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13、テチカ・イダ


会長と弟君が先生にメンバーを言いに行くとじゃあここの教室で話し合ってと言われたらしく2年生の教室の一角で話し合いが始まった。椅子だけを移動させて4人で集まった。


「てか校外学習って何をするんですか?」


「えっお前話聞いてなかったのか?」


「ドライ君、彼女は入学式をバックれた不良ですから1年生の流れなんて何も知らないですよ。」


「やばぁやっぱり輩じゃないですかぁ拙者こわぁーい。班は解散します!」


「ぴえん。」


「昔、戦争があった場所に行くんですよ。そこに資料館があってそこで朝から夕方まで班行動でレポートを書く為の資料を探して別の日に学校で1時間レポート作成、2時間で全班先生方に発表です。持ち時間は10分です。」


「へー。じゃあ先輩方は去年もこれを?」


「そうですだから毎年主体は1年生になります。僕達に相談しながらどんなレポートにするか考えてください。じゃあとりあえずペアに分かれて資料に書き込みながら話をしますか。」


「もぉーすぐに会長は恋人と2人になろうとするぅー。」


「ドライ君貴方のお兄さん、レポート作成だけは苦手で僕がいつも大体してあげるのですが今回、協力は必要ないみたいなので君だけこちらに入りますか?」


「っす。」


「やだぁもぉー冗談でござるよぉー。さあドライ一緒に頑張りましょうぞ。」


会長の一声でグレアム兄弟は前を向いて話し合いを始めた。私と会長は机のある所まで少し距離があり机まで移動するとグレアム兄弟と離れてしまった。


「……という感じの場所です。ショッキングなお話も多いですが大丈夫ですか?」


「ええ…でもやっぱり辛いですね。命をかけて世の中を良くしたいと思って行動したのに王に反抗したと言われて処刑だなんて辛いです。」


「……実際、弔いの為でもあるんです。資料館を作り子供達にこんな人が居たから平和な今があると知ってもらうそれがきっと弔いになると。」


「だったらしっかりとしたレポート作らないとですね。」


「ええ、ですね。貴方本当に変わりましたね。以前はそんな馬鹿で価値のない命どうなっても構わないと言っていたのに。」


私はアンリじゃないと言うべきなのだろうか?会長の顔を見て考える。でもアンリじゃないなんて言い出して狂ったと思われて病院や教会に連れて行かれるのは勘弁して欲しい。だけど会長はとても良い人なのに嘘をつくのも。会長は穏やかな優しい笑顔で私を真っ直ぐに見つめ返す。


「……その。」


「そんな縋るような目で見られると僕も辛いです。大丈夫貴方は貴方、可愛い後輩で可愛い恋人何も気にしなくてもいいです。」


会長が優しく手を握ってくれる。温かい気持ちを感じる。


「すみません、会長いつもありがとうございます。あの何かお礼をさせてください。」


「お礼なんてと言いたい所ですが1つあります。」


おっと、会長の笑顔が急に胡散臭い笑顔に……。どうしてなの?


「この校外学習のお菓子を買って欲しいんですよね?」


何故、校外学習のお菓子の話でこんなに詐欺に引っかかる前みたいな感じに?こわ。壺は買わんぞ!


「ええ。できれば。」


「勿論いいですよ。校外学習は1週間後の月曜日。だからその前日の日曜日に外に一緒に買い物に行きましょう。それがお礼で構いません。」


「それはお礼にならないのでは?私、買っていただけるんですよね?」


「ええ買って差し上げますよ。」


「はあ、じゃあそれでお願いします。」


「じゃあ約束しましたよ。絶対に逃げないでくださいね。」


「は、い。」


なんで買い物に行くだけでそんな念押し?怖いお。その時グレアム兄弟が振り返りこちらに合流した。


「ハント氏、会長できたでござるよってそんな教室の隅で引っ付いて2人きりなんてやらしいでござるなぁ。」


「やはりグレアムは他の班が良いみたいですよ。」


会長が冷たく言うと、


「だから冗談でござるよぉー。ささっまとめましょうぞ。おやぁ、どうしたハント氏顔を赤らめて……。えっ会長まさか本当に?こんな場所で?」


「グレアム氏!違いますぞ!ちょっと暑いだけでござる。」


「へぇニヤニヤ。」


なんだか急に冷静になって言う。


「ニヤニヤって口で言われると腹たちますね。」


「ふふっ。」




「ちょっと!そこの貴方!ええそのつり目の貴方よ!」


また女子は会議だと言われて1人寂しく食堂でご飯を食べていた時に転移者のテチカさんが現れた。


「つり目って言われた嬉しいです。ありがとうございます!」


テチカさんは日本人顔で端的にまとめると童顔巨乳だ。可愛い。周りに10人程お取り巻きの女生徒が居るので会議中にでてきたのかな?


