表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/557

95


「……あ、あの、私…」

 レーア様が目を見開いたまま固まっている。指先も炎を放った時のままで。


「これはこれは予想以上だ」

 とヴァイツェン様が言っている。こころなしかとても嬉しそうに見える。


「凄いな、その子の力か」

 アルフォンスも同意している。オスカー様達は呆然としている。


「凄いですね、レーア様」

 と私が声をかけるとやっと動き出した。


「あ、あの!私の力なんですか?今の……」

「もちろん。君とその子の力だね。これは…2×2の4倍の更に×10ってくらいかな」

 ヴァイツェン様が推測する。

「それぐらいですね」

 アルフォンスも肯定している。


 ×10ってことは40倍か。部隊長のビット様で五人だから25倍なので、かなりのものだろう。っていうか、他にはいないレベルでは?


「これは…私の部隊長の座も危ないんじゃないですかね」

 とオスカー様が笑いながら言う。

「いや、俺もでしょ。ってか他の色の子の分も10倍になるんだったら、すごくない?」

 ビット様も興奮している。


「あ、あの的、壊しちゃったんですけど、弁償とかって…」

 レーア様が心配そうに問いかける。アルフォンスが

「ああ、全然気にしなくていいよ。備品だし」

「でも」

「大丈夫。そういう予算はちゃんとあるから。でもレーア嬢用のは防御力上げないとだめだね」

「そうだね。我が家で練習する分は私が施すよ。こちらの分はアル、頼むね」

 ヴァイツェン様がアルフォンスに頼んでいる。

「わかりました。材質も変えようか」

 と話していると誰かまた近づいてきた。今度は赤い髪の女性だ。


「先ほどのはなんですか?殿下」

「ああカリーナ。あとでそっちにも行こうと思ってたんだが」

 先に紹介しておくね、と

「第二部隊長のカリーナだ。カリーナ、今日から魔道士部門に入門したレーア嬢だ。しばらくヴァイツェンの元で訓練する。こっちにきたらよろしく頼む。第三に入ることになるとは思うが。でレーツェルはわかるよね。初めましてかな?」

