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14 文通? いえ。苦行でございます

 王太子殿下よりの「お菓子攻撃」は3日に一回程度には減ったが、それでももう1年程続いているのだ。


 驚くべきキラキラ様! 

 もはや私の中では、ある種「新しい種族」の認識である。


 その度に、セバスチャン婦人───しつこい…

 より、返信の手紙を書くようネチネチと言われるのだ。


 文通と言えば聞こえが良いが、ほんの数時間しかあったことない異性。

 しかも王太子殿下相手に、何を書けば良いのだ? 教えてくれよ。セバスチャン婦人。


 内容なんか拡がるわけがない。おまけに、私はグ~ちゃんだ……

(このことは誰にも言ってない)

 言えるわけがない。

 そんなことを打ち明けたら、お父様とお母様はきっと寝込んでしまうはず。


 仕方なく返信の手紙を書く日は朝から気が重い。


 内容と言えば、毎度『先日は素敵な贈り物をして頂いて、ありがとうござます。とても美味しく頂きました。私のような者に、このような気づかいをして頂き……以下省略。』


 ほぼ同じ文面だ。前の世界のようにコピペがあれば楽なのに。何度も思う。

 もはや何かの呪文のように。写経の如く作業を行う。


 それに比べ、王太子殿下は、毎回、今日の出来事や、王宮での流行りや、ちょっとしたニュース、夕食のメニューなど、書かれている内容はバラエティーに富んでいる。


 使用されるカードや便箋も毎回とても綺麗で、可愛らしい物が多い。


 流石キラキラ王子! 女子力半端ねーーーー! いや? この場合男子力か?


 あまりにも、単調すぎる私の手紙内容に、毎回セバスチャン婦人から添削が入るのだ。

 赤ペ〇先生もビックリな、それはそれは、熱心な添削である……

 おかげで、げっそり。


 そんなこんなの日が続いていたある日の午後。王宮から帰って来たお父様が、真っ青の顔をして私を呼んでいる。 

 ん? 前にも同じようなことがあった気がする。


「エレナ!エレナは居るかい?」普段のお父様とは別人のように、大きな声で私を呼んでいる。


「エレナ、先日お前の『エレガンス』から発売された『エレガンス・ドール』を(ハンドクリームが軌道に乗り、1ヶ月程前についにリップクリームの『エレガンス・ドール』を発売していた)これまた王妃様が大変気に入られて、お前に褒美を出したい!」

 国王陛下が仰せだ!


 何かデジャヴ…。


 2回目ともなれば何となくお父様の雰囲気から話の内容は予想出来ていた為、さほど驚かない。

 でも褒美って何だろう?まさか「お菓子の詰め合わせ」とかじゃないわよね? 


「謁見は3日後だ!」

 これまた低い声でお父様が言う。


「3日が好きな王様なのね」

 小さい声で私が呟いたことは幸い誰も気づいていなかった。





「最後までお読みいただき、ありがとうございます」

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