アホ兼暇人兼童貞、異界の地を踏む
初めて執筆する小説で、初めてのお話なので、是非とも寛容な心で読んでくださるとありがたいです。
「はぁー……」――昔おばぁちゃんが言ってたな、『溜息するたびに幸せは逃げていくよ!』って、
でもしょうがないだろ、こんな状況じゃ――
ジャージ姿で鬱蒼と何処までも木々が生えていて足元にはキャップのとれたウィスキーの空瓶が落ちていて時々獣の鳴き声が聞こえt――Uwoooooooooooooooooonn!!! って! え!? なに! ここデンジャラスな動物いる感じなの!? ヤバすぎだろ! ドコココー amazon? ママァーボクオウチカエリタァーイ ――おお 偉大なる我がおばぁちゃんよ、既に逃げるほどの幸せは残ってないんじゃないんだろうか
「はぁー。……で、なんでこんなことになったんだろうな……」
そして俺は動物の鳴き声にビックリした後、酷く疲れた様子で今日三回目になるため息をつきながらついさっきの事を思い出していた……
――
――僕ちんの名前は久保和人、どこにでもいる普通の高校生は陰キャだったけど、大学生になってからコンタクトとか髪の毛とかセットしてイメチェンし始めて、気になる女の子に話しかけて何とか連絡先を交換してもらえたけど、新歓の時に酔った勢いで告白したが実は普通に彼氏いたという、童貞丸出しでメンタルが地味に傷ついてる、ギリFランではない暇な大学生である。
友達には散々――「普通最初に彼氏いるか聞くだろー」「連絡先聞く度胸は認めるけどそこで止まっちゃってるんだよね、 君」と煽られた、あいつら許さんっ!――「はぁー....暇だな今日は」
大学生になって頻繁に遊びに行くようになってからか、予定が入ってない日は酷く退屈に感じるようになった、今日は大学の友達は皆予定があるらしく、バイトも実家の手伝いなのだが、この時期は仕事がなくて遊んでないと暇なのだ、一応家に高校の時にFPSゲームにハマって頑張ってバイト代貯めて買ったゲーミングpcがあるが若干飽きが来ている状況で、本当にやることない時しかやらない、そして前日に友達の家で結構お酒を飲んでいたので、二日酔い気味でダルケもあった
授業が終わったのでバスを待ちながら青い鳥のマークのsnsアプリを起動して眺めている、
「最近流行ってんなーこれ」俺はTLに流れてきた動画を見ながらそう呟いた、そこにはアクロバティックな回し蹴りで固定されたペットボトルのキャップだけを綺麗に蹴り飛ばすナイスガイな外国人の動画が映し出されている、
「これ何で流行ってるんだろうなーアイスバケツチャレンジ的な?」――まぁよくわからんけどかっこいい「これって何回も練習してるのかな」――こんなの一発で出来るわけがない、いやできる人いるかもしれないけど
「暇だし家でやってみるか、できなかったらゲームしよ」この後、この軽はずみな行動に死ぬほど後悔するとは夢にも思わなかった……
――家に着いてから早速準備に取り掛かった、 途中でマジで俺暇なんだなぁって思いながらキッチンに置いてある飲みかけのウィスキーのビンを手に取り、高校時代の相棒のジャージに着替えた、ちなみに高校はテニス部だった「やっぱこの格好が一番動きやすいなー」着替えた後にそんな事言いながら庭に出てそこら辺にあったコンクリブロックの上にウィスキーを置いて、「あ、これじゃ低すぎるじゃん」と気づいた後に倉庫に何か良さげな台を探しに行った、
「んーなんか変な魔法陣描いてあるけど高さ的にこの台丁度いいしこれにすっか!」怪しい魔法陣が描いてある台を、さっきのコンクリブロックのところに持ってきて、丁度魔法陣の真ん中にボトルを置いた、
さっき帰る途中に動画見ながら思っていたのはーー「あれ絶対蓋緩めてるよなー」っと蓋を回して少し離れて位置を確認、「取り敢えず1回目やってみよーっ」――まぁ成功はしないだろうけどスマホで一応撮っておく――とスマホをつけると友達からラインが来ていた、『和人ー生きてるかーだいぶ酔ってたけど笑』
――「そいえば昨日だいぶ酔って謎のダンスしてたなー」と思い出しながらクックッ、と喉の奥から押し出されるような声を出しながら、「確かこんなダンス―でぇー」――やたら体をくねらせながら手を激しく動かす謎のダンスを笑いながら庭で一人でしていた、通報されたら即お縄である――「ククク…ふぅやるか」『大丈夫だよ!ありがとね!』と返しカメラを起動、セット―― パパン!!「よし!」――俺はさっきのダンスの要領で体をくねらせ、勢いよく回し蹴りをし見事にキャップは吹き飛ばした、が中の琥珀色の液体――ウィスキーも見事に魔方陣の上にぶちまけてしまった
ところで皆さんは儀式や神事をご存じだろうか「『儀式』公事・神事・祭事・慶弔などの、一定の作法・形式で執り行われる行事。また、その作法etc…」つまり一日5回だの3回だのお祈りしたり、変な呪文を唱えながらお祓いするだの、誓いのキスするだの、お酒飲んで変な踊りをするだの――って最後のはこの前飲みすぎた俺なんだが…世界中には色々あると思う、そして儀式というものは世界共通「お酒」が絡むことが意外と多い、日本でいえば日本酒とか甘酒がよく神事などで使われていることを目にすることがあると思う
今思えば俺がしたことは一種の「儀式」だったのではないのだろうかと思った、地球上のどこかの国の儀式を偶々真似てしまったのか――それとも地球ではない「異世界」のか――
俺は始める前に、〝怪しい魔法陣〟の前で偶々昨日したダンスを〝踊って〟意味もなく偶々〝目を瞑り〟偶々意味もないのに〝手を二回叩き〟――そしてお酒をぶちまけた――回し蹴りの始点であり終点、前を向いた瞬間――視界が緑一色に爆発していた、
久保和人という存在が地球から消えて、別の世界に誕生した瞬間である。
バトル面は頑張って知恵を振り絞って戦う感じにします!多分、、、