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AI(アイ)がライバル  作者: 西野龍三
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不足感こそ悪魔の正体

『そのままで充分』本来、人間は満たされた存在で、これ以上求める必要は無い。

少なくとも、不足感を感じる必要等なく、自分自身の気の赴くままに行動すればいい。

【AIがライバル第3話 戦争と人身売買と風俗のヤミ】

  

『舞さん、また来るね』『よろしくお願いします。待ってるね。』

マイという源氏名の嬢は営業スマイルで見送ってくれるが、どこか切ない気持ちになる。

瞳の奥には悲しみがある。

龍吾は、仕事のストレスの捌け口を風俗に求める事になった。

収入が増えれば増えるほど、仕事のストレスは増え、

酒、タバコ、キャバクラ、風俗に溺れるようになって行く。

いわゆる『飲む、打つ、買う』にハマっていく。


そして、行為が終わった後、いろいろな話をしていく中で、好きで働くのではなく、こどもを預けられずにやむを得ず、短期間で収入が得られる、風俗という職場で働かざるを得ないシングルマザー、親が失業して学費を払えない学生など、本当に困って働く若い女性が多いという、社会の闇を感じるようになった。


身近な闇を見て見ぬ振りをして、耳触りの良い不幸にはお金が集まるようにも感じ、心が落ち着かない。


そして何故だか従軍慰安婦のニュースがやたら目に飛び込むようになり、

しばしば、中東の戦闘地域で戦う夢を見る。


いくつかの世界線が交錯する。


日本は、戦争を経験したからこそ武力を捨て、戦わない選択をした。

しかし、本当の平和が訪れたわけではなく、戦争は姿を変え、いじめや暴力、自殺や難病、感染症という形で、分散して世に現れ出るようになる。


一般的には『努力の先には栄光がある』と考える。

そして、奴隷解放の歴史は、そんな心からの解放の歴史でもある。

『何かを犠牲にしないと幸せは得られない』

そんな、まるで当たり前であるかのように錯覚する、根底にある『条件付きの愛』で満たされた集合意識というものが変容すれば、

生け贄、奴隷、人身売買はもちろん、犯罪すらも無くなる。


アメリカ独立戦争とは、人身売買、つまり人間を取引の対象とした、生け贄を良しとする悪魔との戦争。悪魔支配からの独立だった。

『人民の人民による、人民のための政治』とは、それまでが、

『悪魔の悪魔による、悪魔のための政治』が敷かれていたという事だと言える。


【何かをしなければ、幸せは訪れない】と言うような、【条件付きの愛】は

確かに成長を促す。

すべては成長の為。そして、成長すれば、生まれ出る時が必ずくる。

成長の先には生まれ出るものが必ずあるのだ。

しかし生まれる前には産道という、強い圧力、困難が伴う。

その時代の節目に戦争や地震、災害という形で圧が加わる事になる。


~過越の祭り~

自分の家のこどもが亡くなる事から助けたければ、羊を殺めて食べなさいという

『過越の祭り』という儀式がある。

そして、その最後にはキリスト自らが生け贄の子羊となり、その身を差し出す事になる。

誰かが亡くなるから、自分が生きている事ができる。

そして、自分が死ぬことで、誰かを助けている。

すべてはそのように、密接に関連していた。

食べられるものがいて、食べるものがいる。


しかしその正体とは、自己否定から来る不足感。

まだ足りない、何かを得ないと、何かされるという不安感。

『自分が満たされている』

ただただ、それだけでいいものを、不足感から、自分よりも弱いものを犠牲にし、そこから何かを得ようとする。

人と比較して優越感を得ようとする。

そして、自分も誰かの犠牲になる事を厭わない。


つまり悪魔支配の根本とは、

『自己否定から来る不足感』

不足感が募り、自分への信頼ではなく、他への渇望、お金や地位、物欲や他者批判にエネルギーを注ぐ。

その結果、産み出したものが悪魔の正体であったのだ。

『自己否定から自己受容の時代へ』今まさに変革の時。

産道を通り、生まれ出る。

自己否定感の強い悪魔を叩いては逆効果である。

自身の弱い部分を認め、不完全であることを受容し、成長に向けて一歩踏み出せば戦争は終わる。

そんな意味では、人類解放のフィナーレは『赦しと受容』がテーマであった。

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