「第二部隊長のカリーナと申します。よろしくお願いいたします」

「こ、こちらこそ、レーア・ストリアと申します。よろしくお願いいたします」

 レーア様が頭を下げる。続けて私も挨拶する。

「初めまして、カリーナ様。レーツェル・シュヴァルツと申します。これから先関わることも多いかと思います。よろしくお願いいたします」

「カリーナも視える人だから」

 とアルフォンスが付け加えてくる。


 第二と言うことは回復系の方か。確かに緑の子が四人ついている。しかし見た目は、と思っているとヴァイツェン様が

「見た目は第一に見えるけどね」

「よく言われます」

 とクスッと笑っている。続けて

「先ほどのはレーツェル様?レーア様?ですか」

「レーア嬢だ。その虹色の子の力だ」

 アルフォンスが説明する。

「あら本当。珍しいっていうか初めて見る色の子ですね。レーア様の子ですか?」

「生まれた時から一緒にいるから守護精霊だね」

「羨ましいです、凄い愛されてますもんね」

 と、カリーナ様がおっしゃるとレーア様が

「愛されて…」

「ええ。愛されてって表現で合ってるかはわからないんですけど、その子がレーア様の事とても大好きな事はわかります」

「だよね」

 とヴァイツェン様も同調する。するとレーア様から突然涙が溢れ出した。


 皆がえ?と驚いて、あらあらとなっていると


「す、すみません、こんな風に話しが出来る日が来るなんて信じられなくて……」

 涙を拭っている。


「今までこの子達の事、隠さなきゃって……。見つからないようにって……」

 ずっとそうやって、と。


 するとカリーナ様が、そっとレーア様に抱きつき


「もう大丈夫ですからね。隠す必要なんてありませんから。むしろ皆に魅せつけてくださいな。のびのびと、自由に」

 ね?と持っていたハンカチでレーア様の涙をふいている。


「どうせ、なんて言ったらなんですが、お貴族様の世間体の犠牲でしょう?全く。そのせいでレーア様みたいな方がいらっしゃると思うと腹が立ちますわ」


 ……見た目通りかもしれない。


「まあまあカリーナ落ち着いて」

 ライラ様がいなす。

「ああすみません。レーア様、こちらにいらした際はぜひ第二にも来てくださいね。魔道士部門全体でも、何ですが女子、少ないんですよ。仲良くしていただけると嬉しいです」

「こ、こちらこそよろしくお願いいたします」


「よし、じゃあ今日の所はこれで失礼しようか。レーア嬢、我が家に帰ろうか」

「あ、はい」

 テオが持っていたレーア様のカバンを渡してもらう。アルフォンスが

「じゃあしばらくはヴァイツェンとライラに教えて貰ってね。何かあったら言ってね。その子に伝言頼んでもいいからね」

 と虹色の子を指指す。


「あと、オスカー」

 アルフォンスがオスカー様を呼ぶ。

「はい、何か?」

「的の予算、申請しておいてくれる?材質強化するから多めに」

「え、また私ですか?」

「だって一番頼みやすいし。皆怖がって申請しづらそうだから、ね?」

「私だって怖いですよ〜まあ今回のは理由がちゃんとあるから大丈夫かな」


 ?な顔を自分とレーア様がしていると、アルフォンスが

「予算の申請先の会計部門のトップが皆、怖くてね」

 とクスッと笑って言ってくる。


 会計部門のトップって誰だったっけ?と考えていると、オスカー様が


「見た目はそんなに怖くないとは思うんですけどね〜兄さん」


 あ、そうだ、ヴァイツェン様の長男のヴァルター様だ!


「レーア嬢には我が家にいる間に多分会うと思うからその時紹介するね。うちの長男のヴァルターを」


「魔道士ではないんですか?」

「そんなに魔力ないから、と自分で見切りをつけて文官の方の道に進んだんだ。今は王宮内の会計部門の仕事についてる」

「そんなに怖かったイメージはないんですが私」

 とレーツェルがアルフォンスに問いかける。


「そうだね、普段はどちらかというと優しそうなイメージだね。まあ仕事の時だけだよね、あれは」

「なまじ魔力があるだけに、見透かすからな。嘘はつけない」

 ヴァイツェン様も同意する。

「どういう事ですか?」

 レーア様が尋ねる。アルフォンスが


「彼は魔力が父や母や弟ほどないから、という理由で文官になったんだけど、比べる相手が違ってるよね。魔道士でもやっていけるほどの力量はあるんだ。ただ彼についてる精霊がちょっと変わっていて、ある意味今の会計部門は適職とも言える」

「変わっている?」

「そう。彼の精霊は色が無いんだ」

 今度会ったらみてごらん、と。


「そのことがどうして」

 適職に?とレーツェルが思ったことを聞いてみた。すると、オスカー様が

「嘘を見破るんですよ。なんとなくらしいですが、ああこれは嘘ついてるな、ってのがわかるらしいです。透明の子の力でしょうね」


 いろんな子がいるんだ!と驚きを隠せない。


「だから嘘の予算申請だったり、適当なものだったら、ことごとくはね返すらしいよ、申請書類を」

 クックと笑いながらアルフォンスが説明してくれる。

「ついたあだ名が『鉄壁のヴァルター』です」

 とオスカー様が言う。


 まあ今回の申請は大丈夫でしょ、よろしくねオスカーとアルフォンスが声をかけて、魔道士部門の訓練場を後にする。


 王宮の馬車止めまで来て、ヴァイツェン様、ライラ様、レーア様が乗り込んだ馬車を見送った。


「これで一安心です。ありがとうございました、アル」

「こちらこそありがとう。レーツェルのおかげでとても優秀な人材が埋もれずにすんだ」

「良かったです」

 二人で微笑み合って離れに戻った。


 



三ヶ月連続更新達成!まだまだがんばります!


明日も更新予定です。


評価、ブックマークポイント、ポチッと押していただけると嬉しいです!


よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 毎日更新ありがとうございます。95話の二行目の所の『レーア様が目を見開いてまま固まっている』ですが、【レーア様が目を見開い【て】まま固まっている】を『レーア様が目を見開い『た』まま固まってい…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