表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/127

クッキー

「あーあ。疲れた。」


 自室に戻ってきて肩掛け鞄を机におき、椅子に座ると同時にあたまを机に乗せる。


 あのあと、駄々をこねる凛との攻防があった。

 半ば引きずりながら帰ってきたのだが、別れ際に「また行こうね」と言われ、もし社交辞令であったとしても(凛のことだから社交辞令ではないと思うが)、私は「そうだね」と同意することができず、またひと悶着あったのだ。


「何か食べたい。」


 あまりの疲労感になにかを食べたい衝動に刈られる。

 自分でも珍しいと思いながら、あたまを起こす。


 頭を使った後や疲労感には甘いものと言うような気がするが、私基準で考えれば特に甘いものは必要ではない。


 食堂に行って、ジュースでも入れてこようかな。

 思いながら立ち上がった時に、鞄のショルダー部分を引っ掻けてしまった。


 パタンと倒れた鞄をみて、凛に付き合わされて買ったフォーチュンクッキーがあることを思い出す。


「そういえば、クッキー買ったっけ。」


 鞄のなかからクッキーの包み紙を取り出す。

 がさがさと音をたてながら、袋を開けると私の記憶と全く同じフォーチュンクッキーが現れた。


「へー。こっちにも全く同じ形であるんだー。」


 召喚された人が過去にいたようだし、不思議ではないのかもしれない。

 まぁ、私は向こうでフォーチュンクッキーを食べたことはないがな。


 早速、クッキーの間から紙を引っ張り出してクッキーをかじる。


「!!!」


 甘っ。なにこれ。砂糖入れすぎじゃない?

 しかも、後味薔薇味とかお洒落意識しなくていいから。


 ベーっと舌を出してみるが、口の中の味が薄れる事はない。


「やっぱり何か飲みもの取りに行こう。」


 包み紙にクッキーを戻し部屋を出る。


 よく考えれば、私が作るお菓子は、出来上がりを食べて甘いなと思ったら、少しずつ砂糖を減らしていたのだ。

 市販のお菓子より、甘味が遠いものが出来上がっていたのだった。


 食堂で発見したリンゴジュースをコップについでいっきに飲む。


 全然口の中の味が消えない。


 もう一杯コップにジュースをついで部屋に戻る。


 机にコップをおき、気を取り直して占いの方をみてみることにした。


「えーっと、なになに?」


 紙を広げてみると、小さめの短冊には「消えゆくは 悲しき涙か 泡沫(うたかた)か 知るは闇夜の 星の瞬き」と書かれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