二度あることは?
説明によれば、元々台座の上には魔石がはまっていたらしい。
私が割ったのはそれだったようだ。
「それで、どんな効果のある道具なんですか?それ。」
「みた感じで言えば……」
「「「言えば?」」」
「人間がよれば、魔物がよってきます。」
はい?
もったいぶった感じだったけど……
「……それだけ?」
「魔石の力によって強くなりますね。」
WAO!!
だから、カラーバリエーションが豊富だったのか?
「カラーバリエーションは、関係あるんですか?」
「魔石などを使った突然変異では、たまに聞く話ですね。」
なるほど。
「でも、なんでこんなところに置いてあったんでしょう?」
まさかの不法投棄とかではないでしょう。
「そりゃ誰かが置いたんだろ。」
「なんのために?」
「さぁ。」
理由がわからない。
今日私たちが来たのだってたまたまみたいなものだ。
「無差別殺人?」
「また物騒なことを……ほかに言い方なかったんですか。」
「だって、そうでしょうよ。誰かがこなきゃ意味をなさない。なのにだれがくるのかわかってないんだったら無差別ですよ。」
「まぁ、置かれて間もないみたいですし被害が小さかったなら良かったんじゃないですか。」
良かったのかなぁ。
怪我はないけど、魂が抜けてる人が二人いる。
まぁ、私も怪我がない時点で大丈夫そうって判断したけど。
「とりあえず、帰りますか。」
こうして、始めての狩in南の森は幕を閉じた。
しかし、話しはこれで終わらなかった。
あれからしばらくたったある日のこと。
通常業務をしていたら、勢いよく帰ってきたウォルターが声を上げた。
「またあの魔道具が見つかったらしいっす。」
「はい?」
「だから、あの魔道具っす。こないだ南の森で見つけた……」
「あー、あれ。」
「え、軽くない?結構な衝撃体験じゃなかったの?」
「喉元過ぎればなんとやら、かな。」
こっちにそんな言葉があるのか知らんけど。
「別のところにあったが見つかったって。被害者もでたらしいっす。」
「やっぱり無差別?」
「っぽいっすね。」
本当に何が目的なんだろうか。
魔道具はお高いらしい。
それを使って事件を起こすなんて目的なしの愉快犯はあり得なさそうである。
「とりあえず警戒した方がよさそうだな。なにか変わった話を聞いたら報告を。」
アレンに言われて気に止める事にしたが、私は基本内勤のため情報が手に入るわけでもないし、警戒すべき場所に出ないことに気づくのはそれからしばらくたってからだった。