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朝、目覚めて隣に彼がいないのはいつぶりだろうか―――。
もうそこにいるのが当たり前になっている自分に気づく。
ベッドから下りて、カーテンを開けて。いつも通りの準備をする。
顔を洗って、着替えてリビングに向かう。
エルゼとレミリアがすでに準備をしてくれていた。
「おはよう、エルゼ、レミリア」
「「おはようございます」」
エルゼが来て髪の毛を梳かしてくれる。
「何もしなくてよろしいですよね?」
「そうね、下ろしておくわ」
その間にレミリアが朝食を準備してくれた。三人分だ。
「やっぱり戻ってはこられないのね」
「テオから連絡ありまして、朝はあちらでと」
「大丈夫なのかしら?ちゃんとお休みとってらっしゃるのかしら」
「まあアルフォンス様の事ですから早くレーツェル様の所に戻りたくて寝ずにがんばってるとは思いますが。一日くらいなら全然大丈夫ですよ」
エルゼが軽くウィンクしながら言ってくる。
三人で朝食をいただいて、片付けて。
アルフォンスのことやユーリア様のことなど考え始めればきりがないので、連絡がないと言う事は大丈夫!と思ってとりあえず掃除と洗濯をする。
そういえばと思いエルゼに聞いてみる。
「エルゼ、昨日のドレスどうしたの?汚れって」
大丈夫だった?と聞くと
「パッと見は大丈夫かと。元々が濃い紫と黒いレースですしそんな目立たなかったです。一応王宮内の専門の所に出しましたから綺麗になって戻ってくるかと」
「破れてた所とかなかったかしら?」
「破れはなかったかと思います。あれだけ動かれたのにさすがですね」
「なら良かった」
まさかあのドレスであれだけの立ち回りをするとは思ってなかったが、一応動けることはわかった。
あとは短剣を足かどこかに仕込めればいいんだけど、と考えていると、エルゼが
「レーツェル様、もしかして短剣仕込めないかなとか思ってます?」
………何故バレたんだろう。そんなに顔に出てたかしら。無言でいたら
「やっぱり。昨日の出来事が変則的ですからね。アメリ様に剣を託すのは許されてもご自身につけるのは中々お許しが出ないと思いますよ」
「……やっぱりだめかしら」
「私達からしたら本当はレーツェル様が帯剣してくださるのが一番安心なんですけどね」
とエルゼが言うとレミリアも
「そうですよね、レーツェル様の短剣捌きに勝てる人は中々いないですしね」
「それなんですよね。レーツェル様と対等レベルはカール、ヨルク、テオの王族侍従達くらいでしょうね。もったいない」
「どうにかしてドレス時にも仕込めないですかね?」
レミリアが乗ってきた。
「今回みたいにアレクシア様がつくってくださったのは仕方ないとして、アルフォンス様がつくられる時は手を加えられないかしら。何かいい方法がないか考えてみましょうか?」
とエルゼも前向きだ。よし。
普段時のスカートの場合はパニエがないので、ポケット部分から手を入れると太ももに付けている短剣に手が届いて取り出せるようになっている。
夜会用のドレスの場合はどうしてもパニエが邪魔をする。
「やっぱり足首かしら?でもそこだと一本しか無理なのよね」
「そうですよね。二本、いや三本欲しいですよね」
と、はたから見たら何の話しかわからないし、わかったとしても10代の女性がする話ではない。
ああでもない、こうでもないと話しをしていると、精霊達が周りに来た。
普段、この離れはアルフォンスの二重防御壁に護られているから私の事を守る必要はないからと、精霊達もあまり近づかないのだが、何かあったのか?
「何かあったの?」
精霊達に聞いてみた。エルゼも伝達が来たのか対応している。
『あねうえにあえる。くわしいことはえるぜに、とでんごん』
この子達はどうしてもカタコトに近い。精霊主とはどうしても差がある。でも伝えてくれるのは助かる。
エルゼの方を見ると、了解しました、と伝えているようだ。
「精霊がエルゼに聞くように言ってるんだけど」
何かあったの?と尋ねると
「テオからアルフォンス様の言葉の伝達です。王妃様が回復なさってレーツェル様とお話したいとお伺いが来たそうです。レーツェル様さえ良ければ今から王妃様の所へ行けないか、との事ですが」
「っ行く、行きます!すぐに準備します」
「ではそのように返事しますね」
会う許可が出るほど回復できたならもう大丈夫か。でもやはりお顔を見て安心したい。
「準備が出来たらアルフォンス様の執務室に来てほしいとのことです」
「わかった。じゃあすぐ準備するわね」
準備してエルゼと共に奥庭を抜け、王宮内に入る。少し足早にアルフォンスの元に向かう。
アルフォンスの執務室の前に着くとノックするより早く中から扉が開いた。テオだ。
「お待ちしておりました。どうぞ」
中へ、と案内される。エルゼと二人、部屋に入る。
アルフォンスが執務机に座って何か書いているのが見える。顔を上げて
「ああ、レーツェルすまないね、来てもらって」
「いいえ、大丈夫です。アルこそ大丈夫ですか?無理したらだめですよ」
「わかってるよ、無理はしてない」
「………」
無理、はしてない、と言う所に引っかかっていると
、そのことに気づいたのか
「まあ、今回の件は陛下の代わりに動かざるを得ないから、いつもより少しはがんばっているよ」
少しだから大丈夫、とクスっと笑って言ってきた。
「それよりも義姉上だ。昨日あれから安静にしていて、大分落ち着いたらしい。お腹の子も無事だ」
「良かった!」
「ただ、まだ安定ではないのでもうちょっと発表はできないらしい。だからまだ内緒でお願いしたい」
「はい、わかりました」
エルゼも頼むね、と確認された。
「で、私は流石に義姉上の部屋には入れないから、レーツェルとエルゼで行ってきてくれる?話はしておくから」
「はい、わかりました。もう伺っても?」
「ああ大丈夫だ。気をつけて行ってきてね」
「はい!」
エルゼと共にアルフォンスの執務室から出て、ユーリア様の自室に向かう。
少し歩くと警備が厳しくなっている部屋が目に入った。ユーリア様の部屋だ。
近くまで行くと扉の前で立っていた騎士がこちらに気づいて動く。部屋の中に伝えてくれたみたいだ。
すぐさま扉が開き中からベルンハルト陛下が出てきた。
「レーツェル、来てくれてありがとう、すまないね」
「いえ、大丈夫でしたか?」
陛下は優しく微笑んで
「レーツェルとアルフォンスのおかげだよ。さあ入って入って。エルゼも一緒に」
と、二人を招き入れてくれた。
なんだか急にPV数が増えてる……?
皆様に読んでいただいて本当に嬉しいです!
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