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大召喚
さて、突然だがことの有り様を話したいと思う。
私はルインという
召喚士であり救世主の侍者としての役目を担った。
この世界は魔を司る「邪神」によって平和を脅かされていた。
そしてその魔を取り除くのが
「四聖」である。
七つの剣を操るとされる、「聖剣士」
七つの魔術を操るとされる、「聖魔士」
七つの武術を操るとされる、「聖闘士」
七匹の魔獣を操るとされる、「聖獣士」
この4人の救世主によって世界は救われるとされている。
そして私は伝説の魔獣使い「聖獣士」の召喚士に選ばれたのだ。
神門官様と神様から頂いた大義を抱え
意気揚々と私は大勢の観衆が見守る中聖なる大召喚を行なったのだ。
湧き立つオーディエンス膨らむ期待
フロアは熱狂の渦であった。
まばゆい光
立ち込める煙
息を呑む一同
「成功か?‥」
煙の中から声がした。
「エッヘ?!なんじゃこりゃ」
出てきたのはけったいな格好の太った男だった。
静寂
静寂である。
おそらく民衆の多くは筋骨隆々の逞しい男か
麗しき乙女を期待していたのであろう。
もちろん私もそうである。
そう私は失敗したのである。