67 ハンバーガーショップ(1)
資金の問題がクリアしたことで契約を結んだ。
ついに3億の城主となったんだわ。
パート主婦だった私が……
こそばゆいような、嬉しいような複雑な気分だった。
もう買っちゃった物は仕方ない!
よし、頑張ろう!
「お嬢様。ドレスが出来上がってまいりました。こちらにおいでくださいませ」
強めの口調で鬼軍曹殿が。
「まさかとは思いますが『パンの店』のことなぞ考えてらっしゃいませんよね」
「まあ、わたくしが口にする間でもございませんが」
「聡明なお嬢様なら、今一番にするべきことはお分かりでしょうし」
チクチク…手裏剣と吹き矢が飛んできた。
【忍術:隠れ蓑の術】でも発動しようかしら?
「何かおっしゃいましたか?」
目が怖いですから。
「さ。さ、お時間がございません。お早く参りますよ」手をとられ、拉致された。
そう、最近は殿下との『婚約披露パーティー』に向け、色々と毎日準備に追われている。
「ハンバーガーショップ」の件は、お父様とも話合い、なんとフィニーとトムに任せることになったのだ。まぁあの二人なら安心だわ。
店の内装も二人に基本的には任せ、一応私がそれを見てアドバイスする形となった。
二人には「ハンバーガーショップ」の概要を伝え、二人の意見も聞き概ね内容が決まった。
あとは、開店準備に向け、あちらも大忙しだ。
今回はお父様との約束もあり、改装も全て二人が取りまとめている。
ビックリしたのはトムの有能さと顔の広さだった。
あの人懐っこい性格の為、色々な伝を使い、どんどん進んでいるようだ。
良かった。あの二人に任せて。
今回はお父様とも相談し、開店資金が完済した時点で、全ての権利を二人に譲渡することにした。
私とお父様からの二人への結婚祝いだ。
その話を二人にすると「そんな大きなお祝い頂けません!」と口を揃えて恐縮した為、とりあえず、完済後5年間だけ、利益の1割を頂く形になった。
お店の経営については二人に任せるが、是非私に相談役になって、アドバイスを引き続き受けたいと強く言われた為、何かの際には手助けすることにした。
今回はほとんどの物が揃っていた為、外壁と屋根を塗り替え、壁紙の一部を変更し、多少手直しする程度で改築は早く終わる予定だ。
お客様がご自分で捨てれるゴミ箱の設置や、大きなカウンターの設置。
あとはコレ!「ハンバーガーショップ」と言えば「ポテト」
厨房に特注で「フライヤー」を設置した。
軌道に乗るまでは「チキンとビーフとフィッシュ」の3種のハンバーガーと、ポテトフライ、果実水だけの販売とした。
パンはあのフワフワパンだ。
自家製のパンを店内でも焼けるように特大オーブンも用意した。
二人の努力と伝で、従業員の確保も順調だと言う。
流石はしっかり者のフィニーと、多才なトムだわ。
開店が待ち遠しいわ。
ワクワクしてくる。
明日にでもちょっとだけ様子を見に行ってみようかしら?
と思っていたら、
鬼軍曹様の目がキランと光った。
もはやエスパーを通り越して、人外ではなかろうか?
最近では少し思っていることは内緒だ。
「お嬢様、集中してくださいませ」
あ、怒られた……
怖いから……
侍女レンジャーにコルセットをギューっと絞められ、胃の中の物が出そうだ……
「サイズはよろしいようですねぇ」
「お嬢様、これから、お披露目の時までは甘い物はお控えくださいませね」
えええ??
「甘い物はお顔の艶によろしくありませんし、今の体型を当日まで維持して頂かなくては、まいりませんから」と強めに言われた。
グスン……
ルーシーに助けを求めて彼女の方に視線をやるが、目を逸らされた。
逃げたな……裏切り者め
「ルーシーをはじめとした、邸内の侍女全てに言い聞かせておりますゆえ。無駄でございますよ?」
うん。やはり人外確定ですね。
「最後までお読みいただき、ありがとうございます」
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