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16、校外学習後半


「会長!見て欲しいのだ!」


会長に小さい茶色の紙袋を見せる。ここは校外学習の資料館で学校が貸切にしているらしく1、2年の生徒しかおらずガラガラなのだ!そして今はお昼休憩で自由時間なのだ!そしてここはさらに人が寄り付かない外のカフェなのだ!外は日焼けをすると女子にも男子にも人気がないのだ!へけっ!この世界では肌にシミ、ソバカスがない方がモテるらしいのだ!私はモテなんてどうでもいいのだ!


「なんですかその小汚い袋は?」


会長が怪訝そうな顔で見ているその袋の正体は!


「んーそうですねはい。私は昨晩、部屋と荷物にガサ入れしました。勿論自分の物だけです。そして2時間かけて探し当てたのですこれを。」


「汚い紙袋を?」


「ふっふっふっ……財布…ですよ…。」


「なんで溜めて言ったんですか?馬鹿ですか馬鹿ですね。それに貴方の財布、紙袋でした?」


「ああこれはなんか綺麗な財布だったので外に持ち歩くのが怖くて部屋にあった紙袋に入れ替えたんです。財布ってバレたらスられると思って。だから今日は私がお茶をご馳走します!」


紙袋の中を見せたら会長が大きくため息をついた。


「貴方ねお茶をご馳走するのにこんな大金何故持ってきたんですか?」


「大金?」


「この紙袋で家が買えますよ。」


会長が何の気なしに言う。


「ええ無理無理無理無理。あわあわあわあわあわ。会長持っててくださいまだ死にたくないお。明日もきっといい日にしたいんです!」


「あわあわって口で言いますっけ?嫌ですよなんで貴方のお金を僕が持ってないといけないんですか。ほらお茶買いに行きますよついでにあの2人の分も買って差し上げなさい。横から教えますから自分でお金を出すんですよ。貴方は本当に箱入り娘ですね言う事を聞かないとそのまま箱ごと捨てますよ。」


「酷すぎワロタ…ワロ…タ。」



会長に心底呆れられながらカップ入りの紅茶を4つ買う事に成功した。


「よくやったミッションコンプリートだ。速やかに帰還してくれ。」


「誰に言ってるんですか?まだ帰りませんよ。とにかくその小汚い紙袋をカバンにしまってお茶を渡しなさい。」


「はぁいママ。」


「誰がママだ。」


「おかえりお2人さん。」


「はいお茶をどうぞグレアム氏。ドライ氏も。」


「わーいありがとう。」


「わりいな。」


「いえいえ日頃の感謝です。」


「僕にも下さいよ。」


会長が座って待っている。子供か。仕方ない1番お世話になっておるし周りには他の生徒もいないしやるか。


「ごほん。はいご主人様いつもありがとうございます。感謝を込めて美味しくなーれ萌え萌えキュンキュン。」


スペシャルな笑顔でやりきってやったぜ。会長は特段普通の顔だ……何故。そうか!この世界メイドなんてモノホンがいやがるんだ!クソが!


「なんですかそれは?うちのメイド長はそんな事した事ありませんね。」


「うう。酷いよ会長!可愛い後輩が身を削ってやり遂げたのに。」


「そうですぞ会長!可愛いメイドさんでしたぞ!ハント氏自信を持って拙者の所に転職してきてくだされ。そして拙者の為に毎日おまじないをかけてくだされ。」


「ええーどうしようかなぁ。ご主人様は優しいですか?それなら…。」


いつものようにごっこ遊びのつもりでグレアム氏に歩み寄ろうとした時ぐっと腕を引っ張られ会長の膝の上に座らされた。

えっどういう状況?なになになにこの状況。お金を払うべき?このイケメンに。


「貴方は僕のものです。」


と少し怒った声で言われた。えっ夢見てる?こんなイケメンに?会長は自分の発言にハッとしたのか私の背中に額をあてて小さな声で、


「今はそのはずです。」


会長が力なく言う。私はなんだか会長が可愛くなって、


「はい。」


と頷く。なんだこの少女漫画的な空間は。


「ふふふっじゃあドライ先に行くでござるよ。お2人昼休憩は後10分でござる。」


グレアム兄弟は資料館の中に入ってしまった。


「可愛いです。貴方はちゃんと可愛いです。だから気を付けて欲しいです。」


私を膝に乗せたまま会長が言う。


「えっ?」


「あんな事他の人にしないでくださいね。」


「はい。」


「絶対ですよ。」


「はいはい分かりました。」


会長がやっと腕を離してくれる。そっと立つと会長は普段と変わらない表情で紅茶を飲んでいる。


「会長、中に戻りますか?」


「もう少しだけ一緒に。」


隣の椅子を指さすので素直に従う事にした。隣の椅子に腰を下ろし紅茶を飲む。5分程2人並んで座って紅茶を飲んだ。そして会長が中に戻りましょうと言ったのでまた素直に中に入った。


「おかえりなさいませーさあ続きをまわりますぞ。」


「はあい。」


「もうレポートの内容は君達で決めたみたいだし後は肉付けだけでござるな。写真は任せるでござるよ。」


「うわぁーい、上手くいきそうでござる。ドライ氏頑張りましょうぞ。」


「ああ。」


ドライだ。やはりドライだ。校外学習は無事に終わって後はレポート作成と発表を残すのみとなった。



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