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59 新人研究所員

 翌朝10時前「おはよう~エレナちゃん」

「昨日は、よく眠れた?」

「おはよ~」

 ドアを開けながら、普通に通される。


 え? 変でしょ? 

 いいの? セキュリティとかセキュリティとか、セキュリティとか!

 大事なことなんで三回言いました!


「よう! これに着替えな!」

 白い服… え? 白衣?


 なぜに? 私は見学に来たのでは?


「あーこっちね~ついてきて~」バーバラさんに手を引かれる。


 え? 

 いつのまに手を? 足音しなかったよ?

 ここも忍者屋敷か!



 そして何故か私は今、白衣を着て、昨日の作業の続き、ひたすら粉薬を天秤に載せ…


 何故こうなった??


「よし! きりがいいヤツから止めて、メシにするぞ!」


「おーーーーー!」と野太い声がこだまする。


 すると、シドさんがやって来て、なにやらメモを持っている。


「エレナちゃんは何にする?」


「へ?」思わず素になって答えてしまった。

「うちはねえ。毎日、お昼は買い出しに行くんだ」

「独身者ばかりだしね」と苦笑いしながらメニューの紙を差し出す。


「串焼き」「魚の塩焼き」「サンドイッチ」「チキン」「芋の塩ゆで」「焼き菓子」など

 手書きのメニューだ。

「これは?」と、たずねると

「そこの公園の屋台のさ!」ニカっと笑う。


「ちなみに俺は今日、チキンのサンドイッチと串焼き三本と、芋茹でにしたけどね」

 またニカっと笑いながら言う。


「じゃぁ、サンドイッチで」と言うと


「チキンとサラダも追加で!」シュゼル様が横から言う。


 私が顔を向けると「お前、サンドイッチだけ! なんてダメに決まってんだろ!」

「何、考えてやがる!」

「そんなだと昼からバテちまうぞ!」

「これだから、お貴族のお嬢ちゃんわよぉ」と。


 なんかコワイ…

 そして昼からもですか?

 何さされるんだろう…

 ちょっと不安になった。


 そして、何故? 貴族令嬢だとバレた?


 顔に出てたのか?

「わからねーほうがおかしいだろ?」

「その振る舞いに、昨日の食い方みりゃ」


 なるほど…


「まぁヘンリーのヤツが連れてきたってことは、()()()()()()()の差金だろどうせ」

「あいつは良いやつだけど、真面目すぎてダメだ。もうちっと遊ばねーとな!」


「今度()()()()()()()に言うといてくれ」

「もっと周りに目をちゃんと向けろ!」ってな。


 豪快に笑いながらシュゼル様は言われた。


 殿下と私のこと知っているのかしら? と考えていると


「まぁ、真面目だし、優しいから旦那にはイイ物件だけどな」


「アンタなら安心だ。この国の未来もな」

 最後は誰にも聞き取れないぐらいの小さな声で呟いた。


 やはりご存知だったのね…


 でも認められた気がして、ちょっと嬉しく思った。


 そんな中、シドさんが来てちょっとモジモジして先程のメモを見ている。


「あぁ、そいつの分は俺が出しとくから」シュゼル様が。


 あ! 集金だったのね! 気づかなくてごめんなさい…


「え? そんなの申し訳ないわ」「使いを出して…」

 最後まで言う前に

「馬鹿野郎! そんなこと気にしなくていい!」


「まあ、後でたっぷり、()()()()()から徴収しとくから安心しな!」

 口の端を上にあげて、含みのある笑みを浮かべる。


「いえ。で」あっ…


「明日、必ずお返ししますから、今日だけ立て替えていただけると…」と言うと

「アルデにツケとくから心配すんな」ニカっと笑った。


「これで、来年度の予算が…」小さな声が聞こえた。


「おとう、父ともお知り合いですか?」とたずねると、


「ああ、よく、昔はヘンリーのオヤジと、俺と、アルデと、フィリと飲みに行ったもんだ」

 懐かしそうな目で言われた。


 国王様のことは「フィリ」って呼んでらっしゃるのね……

 この国の国王陛下のお名前は確か、フィリップ・サーチェス・グレンシード様だった記憶が。

「国王陛下」か「陛下」か、「サーチェス陛下」としか呼ぶことが、ないものねぇ。

 良かった。陛下とも仲良しなのね。

 安心したわ。



 殿下とルドルフ様のような悲しい関係でなくて良かった…



 ふと、ルドルフ様のことを想うと、込み上げてくる何かがあった…

 会うことは出来ないけれど、お手紙ぐらいなら。

 今度、殿下に相談してみようかしら…




「おい! おまえら、そろそろ休憩終わりだー」

「さっさと片付けて仕事に戻れ!」


 大きな声が聞こえて、ハッと我に返り、

 残りのサンドイッチを口に急ぎ押し込んだ。



 これ、お弁当屋さんとか、そうねぇ屋台はあるけど、ファーストフード店みたいなのが

 あると便利なんじゃないかしら?


 一人呟いた。






 ───この後、この時の思いつきからまた大混乱になることは、また別の話…





「最後までお読みいただき、ありがとうございます」

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