インチキ
そんな話をしていると、ノアたちが帰ってきた。
「おかえりなさい。」
「何があったの?」
「それよりも後ろの二人のが何があったのでしょう?」
後ろの二人こと、ウォルターとリアムは、げっそりした顔をしていた。
なんだか服にもシワがよってるし、かつらもずれている気がする。
「あんな人混み絶対、二度といきたくない。」
「怖い……女の人、怖い……」
どうやら密室でもみくちゃにされたようだ。
わかる。
わかるよ。その気持ち。
「あれ?ノアはどうやって二人を呼んだの?」
「外から覗いたら二人が気付いてくれたから~。」
よかった。ずんずんお構いなしに入っていったのかと思っちゃったよ。
「失礼なこと考えてない?」
「気のせいですよ。ははは。」
「てか、お前の顔色が悪いのも気になるんだが。」
そうですね。ですが、私は着替えたいんですが。
「あ、俺も着替えたいっす!!」
もう女装とかそこらへんがどーでもいいのか。
こいつのためにも早く撤退した方がいいだろう。
戻って着替えをすませ、もう一度集合。
髪の毛が鬱陶しくないし、ひらひらふわふわのスカートでなくなったのにも解放感を覚える。
肩がこった。
「で、なにがあったの?」
ざっと説明。
すると、リアムが口を開く。
「あの店のなかで色々、話を聞いていたらアイナの言ったようにポイントで占いをしてもらったって言っていた子がいた。」
「え、お前、あの空間にいて、聞き耳たててたの?」
「そりゃそうだろ。そのために潜入してたんだし。」
「なにも聞いてなかった……」
大丈夫。期待してなかったから。
「で、その占いは当たるの?」
「その女性曰く、『当たってる』らしいです。」
そう言いながら、リアムが上げた当たってるものは、誰でも当てはまるようなことや話を少しすればそれなりにわかる人となりのようなものだった。
「それ、当たってるって言うの?」
「本人が当たってるって言ってたならあたってるんじゃないっすか?」
「おめでたいやつだな、お前は。」
「む。お嬢の口が悪くなったっす。」
「なんとでも言え。」
とりあえず、占いはインチキっぽいなぁ。