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上手な箸の持ち方講座

「そう。こうやって……」


 説明しながら、実演してみる。

 平皿に入っている豆を箸でつまみ、深皿に移動させる。

 コンコロリンと音を立てて豆が皿に入る。


「「「「お~。」」」」

「こんな感じ。頑張ってやってみてください。」


 応援してるよと口では言いつつ、後は勝手にどうぞとばかりに料理に戻る。


 テーブルからは、どうやって持つんだ?という基本的なところの声が上がっていた。


 しばらく静かになりそうだ。


 と、思ったのに。


「箸の持ち方教えて。」

「全然つまめない。」

「なんで、出来ないんだ?」


 ぜんぜん静かになってなかった。


 おかしいなぁ。

 静かになると思ったのに、逆にうるさくなってないか?


 イライラしながら串に具材を刺していく。

 なんだろう、カルシウムが足りてないのかな?


「ちょっとうるさいです。」

「だって、全然出来ないんだもの。」

「まず、持ち方が違います。」


 握り箸になっていたり、ばってんになっている。


「箸の持ち方その1:箸を一本親指に挟む。

 箸の持ち方その2:親指で箸を挟んだまま指先でもう一本つまむ。

 箸の持ち方その3:手に持った箸を指先でひらく。

 ここで箸頭がクロスしないように注意しながら、上の箸を動かします。」


 簡単にポイントを伝えるとまた少し静かになった。

 ソラが頑張って揚げてくれたので、今のうちに味見をしておこう。


 先程のくそ甘いクッキーのせいで、味がわからないかと思ったが、とても上手に揚がっていて美味しい。


 普通はソースをつけて食べるからとソースっぽいものを用意する。


 私は塩胡椒が好きなので、自分用に用意する。

 ちなみにこの塩胡椒は、塩、胡椒を別々で潰したやつを適当にブレンドしたものである。


 出来た、と横をみれば、ソラが味見をしたのに、もう一本食べようとしている。


「だめだよ。もう、出来上がるんだからさ。向こうでゆっくり食べようよ。」


 かなりしぶしぶ顔だがなんとかソラを説得し、出来たものをテーブルに並べていく。

 頑張って箸の練習をしていたレティシアたちも並べられた料理に気づき、目を輝かせていた。


「うわぁ美味しそう。どうやって食べればいいの?」

「ソースにつけて食べてください。二度漬け禁止らしいですよ。」

「二度漬け?」

「つけて食べて、もう一回つけること。」

「そうなんだ。」

「そうらしい。」


 実際店で串カツを食べたことはないけど。


「あれ?そっちは?」


 めざとく私の塩胡椒の入った小皿を見つけて、質問される。


「これは私の塩胡椒です。普通はソースをつけるのでそっちのが美味しいとは思いますよ。」


 思い思いの串カツを手に取りソースをつけて食べ始める。


「「「美味しい!!」」」


 みんな喜んで食べてくれて良かった。

 暑くて死ぬおもいをして作ったかいがあったね、とソラをみれば、ソラはそんなことを気にする様子もなく、幸せそうに串カツを頬張っていた。

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