21 赤い屋根のお城
改装工事は、急ピッチで行われ、ついに完成した。
本日「完成披露会」として「公爵家御一行様」で見学に行くことにした。
朝から、ルーシーとアンの「愉快な仲間たち」コンビは、バスケットにお菓子やお茶を詰めてウキウキだ。
遠足に行くんじゃないんだよ君達。
突っ込みそうになったけど、二人の楽しそうな様子を見て諦めた。
旗を用意するべきだったかしら? 迷子にならないようにバッジは必須。これ常識!
───「わぁー凄いですねぇ」「可愛い!」「おしゃれ~」など、女性陣の感嘆の声が、あちらこちらで聞こえてくる。
侍女見習いのアンはポカンと口を開けたまま、出来立ての白と赤の建物を見つめて固まっている。
頬にツンツンしてみようかしら?
壁は真っ白にしてもらい、屋根は赤にした。
大きなガラスを入れた出窓を作り、外からも中の様子がわかるようにした。
この世界の店は、入口の大きな重いドアだけで、外から中が見えるような店はない。
買い物客はお貴族様だからだ。
中は木材を天井、壁、床全てに貼り「カントリー風」に仕上げた。
陳列台や棚にも木材や丸太の小テーブルを、ふんだんに使い、温かみがある雰囲気になったと思う。
この世界の店と言えば、貴族向けな為、大理石や、レンガを使用した「重厚で豪華な造り」が定番だった。
そんな造り、とても100円ショップには向いてない。
最初、棟梁に「内装の床や天井、壁には全て板材を貼って欲しい」とお願いしたら「何言ってやがんだ?」と、少し怪訝な顔をされたが、絵を書き、色を塗って「こうしたい」をしっかり伝えると納得してくれた。
貼る板材の多さに、棟梁は唖然としていたが「やってやろうじゃねぇか」と職人顔で了承してくれた。
中に入った瞬間、木の匂いがする。
大きく胸いっぱいに息を吸い込む。 森林浴だ。
「うわ~~~」何処からともなく声がし、その後静寂になる。
みんな森林浴をしているのね。と、納得する。
実はこれ実際やってみると、とんでもない作業だった。
前の世界のように機械などなく、製材は全て手作業だ。当前、形は均一ではない。
大量の板材を、ひとつひとつ丁寧に貼り付けて行く作業だったのだ。
棟梁。ゴメンナサイ…
棟梁がジト目でこちらを見つめてくる度に、私は励まし応援し続けたのだった。
そのおかげあって素晴らしい出来映えだ。
私の赤い屋根のお城───
ここからが始まりだ。
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