詐欺師の手口
「どういう意味です?」
私の占いは適当にやってもそれなりの結果が出るよ発言に首をかしげるアレン。
あ、別に占いを全否定しているわけでも、本物がいないとも言わない。
ただ、私は興味がなかったので、本物にあったことがないだけだ。
詐欺師の手口としてよく挙げられる話でしっていることを話す。
「誰にでも当てはまるようなことを言ったり、曖昧な言い方で相手が勘違いしたり、補完してくれるような言い方をしたりする手があるんです。例えば、『あなたのお母さんはなくなっていませんね。』どう受けとりました?」
「母親が死んでいますよね?って聞かれたと思いました。」
「そう受けとる人もいれば、『あなたのお母さんは、亡くなってはいませんよね。』とも受け取れます。」
「なるほど。言葉の区切るところが違うと意味が真逆になりますね。」
「あとは、大人数を一度にたくさん集めてやる場合ならば、『サクラ』と呼ばれる仲間をいれておいて、さも当たったかのように演技をして一般客を信じこませるとか。」
「ははぁ。」
その反応、こっちでもそういうことをする人がいるんだね。
「あとは……個人での占いで予約制であれば、あらかじめその人のことを色々と調べておけますよね?それでさも、今あなたにあってわかったことみたいな言い方をして信用させるのをホットリーディングっていうんです。逆にその場の様子とか受け答えから読み取っていくことをコールドリーディングって言います。」
別にサラリーマンとかカウンセリングとかでも利用される手だから悪用しなきゃいい話だけど。
「そんな感じで偽物もいるんですよ。」
「で、今回の場合はどちらだと思います?」
「わかりません。」
だって、くっさくてそれどころじゃなかったもん。
それ以外に特になにも残らなかったよ。
「……そう、ですか。」
「なんか、ごめんなさい。」
「いえいえ。」
本当に申し訳ない。
役立たずだよ、まじで。
一人で勝手に突っ込んでいって、収穫なしとか。
ダメダメすぎて、怒る気力もおきない感じですね。
「わかりました。」
「何がわかったんです?」
「多少の危険で引き返してきてはダメですね。やっぱりやるならば」
「絶対だめですからね。今回はよく踏みとどまりました。これからも危ないと思ったら、すぐ引き返してください。すぐですからね。」
めっちゃ念を押されたけど、すぐ引き返したら私、余計に役立たずじゃないかな。