またまたフラグ、立ててみた。
「帰ったぞー!」
あれから半日経ち、やっとこの男の家に着いたようだ。
この半日、男に持たれている間に分かったことは二つ。
一つはこの世界についてだ。
この世界には、俺の世界で言う魔王的存在がいて世界を脅かしているらしい。
つっても、被害を受けるのは主に王都の方で、あれが今いるところには何ら影響がない。
ちなみに俺が売られていた所はいわゆる市場みたいなもんで、たまーに掘り出し物が見つかる所らしい。
通貨は円とかドルじゃなくてシアン。100シアンで大体1000円くらいらしいから、俺の価値は500シアンで5000円と言うことになる。
ま、それなりの値段だな。
もう一つはこの男のこと。名前はルーク・フォンデで、4人家族。
なかなか人脈が広くて、町中いろいろなところで話しかけられた。
それてこいつ、上腕二頭筋がすごく発達している。
どうトレーニングしたんだってくらいに。
と、まあこれからこの世界で過ごすには知らないことが多すぎるわけだが…まあいいだろう。
俺は子供が持つ剣なんだから、それも田舎っ子の。
「お父さん!お帰りなさい!」
一番に寄って来たのは幼女だった。
年は…小二くらいか?
「ただいまエリス。レオはいるか?」
「お兄ちゃんならどうせ裏庭でしょ?ねぇお土産は?お土産!」
「はいはい。ちゃんと買ってきたぞ!」
ふむ、この子が娘のエリスか…
あまり父親には似ていないな。となると母親似…
幼いが綺麗な顔立ちをしているな、将来有望だ。
肝心の息子の名前はレオなのか。クソ生意気じゃなけりゃ何でもいいけど。
ルークはエリスにお土産を渡した後、外へ出て裏庭へ向かった。
家の裏に回ると、そこにはボロボロに使い込まれた木刀を振り回している男の子がいた。
「レオ!帰ったぞ。」
「お父さん…お帰り。」
男の子…基、レオは不機嫌そうにそう言った。
いやくそ生意気そうだなおい。