最愛の人
湿地を制圧したクロエは無線でスティーブから聞いた謎のロシア軍勢力とゲリラのトラックを追いジャングルを進撃していた。謎の存在がこのジャングルに潜んでいるのは気掛かりだが進むしかないのだ。クロエには野生な勘がある。これは度重なる戦闘で身に付けた能力だが、いつも助けられている。その勘が今回の任務はとても騒いでいるのだ。嫌な胸騒ぎがする。そう思っているうちに湿地だらけのジャングルは終わった。今度は土だけの道がぽっかりとジャングルの薄暗い奥地へ続いているだけだ。今度は大分歩きやすい。この道には幾つものトラックのタイヤ跡が残っていた。こんなところを通っているのゲリラの関係者だけだろう。何か匂う。クロエはスマホを見て現在地のマップを見た。位置はずれてはいない。最初にジャングルに降りたときに見てからトラックを追跡してきた道程はほぼ同じだ。やはりこの巨大な道から続く細い道が怪しいようだ。広い沼地も表示されている。このジャングルを貫く道路は途中から粗末な作りの道路に分岐していた。その道がとても怪しいと思っていた所あのトラックだ。この先に何があるのか。心してかかる必要がある。何らかの罠があるかもしれない。奴等もバカじゃない。何かしら用意しているだろう。クロエはスマホをバッグにしまうとジャングルに分け入り出来るだけ姿を葉っぱに隠すようにして歩いた。中南米は大航海時代に多数のスペイン人入植者が押し寄せ植民地として開拓してきた。その際にスペイン兵によっておびただしい数のインディアンが虐殺された。第二次世界大戦の時代にはアメリカ兵が新米政権の樹立を野望にクーデターを起こさせアメリカ合衆国の裏庭と呼ばれる傀儡政権を誕生させてきた。冷戦時にはアマゾンで共産主義の勢力や反米ゲリラが大量に出現した。テロも頻発している。アマゾンはまさに戦闘の熱帯雨林なのだ。クロエはこの戦闘熱帯雨林で様々な勢力と戦った経験がある。十代の頃に初めてアマゾンに来たときは共産主義を掲げる武装勢力と交戦した。彼らはロシア製の武器を使い、アメリカを苦戦させた。ロシア軍部隊仕込みのゲリラ戦術には全部隊が混乱した。だが、クロエの破壊工作で活路を見いだし、最終的にこれを撃破した。今回もこのような大混戦が予想される。そしてジャングルは新たな地形に変わり、沼地の次は渓流だった。穏やかな水流が優しく流れている。水の音が心地いい。トラックはまだ先にいるようだ。
「沼の次は渓流か」
クロエは川を見下ろし、しばし休憩することにした。
「泥を落とすか」
沼地の戦闘で身体中泥だらけだった。綺麗にしたい。クロエは水浴びをすることにした。
「ここなら水が綺麗だ。最適だな。」
クロエは川に入り渓流の涼しい風を体で受けた。いい気分だ。荷物を川辺に置き朗らかな水で手を洗った。冷たくて気持ちがいい。クロエは顔を念入りに洗い、ブーツも洗う。そして、泥だらけの服を脱ぎ良く洗い落とす。服はすっかり綺麗になった。クロエは近くの木に洗ったふくを引っ掻けた。
「乾くまで良く体を洗うか…」
クロエは服の下に着ていた黒いシャツを脱いだ。形の良い豊満な大きな乳房が飛び出す。日の光を浴びてクロエの美しい体が眩く光った。クロエは胸に川の水をかけた。全裸で浴びるのはやはり冷たい。だが熱帯雨林だ。とても気持ちがいい。クロエの扇情的な体を水滴が滴り落ちる。日が傾いてきた。今日はここで一泊するか。
「このまま行っても良いが、ここで夜を越すか」
そう決めたクロエは水深の深いところまでいって首元まで深く浸かった。クロエの胸が大きく弾む。
「良い気持ちだ…」
クロエは目を閉じて瞑想した後自分の胸を見下ろした。川を正面にして浸かっていたので川の流れがクロエの巨乳に塞き止められ谷間に水がたまる。胸のダムになっていた。
「川の流れは止められても、国際情勢は止められない…」
