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32 遠い日の謂い

いよいよ、第二章突入です。まだまだ続きます。

今後とも、応援お願いします。

 黒騎士様に教わった通り、少し歩くと噴水が見え、右手に警護の騎士様が見えた。


 安堵すると騎士様が「どうされましたか?ご気分でも、お悪いのですか?」心配そうに言う。


 外の風に当たろうと思い少し散歩していた。と誤魔化すと「お城まで、お送りしましょう」と言ってくださり、ホッとして、今まで緊張していた身体の強張りが一気に解れ、足元がふらつく。


「大丈夫ですか?ご令嬢?」手を差し伸べられた。

「すいません。大丈夫です」頬がほんのり赤く染まり、自然と俯く。



 お父様とヘンリー様の姿が見えた。


「エレナ! 無事だったか!」と大きな声が。


「これは失礼いたしました。クロフォード公爵令嬢でございましたか。私は第一騎士団所属 サイシス・フォン・アンダーソンでございます。以後お見知りおきを」

 柔らかな笑みを浮かべる。


 騎士様にお礼を述べ、お父様とヘンリー様に付き添われ、お城のホールへと向かった。







 


◇◇◇


───「ルディ、母の側へ」「ルディ。お勉強は進んでますか?」「最近、上の空で身に入ってないと聞きましたが?」

「ははうえ。ちちうえとは、いつおあいできるのですか?」


「いずれ、お会いできる時が来ますから、その時まで、しっかりお勉強をしておきましょうね」


「父様に、ルディの立派な姿を見ていただきましょうね」


「はい。ははうえ」


「あにうえ、にもあってみたいです」


「えぇ。えぇ直ぐに会えますよ」


「ルディ。こちらにおいで」


「ははうえ」




───「母上!」「母上!」


「そんな、嘘だ!」「母上が!」


「そんなの何かの間違えだ!」


「誰か母上を!」「誰かおらんのか!」






 夢か…







───「ルドルフ殿下、こちらにおいででしたか」

「お待ち申し上げておりました」



「世話になる」


「いえ。殿下をお迎えできること、身に余る光栄でございます」



「さあ、中へお入りくださいませ。皆お待ちかねでございますよ」 ───








「エレナ、大丈夫だったかい? どこか痛むところはないかい? ケガはしていないかい?」

 何度も心配そうな顔で殿下が私に言う。


「申し訳ございませんでした。ご心配をおかけいたしました」


「いや、エレナが無事なら、良かった」目を細めながら優しい眼差しで微笑む姿を見て、安堵する。



「急に居なくなったから、ビックリしたよ」


「申し訳ございません…」

 あの場に居り辛く逃げてしまった自分の情けなさと、妖艶に微笑む艶やかな赤唇を思い出し、自然と目を伏せ俯く…



「エレナ。今日はおめでとう」


「ありがとうございます」礼を言うと、


 柔らかく、甘くとろけるような眼差しで、「エレナ今日は疲れただろう」「早く帰って休むといい」と言いながら、殿下が女官に目配せする。


 ヘンリー様とお父様が直ぐにやってきて、殿下に挨拶をお父様が済ませ、屋敷に向かう。







 あの黒の軍服の騎士様は、どなたでしたんでしょう?


 殿下にお聞きしておくのを、忘れてしまったわ……。



 それにしても、誰かに似ている気がするんだけど…

 思い出せないわ…一人つぶやきながら、ベッドに入ると、いつの間にか意識を手放していた。









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