好きの反対は?
「とりあえず、話して……」
「えー、なんか凛曰く、私が振り向いてくれないから、意地悪してたって言ってて、明輝は否定してる。凛は、ちょっとなんでも恋愛に繋げようとするから、ちがうよーって話したの。明輝は、嫌いだから無視するってタイプじゃなくて、嫌いだから徹底的に追い出すタイプだよって。そしたらあんな反応された。」
私の説明でアレンとノアの二人は苦笑いだった。
「?」
「好きだから意地悪するって話を聞いたことないの?」
突然凛に肩を捕まれ、がくがくと揺らされる。
「おぇっ。」
「ちょっ、落ち着いてください。」
凛を止めてくれてありがとう、アレン。
ちょっと、気持ち悪いのがぶり返したけど。
「……聞いたことはあるけど、絶対違うよね。」
「なんで違うと思うのよ?」
「え……だって、違うでしょ?明らかに敵意っていうか憎しみって言うか……負の感情だったから。」
「なんでそうなるのよ!!あれよ、あれ。……愛情のフライ返し!!」
……それをいうなら「愛情の裏返し」だよ。
『おい!』
「なんだよ、めんどくさいな。」
『言葉がわかんないからって、悪口言うなよ。』
言ってないし。
『で?』
『こいつら誰?』
明輝がアレンたちを指差す。
え、いま?
『こちら、アレンさんとノアさん……上司……保護者?……身元引き受け人?まあ、そんな感じ、かな。』
『は?おい、お前ちょっと』
『で、お前はなんでここにいるの?』
なんだか喧嘩腰になっていたので、強引に質問をはさむ。
『そんなの俺が知りたいよ。突然地面が割れて落っこちたんだから。気づいたら森のなかだし、言葉はわからないし。あの人らに保護されて、『黒目の勇者』って言われちゃうし。』
なるほど。それで浮かれて祭り上げられた訳か。
『本物かどうかは調べてないんだ?』
『あいつらは本物って言ってた!』
子どもかっ!ちょろすぎるぞ。もうちょっと人を疑えよ。
『お前は疑いすぎだろ。』
石橋を叩いて渡るって言葉、知ってる?
まぁいいや。今後のこいつの対応は、アレンに丸投げしよう。
「と、いうわけです。」
ざっと説明をして、丸投げした。
『おい!!』
「残念。もうあなたの話しは聞きません。聞いてほしければ、此方の言葉でお願いします。」
『おい!!』
あからさまに知らん顔して見せる。
「いいの?」
「いいの。」
あいつにいつまでも付き合ってやるほど優しくないのだ。
もらえる情報が終わったらポイだ。