「ええ良いのよ転移者は幸運をもたらすから。単刀直入に聞くわ。貴方王子を知っているの?それなら言いなさい!」


また王子。ここは敢えて言おう、か…興味が無いと。


「知りません!嘘発見器でも自白薬でも何でもします!王子は知りません!興味もありません!私は…会長…ダニエル・キッドマンに首ったけです。愛し過ぎて他の人なんて見えません!あの人しか興味がありません!」


ごめぇん会長。ほんまに彼女出来ひんかもぉごめぇん。私の愛の言葉にテチカさんは顔を赤らめ…というか後ろの女生徒も食堂に居る他の人達も皆、めちゃくちゃ顔を赤らめて黙っている。恥ずか死。

後ろに居た髪の綺麗な女生徒がおずおずと前に出てきて話し始めた。


「……えっとそうなのね…まあ…もし知ってても王子に口封じされてるだろうけど……女子の総意としては…他に恋人がいるなら…邪魔しないなら…いいわ。健やかに愛を育んでね。」


「はいっ!ありがとうございます!愛を育みますっ!邪魔はしません!」


「ふんっならいいわ。せいぜい本の虫と一緒に居るのね!」


女生徒達と転移者は食堂を出て行った。


「本の虫?昔アンリ様がダニエル様をそう呼んでたな。」

「そういえば舞踏会でもそう呼んでた。」

「まあ幼馴染みだし渾名みたいなもんなんだろ。」


私はびっくりして話をしている人に駆け寄った。その人はびっくりして声をあげる。


「うわぁっ!なんですか怒らないですみません!」


「いや怒ってないです!あの幼馴染みなんですか?私と会長?」


「会長?キッドマン様ですよねそう聞いてますけど…。」


怒ってないと聞いて男子生徒は安心し答えてくれた。


「ありがとうございます教えてくださって。食事中すみませんでしたどうぞ続けてください。」


「はぁどうも。」


幼馴染みか。私は幼馴染みという事に驚き過ぎて食堂に居た全員が私の話をしていると気付かなかった。



「おいあのアンリ・ハントが庶民の俺に謝ってお礼を言ったぞ。しかも敬語だった。」

「それに幼馴染みと恋人だと。王子じゃなくて。」

「貴族の女子はみんな金狙いで王子だからな。」

「じゃああの噂は嘘じゃないか?」

「噂?」

「アバズレって話だよ。」

「あんなに幼馴染みを愛してるならそうかもな。」

「それに怖くなかったな。」

「どの貴族よりも丁寧だった。それに毎日食堂にいるしな。」

「確かにその時点でまともな貴族じゃないか。」

「仕方ないから次のダンス相手になってやっても良いな。」

「でも貴族相手じゃないと嫌がるだろう。」

「食堂でもの食ってる奴が今更気にしないよ。」

「そうだな。」




「僕に首ったけで愛し過ぎて他の人なんて見えなくて僕にしか興味がないと。ほうほう。」


「はっどうしてそれを…。」


「貴方は本当に学びませんねぇ。端末です録音してた生徒に送って貰いました。流してあげましょうか?」


「勘弁してくださいほんまに。」


「ふふふっ貴方を脅すいい材料が手に入りました。愛を育みましょうね。」


「おいコラ。それより私と会長は幼馴染みなんですね。どうして教えてくれなかったんですか?」


「あら幼馴染みって毎回確かめ合うものでしたっけ?」


「いいえっ!ごめんなさい!幼馴染みならベランダから会いに行くんで窓開けといてくださいね。」


「僕達の家は隣通しではありませんよ馬鹿ですね。忘れたんですか。」


「うわぁ残念朝起こしに行ってあげたのに。」


「結構ですよ起きられるので。幼馴染みを忘れるなんて悲しいです。」


「うわぁ。」


会長はまた本を読み始めた。この人侮れないな。だいぶ以前と違うと分かっている筈。こわ。気を付けよ。


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