【閑話】サヨナラリスト(後編)
「で、そのリストにいれるとどうなるの?」
「何て言うか……自分の精神衛生上いいんだよね。『この人はサヨナラしてる人だから気にしなくていいし、なんか言ってるなー。』って思うようになるから。」
なんか言われれば、確かにムッとする。
でも、こいつなら言うだろうというのは分かりきっているし、そういうやつなのでこちらから何を言っても無駄なのだ。
時間と気力の無駄遣い。
何て言ったって相手は、サヨナラしてる人だから。
そして、そういう人に何か言われて傷つくのは私にだけなのだ。きっと相手はなにも思っていない。
関わるだけ無駄。だけど、最低限は関わらなくてはならないなら、こちらの心を殺した方が手っとり早い。
「でも、なかなかいないんだよ。このリストに入れる人。嫌いだなーとかの軽い気持ちでは入れないんだよ。厳しい審査を通り抜けた嫌いの中の嫌いな人しか入れないんだよ。」
「なんか、いやな選抜っすね。」
「絶対入りたくない。」
「他にはいたの?」
他に?
小学校低学年の担任(女性)と、輝と仲の良かった山口さんとか、かな。
あー、話を聞かない担任には、よくわからない説教をよくされたな。私の話は聞かないけど、他の人の話は無条件に信じてたのは何でだったんだろうか。
「女の人が多いかな(当社比)」
「やっぱり女の敵は女なのね!」
「男子は、何て言うか回りくどいこととかしないからね。バカだから。」
「分かる気がする……」
「作ってみたら?心のなかの「サヨナラリスト」。」
「確かに便利?というか割りきっておけば、楽よねぇ。」
「でも、それがなかなか難しいんじゃないかなぁ。」
「俺は無理っすね。きっと怒ったら、そんな冷静じゃいられないっす。」
「あ、わかる。」
いやいや。話きいといてそうすかんを食らうとか。
もう聞かれても答えてやらないぞ。
ふーんだ。