そう呟くとクロエは体勢を変えて川に対して横になった。今度は水がクロエの胸を沿って流れる。
「再び流れ出した…」
豊かな胸が川の流れのままゆっくりと揺れている。筋肉質なクロエの胸はそう簡単には揺れない。重力と弾力のバランスが良く、見た者を圧巻させる。反面、弾みは良い。そのため川のような所では水流で穏やかに揺れるのだ。クロエはそれを見て微笑ましいと感じた。これは懐かしさが混じった感情だ。
「私のような女が好きだといったのはあの男だけだったな…」
ジャックは元気にしているだろうか。
クロエには大切な人がいる。
「この任務が終わったら、またジャックとテキサスの川に入るのも良いな」
クロエはテキサス州の自宅に最愛の男性であるパートナーのジャックを残してきた。ジャックはスマホやパソコンやタブレットなどのコンピューターに非常に詳しく、それらの知識に疎いクロエを助けてくれる。信頼がおける存在であると同時に、幼馴染みでもあった。クロエが親元を離れ軍の将校の元で軍事訓練に明け暮れていた頃、クロエの他にジャックがいた。彼は戦闘ではなく後方支援の能力を見出だされプログラマーの将校の妻に情報処理技術を教えられていたのだ。あまり外に出たがらない男だったが彼は私を好きだと言っていた。そして長い訓練期間が終了し家に帰る時に私とジャックは結婚した。婚約して許嫁になるよう互いの両親から言われていたのもあるが、彼の人柄も大きかったのだろう。彼はとても人格者だったのだ。幼少期から軍事訓練という特殊な環境で世間知らずになってしまった一人娘を社会に出すには知識が豊富が男が必要だとクロエの両親が判断したのだ。テキサスの砂漠に屋敷を建てた以降は充実した生活をした。ジャックは危険な任務に赴く私を心配して何度も軍を辞めるよう提案した。だが私はこれだけは同意できなかった。戦闘だけが私の取り柄なのだ。だが、ジャックは私を本当に愛してくれた。彼が私の体を扱うときはまるで国宝に触れるときのようだった。そしてジャックは私の胸がとても大好きだったのだ。
「フフフっ…面白い奴だな…」
今にしても面白い。ジャックは私の胸を触るのが日課になっていた。最初は嫌だったが次第に許すようになっていった。彼と川に行ったときは裸になった途端むしゃぶりついてきた。その後はされるがままだ。シャワーを浴びるときもジャックは私の胸を揉む。今の姿を見たら彼もきっと喜ぶだろう。ジャックは私の全てが愛おしいのだ。
「クロエの体は俺の物だ!胸も尻も太股も全部!俺が好きにできるんだ!」
ジャックは良くこう言っていた。色味の良い乳首にはジャックの口の感触が残っている。
「そんなに吸っても何もでないぞ」
微笑ましい記憶がよみがえる。クロエは胸を撫でると、ジャックのことを思いだし、必ずこの任務を成功させて帰還すると改めて誓った。私は彼がいるから強くなれる。
「私には大切な人がいるのだ」
クロエはドップリと水に浸かり直す。すると川面に大きな影を見た。素早く川辺に向かって泳ぎだした。そしてサバイバルナイフを手に取り、凄まじい早さで影を一刺しにした。クロエの胸が上下左右に揺れ動きながら勝利の叫びをあげている。捕った魚はとても大きかった。
辺りは星空になっていた。ライターで火を起こし焚き火を作った。これで服も早く乾くだろう。今日の夕食は川で捕まえたティラピアだ。アマゾンの主要な魚類で肉質が多く食べごたえがある。これ一匹でかなりの量がある。大胆に丸焼きにすることにした。
「これは良い」
クロエはティラピアにかじりついた。肉汁が溢れだし、腹を満たしてくれる。これで明日の任務は気力が出る。物の数分でクロエは巨大魚を平らげた。いつまでも裸のままでいるわけにはいかないのでシャツを着て焚き火のそばで横になる。
「明日も無事に終わると良いな…」
クロエの頭には明日の予定と爽やかなジャックの笑顔が交互に浮かんでいた。