42 激震(1)
その頃、屋敷では怒鳴り声が鳴り響いていた。
「まだ見つからんのか!」
「申し訳ございません」
「店の倉庫や店内、帰り道、全てをお探ししましたが。残念ながら…」
「ええぃ! 王都中を探せ! 今直ぐにだ!」
「直ぐに手配します」
───
「ごめんなさい。私が、出たばかりに…」
泣き崩れるアンナと、寄り添うアンナのご主人の姿。
「休憩に行ってぇ~戻って来たらぁ~誰も居なくてぇ。そしたら、倉庫のドアが開いててぇ」
新人スタッフのコニーが答える。
主人の危機を聞き、急ぎ戻って来たアンと、彼氏のジョニーが、アンナを慰める。
フィニーとトムがドアを開ける。
「お、お嬢様が、い、いなくなったってぇ?」
息を切らせながらトムが言う。
フィニーは青ざめている。「なんてことに…」震えながら呟く。
そこに、ヘンリーと王太子殿下もやって来る。
「何があった!?!
その声は、いつもと違い、低く、抑揚が一切ない声だった。
アンナの旦那様が、二人に再度説明する。
説明を終えるか終えないか? のタイミングで、王太子殿下は走り去って行った。
慌ててその後を、ヘンリーが追いかける。
───その頃王宮では
「ゴールデン・イーグル」が緊急招集され、ヘンリーの激が飛んでいた。
「見つけるまで戻ってくるな!」
「もう直ぐ暗くなる!」「一秒でも早く探し出せ!」
次々と馬に乗った騎士達が城の門を駆けて行く。
その姿は壮観だった。
───その頃、公爵邸では
ルーシーと、ジニーはオロオロしながら、調理場の廊下を行ったり来たりしていた。
料理長のダラスも落ち着かない様子で、立ったり、座ったり繰り返している。
応接間には泣き崩れる、エレナの母クリスティーナとクロフォード公爵。
そこに、馬を駆けながら門を潜ってくる騎士の姿が。
執事のセバスが迎える。
「ステファノ殿下!」
「入るぞ!」足早に歩きながら言い、応接間のドアを開ける。
「殿下!」
エレナの父が立ち上がる。
「今、ゴールデン・イーグルがエレナを探している。時期にホワイト・イーグルも合流する!」
「直ぐに見つかる!」
「公爵、気を強く持たれよ!」
「エレナは必ず私が連れて帰る! では」
軽く会釈をし立ち去ろうとした際
「殿下、私も一緒に連れて行ってください!」クロフォード公爵が懇願する。
「いや、クロフォード。お前はここでエレナの帰りを待て」
「何かあれば直ぐに知らせをよこす」
「安心しろ! 必ず見つけ出す!」
再び踵を翻し走り去りながら、馬に片足で蹴上がり、急ぎ駆けた。
───そのころ、とある屋敷の一室では
「これで、この国も私のものだな」
顎に携えた髭に手をやりながら、いやらしい目でほくそ笑む、一人の男がいた。
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