お菓子作りで挙動不審
帰り道の途中、適量とは何か、ほどほどとは何かを表現したくて、帰ったらお菓子を作ろうと心に決める。
帰ってきて早速、台所に立つ。
まずはクッキー生地を作り、それを細長くして焼く。
クッキーをオーブンで焼いている間に、牛乳小麦粉卵を混ぜて、もう一つの生地を作る。
それを小さめで焼き、パンケーキを作る。
本来なら球体にしたかったのだが、こちらにたこ焼き器がないためしかたがなく、平面で作る。
クッキーとパンケーキが出来上がり、冷ましている間にチョコレートを細かく砕き、湯煎する。
そう。
こちらの世界にはチョコレートが存在していたのだ。
紅茶文化のため、お茶請けとして様々な甘味の種類が存在していた。
その中の一つとしてチョコレートが有ったのだ。
しかしチョコレートの使い道と言っても、そのまま食べるか、ケーキに入れる、クッキーに入れるなど特にアレンジがされているわけではなかった。
湯煎したチョコレートに冷ましたクッキーを入れて手で持っているところを残して、チョコレートをつける。
パンケーキの方は、パンケーキに串を刺し1/3ぐらいのところまで、チョコレートをつける。
そして上から申し訳程度に粉砂糖をかける。
ポックーとペロペロキャンディー風パンケーキの出来上がり。
出来上がったものを見ると 絶対に自分では食べきれない量が出来上がっているのが目に入る。
置いとけば誰かが食べるかな。
そんなことを考えながら一つずつ味見をする。
ポックーの方は、市販されているものより、棒が太めだったが、上手に出来ていると思う。
パンケーキの方はは、生地に砂糖を入れてないため、チョコレートと粉砂糖でいい感じの甘さとなっていた。
(私からすればちょっと甘すぎたかなと思ったが)
とりあえずこんなもんだろうと後片付けを始めて、使ったものの洗い物をする。
洗い物をしていると食堂に入ってきた人たちがいた。
「なんかいい匂いがするー。」
「あ。お菓子がある!」
「ほんとだ。」
入ってきたのは、ここに住んでいてたまに夜ご飯をご一緒するお姉さんとお兄さん二人の計三人だった。
「よかったらお一つどうぞ。そして感想をください。」
と、言えたら良かったのだが、私たち以外に誰もいないと思ったら、人見知りが発動した。
切り出すタイミングが完全にわからなくなってしまって、洗い物をしながら、そぉーっとお姉さんたちを見たり、慌てて視線を戻したりと明らかに挙動不審になっていた。
ポックーは誤字てばありません。