60 未来を動かす者とは
もう少しで、再び王子登場です。
暫くお待ち下さい。
昼食後はついに「こたつ」に使用する「魔石」と魔道器の改良に着手した。
「この大きさで、2時間かぁ……」
「確かに、ないよりはいいけどなぁ」
「受けがデカイしなぁ。これだと、一般家庭にはなあ」
「外がデカくなりすぎる」
みんなが、私が思いつきで考えた「こたつ」について真剣な眼差しで
話し合っている。
なんだか申し訳ない気持ちだ。
鍋パしながら、ふと思いつきで。なんて到底言えない雰囲気になってしまった……
どうしよう……ゴメンナサイ
しかも国の最高機関の秀才ばかりで……
そのうちの一人は大陸にも名を馳せる賢人様 変人ではないよ?
「『魔石』が小さくて大きな火力が無いなら、出力を下げるのは無理なのかしら?」
心の声がつい出てしまった。ハッ! すいません…素人が。
一瞬、場が凍りつく。
しまった! 素人が、真剣に考えてる専門家に余計なことを……
「ごめんなさい…」小さな声で呟き、
「しろう…」最後まで謝る前に
怒鳴るような低い声がした。
「お前、今なんつった?」
え?
「いや…すいません。しろう…」また最後まで言い切るまえに
「その前だ! もう一回言ってみろ!」
へ?
ん??
「いえ…出力を小さく…」
「詳しく!」
コワイ……
「火力を上げることが出来ないんなら、出力を抑えることができるなら?」
「同じ属性の魔石を連結出来なくても、別の出力の補助になる魔石を使用して、その二つの魔石を補助さすと言うか……」
「例えばですけど「火の魔石」に「風の魔石」で風力を補助したら、火事の時みたいに?
風の力で、火が強くなりますよねえ?
あれと同じ原理で「風力」を出せる羽みたいな物をですねぇ……」
「それだ!」「でかした! お前!」
最後まで言うまえに、何故か頭をワシャワシャと、され……
バーバラさんと、リチャードさんは、紙に何か絵を書き始めた。
「『風の魔石』と『火の魔石』とコイルありったけ持ってこい!」
急いで、ドアの外に走って行くシドさんを見ながら
「エレナちゃん、羽はこんな感じでどう?」と
バーバラさんが、絵を見せる。
仕事はや!
それは、細く長い羽が二本ある絵だった。タケ○プター? みたいな感じの絵だった。
私のイメージはアレ! 扇風機の羽!
そう、ファンだ!
バーバラさん、ちょっと借りていいですか?
「ん? いいわよ?」と言って、紙とペンを貸してくれた。
下手だけど、一生懸命、わかりやすく四枚の幅広で三角の羽の絵を書いた。
その横に三枚の三角の羽の絵も。
四枚でも三枚でも、小型化するなら長い羽より面積ある羽のほうがいいのでは?
と思い扇風機型の羽の絵にした。
それを見たバーバラさんと、リチャードさんが
「なるほど……面が広いほうがいいかもなあ」と腕を組みながら言う。
私の思いつきからはじまった「こたつ」それを形にしてくれた、この世界の人達。
そして、今は私の素人考えの話を真剣に考え「形」になるように、本気で頑張ってくれている人達。
本当に、この世界に来れて良かった。
前の世界の文化を持ち込むことに躊躇したが、それで、この人達の優しさに返すことが出来るなら、良いよね?
私の知っていることで、ちょっとだけお手伝いして、この世界の住人が私にしてくれたことに、私は恩返ししたい。
この国の未来に、この世界の未来の人達みんな幸せになって欲しい。
「平凡で安定した生活」をこれからも追いつづけよう!
「コイルとってー」
「ゴメンこっち切れちゃったわ」
「風強い? もう少し回転数落とせる?」
研究員のみんなが「私の夢」を形にしてくれている。
私は幸せだ……
「おい! 何ぼけーっと立ってんだ!」
「さっさとデータ書き込めよ!」
「働け! 手を動かせ!」
ゴメンナサイ!と、声のする方に目を向けたら、
シドさんがシュゼル様に頭をポカンと叩かれていた。
クスクス……私じゃなくて良かったと安心したら
「おめーーーーもだ!」
「笑ってる暇あったら、手動かせ!」
「今日は帰れねーーぞ!」
え?
そこは勘弁してください…
「シュゼェさん。それはちょっと、女の子ですしぃ……」
リチャードさんが
「あん?」
「ここにも女の子が居ますけど? バーバラさんが
リチャードさんを睨んでる。
「王立研究所所員たるもの時間如きのしょうもない、ちぃせえことで小さくまとまるな!」
「俺達は、未来を動かしてるんだ!」
「わかったら、さっさと手ぇ動かせ!」
あ、これダメなやつだ…
研究バ○…の 完全社畜体質のやつね……
「部長殿? ちゃんと睡眠もとって、休憩もしませんと良い案は埋もれてしまい、生まれませんことよ?」
令嬢口調で、シュゼル様に言うと、
苦虫を踏み潰したような顔で「クソが…」小さな声が一つ
「何かおっしゃいました? 大公様?」と、言うと
ヒュー「つえぇー」とシドさんが。
「こりゃぁ一本取られましたね」と、リチャードさんが言い、
「大公様!」みんなが口を揃えて笑いながら言う。
「では、大公閣下、ごきげんよう」
白衣の裾を持ちカーテシーでお辞儀をする。
「ふん」と一言返ってきた顔は穏やかだった。
「最後までお読みいただき、ありがとうございます」
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