ドライアイスは食べられません
ちょっと短めです。
しかし、溶けるのが早い。
食べ物全般食べるのが遅い私にとっては、たかがアイスなのだがなかなか素早く食べられない。
手に垂れてくるアイスをなめつつ、考える。
今、アイスキャンディは価格設定が高めである。
そして、添加物的なものが入っていないので溶けやすい。
つまり、溶けやすいのでテイクアウトが出来ないのである。(アレンは自前の氷魔法で持ち帰ってきたようだ。)
そうなると道端で食べることになるが、お嬢様は道端でものを食べないのである。
まぁ、はしたないと言われればその通りなのだが。
どうにか持ち帰りができないだろうかとお客さんから声が出ているとマダムに相談されているのである。
冷たいものを持って帰るには……ドライアイスか?
でも、ドライアイスなんて固形の二酸化炭素としか認識してないぞ。
水入れてブクブクさせるの楽しいよね、ぐらいの思いしかない。
うーん。魔法があれば、それで作れるのかな?
それか、誰かに聞いて……凛はだめだろうし、小豆ちゃん?
でもあの人文系っぽいし……
「悩みごとか?」
「ドライアイスについて、考えてた。」
リアムに聞かれて何の気なしに答えると、ようやくアイスを貰えたウォルターがキラキラした目で食いついてきた。
「アイスっすか?どんなやっすか?美味しいっすか?」
「ドライアイス?食べたら死ぬよ。」
そりゃあ、口のなかがえげつないことになるでしょうね。
食べたことないから、知らんけど。
「え゛。あ、あぁ゛ー。」
一瞬の隙にウォルターの手元からアイスが地面に落ちた。
「あ、アイスが……俺のアイス……」
うん。もうちょっと溶けにくくしたほうがいいかも。
私は、なんとかアイスを落とさず食べることが出来て、本気で落ち込んでいるウォルターのためにも改良をしようと決めたのだった。