、ゆっくりと再び目を開けると、赤い絨毯の向こう。

 白い大きな祭壇の前に金色の髪を靡かせ、白き大きな羽を携えた天使の姿があった。


 嗚呼、私はこの光の世界に足を踏み入れるのね。


 元アラサー独女だった私が、光溢れる世界へと!


 神の降臨とも思えるその光景に目が眩みそうになった時、


「エレナ。行くよ」

 優しく力強い声でお父様が言った。

 私はその声に頷き、お父様にエスコートされ、一歩ずつ絨毯を踏み込む。


 そして、天使様の前まで来たところで、そっとお父様が手を離した。



「エレナ。綺麗だ」


 天使様がニッコリ微笑んだ。

 部屋全体が白く、そして光輝く。


 そっと、私の手を殿下が取り、軽くキスをした後、神父様の誓いの言葉を述べる。

 そして、先日殿下から頂いたお揃いの指輪を互いの指にはめる。


 殿下が私の薬指に指輪をはめた時、


「私はこの先もずっと君を愛することを誓おう」

「1000年先も永遠に」

「愛しているよエレナ」

 そっと、私の手にキスをした。


 そして、ゆっくりとウエディングドレスのベールをめくる。

 優しく微笑みながら、そっと唇にキスをした。


 溢れる涙をゆっくり殿下が拭ってくれながら、

「エレナ。笑って」

 耳元で囁いた。


 私はこの人のために、そして私を愛してくれる、みんなのために

 ずっと笑っていよう。

 光の中で……




 心の中で誓った。






 fin.                                                             






今までお読みいただき本当にありがとうございました。

これで、このお話は終了となります。

近日中に、新作投稿予定ですので、こちらもお読みいただけると幸いです。

モチベーション維持にもなりますので、よろしければ、広告下

✩✩✩✩✩から作品への応援と、ブックマークをして頂けると、作者は泣いて喜びます。

是非よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