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55 こたつむり

 とある公爵邸の一室。「こたつむり」が一匹いた。


「はぁ…これはダメだわ。人をダメにしてしまう」


「もう抜け出せない…」


 一人の若い女性の声がした。



「ルーシー、いつまで埋もれてるのよ」


「そろそろ出て来たら?」私は苦笑いする。


「お嬢様…これは悪魔ですわ…」


「ほら、そんなこと言ってないで」


「それに、そろそろ、鬼軍…メラニーが来る時間よ?」



「ハッ!もうそんな時間でございますか!」


「失礼しました! お嬢様! 申し訳ございませんでした!」


 直立不動で頭を下げる。もはや私の幼馴染とも言えるルーシーが半泣きで、

 ひたすら謝っている。


「心配しなくても大丈夫よ。メラニーにはナイショにしておくから」


 と私が言うと、


「おぢよ…グェ おじょ、グェ エグッ…」と泣きながら抱きついて来る。


 ちょっ…鼻水はヤメてくださいよ…ルーシーさんや…



 そう!「こたつむり」が出来てしまった原因は私にもあるのだ。


 先日の鍋パのあと、早速、棟梁にお願いしたところ、


 昨夜遅く「試作品」が届いたのだ。


 テーブルに、火属性の魔石を組み込み、保温性を持たせることに成功したのだ。


 まだ、長時間の使用には難しいが、今後試行を繰り返し、もう少し小型化して、量産できれば。


 殿下にも相談してみたら、なんと、王立研究所の魔導部で開発中だ。


 この世界には魔法はないけれど、「魔石」があって、森の属性スライムの核から「魔石」が取れるのだ。


 それを加工して、属性の魔力が込められた石となり使用できるようになる。


 水属性の魔石なら道具に、はめ込めば水が出るのだ。

 火属性なら火が出る。

 なんと、素晴らしい!


 しかも、先の賢人様が開発した「充填機」に、魔力が無くなった魔石を入れると、魔力を充填できるのだ!


 これには流石にビックリした!

 さすが異世界! 超便利ツール! これにより、ほぼ永久的に、光熱費はゼロだ!


 素晴らしきかな、異世界文化!


 ただ、この「万能スライム魔石様」にも唯一欠点があった。

 

 何せ親はスライムだ。

 スライムから取れる核なので小さかった。

 従って、満タンに魔力を注いだ「魔石」を使用したとしても、その威力が…


「なら2個、3個、同時に使えば良いんじゃない?」と、あなた思ったでしょ?


 そう、私もこの世界に来た時、同じことを思って何度も試行錯誤。


 でも、ダメでした…


 この、複数個同時使用案は、この世界では、先史からの悲願だそうで…

 過去の賢人様があらゆる試行錯誤を繰り返してもダメだったそうだ。


 当然よね… 私が考えることぐらい、みんなやってるわよね…

 と、当時はちょっとグレた…


『「魔石」の複数同時使用可能』を、もし発見できたら、間違いなくノーベル賞ものだ。


 はぁ…科学とか化学とか物理とか…数学とか、元の世界でも苦手だったのよね…


 もっと勉強しとけば良かったわ…


 LEDとか省エネとかねぇ。


 複数個使用が無理なら、消費量を減らして、出力をあげるしかないわよねぇ…


 まあ、この辺のことは、専門家、王立研究員にお任せしましょう。



 うん。それがいい!





「最後までお読みいただき、ありがとうございます」

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