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41 失った物

 んー


 ここは何処?



 カツン、カツン…


 足音?



 ギギ、ギィー



 ドアが開く



 !




「どうしてあなたがここに?」



「お姫様を助けに来たんだよ?」



 え?



 確か、店の倉庫に一緒に行って……

 それから…? 布のような物が



 イタッ… 頭が痛いわ… 自然と眉が寄る。



「無理しないで? お姫様」


「どうぞ。あまり高級な物は用意できないけど」

 と、紅茶を淹れたカップを差し出す。


「大丈夫だよ。毒なんて入ってないよ」


「ほら?」と言って銀のスプーンで混ぜる。


 ギィーっと、

 古い木の椅子を引きずり、そこに彼は座る。長い脚をゆっくり組み、優雅に微笑む。



「どういうこと? 説明していただけるかしら?」


「酷いなぁ。僕は君を助けたんだよ? 命の恩人に対して、酷いなぁ」

彫刻のような顔で笑う。



「お願い! 助けて! 家に連れて帰って!」



「なんで? 僕は君を助けてあげたのに、なんで、そこまでしないといけないの?」

 突き刺さるような漆黒の瞳で私を見る。



「君は僕にお礼がしたいって言ったよね?」


「お城で助けた時、そして今日も助けたんだよ? 僕は」


「僕は君のためなら、何度でも助けるよ?」


「でも、僕以外のところに君が行くのは」


()()()()()」 



 部屋の温度が一気に冷え、背筋に汗が流れ落ちるのを感じ、毛穴から汗が吹き出て不快感に覆われる。



「どうして?」私は恐る恐るたずねた。



「どうして?」

「そうだね。僕の大事な物を君が奪おうとしたから?」 小首を傾げニコッと笑う。


「え? あなたの大事な物なんて、私知らないわ! 奪うだなんて?」


「何のことを言っているの?」





 ゆっくりと目の前の男性は立ち上がり、私の前近づいて来る。


 キャッ! 


 彼の手がいきなり私の髪に触れる。



「そんなに驚かないで()()()さん? 髪にゴミがついていたから取ろうとしただけだよ?」

 ニッコリ微笑むが、その目は鋭く私の心臓を突き刺すかのようだ。



「お願いがあるの!」「いきなり店から居なくなって、みんな心配しているはずなの」


「せめて、店の者と、家に連絡したいんだけど」



「あぁ。そんなことなら、気にしないで大丈夫だよ」



「直ぐに彼らも気づくはずだから」彫刻のように整った顔で、冷ややかに笑う。




「どういうこと?」



「取り返すのさ。全てを」


「本来、僕が手にするはずだった物を返してもらうだけだよ」



「そのことと、私と何の関係があるの?」



「ん? そうだねぇ…」


「強いて言うなら、君が側にいたから?」


「そのせいで、君は巻き込まれたんだよ。可哀想に」


「でも安心して? 君は僕が守るからね」

温度を感じさせない人形のような白い顔で、ゆっくり笑う。




 背筋が冷えた……



何故?




ここから早く出なきゃ! きっと今頃みんな心配しているに違いないわ…

周りを見渡す。



「無駄だよ? 逃げ出そうと思っても。この部屋には一切窓はない」



「大丈夫。安心して。ずっと()()側にいるから。君は()()守るよ」





どうしよう……


お父様、ごめんなさい…………



























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