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by 凛 (ガール)

カルー視点です。

「『』」は、日本語(『』)で話しているのを凛が通訳している(「」)からです。

「『だから、早く助けろって言ってんだろ!』」

「『あのさ、自分で作った設定忘れてない?』」

「『せ、設定?』」

「『バイ菌設定で汚いから触っちゃだめなんでしょ。ほら、宿題のノートすら上に置きたくないぐらいだもんね。触らなきゃ助けれないからねぇ。』」


 アイナさんは、困ったという風に両手をあげる。

 てか、助ける気がないのなら、何故そこにいるのだろうか。


「『そんなこと言ってる場合か?時と場合を考えろ!』」

「『ふっ。時と場合ねぇ。逆に考えたことあるの?』」

「『は?』」

「『時と場合。ないよねぇ、考えたこと。あれば、授業中に切り刻んだ消ゴムを物差しで弾いて飛ばすとか、黒板に答えを書いて帰ってきた人の足を引っ掻けてたり、階段の近くで転ばせようとしたりしないもんね。』」


 困ったねぇ、と困ってないのが丸分かりなコメントをする。


「『な、なんで……』」

「『ん?なんで知ってるかって?そりゃぁ、結構知ってるよ。靴箱をゴミの山にしていたのも生徒手帳をどぶに流したり、ペンを盗んだのがあなたなのも。』」

「『て、適当なことを言うんじゃねぇよっ。』」

「『適当ねぇ。家庭科で作った作品を壊したのとノートを破って捨てたのはあなたじゃないでしょう。』」

「『お前、そんなことされてたのか。』」


 テルに激しく同意である。この子、メンタル強いな。


「『知られてないと思っていたほうにびっくりだよ。私、結構周りみてるんだよ。知らんぷりして本を読んでいるように見せかけて、周りの暴言を一言一句漏らさないようにね。』」

「『知っててなんで……』」

「『そんなの決まってるでしょ。なにしても無駄だって知ってるから。そんな世界を作ったのは、あなた。』」


 無表情に淡々と追い詰めていく。

 そして、どんどんテルの声は焦りを帯びていく。


「『だからってお前、見捨てるようなやつじゃないだろ。優しいやつだろ!』」


 自分の今までしてきたことを棚にあげてよくもまぁそんなこと言えたもんだ。


「『困っていたら声をかける?助けてあげる?バカみたい。謝ったら直ぐ「いいよ」って許してあげるような優しい「愛菜ちゃん」はもういない。前にも言ったでしょ。あなたが筆箱をサッカーボールにして壊したときに。「謝れば許してもらえると思うなよ。その時期はもう過ぎた」って。』」


 なんだ、こいつ。

 根っからの悪人だっのか。


 助けなきゃと思っていたのに、いつの間にか助ける価値があるやつなのかと疑問に思っしまうほどだった。

題名の

by 凛 (ガール) = バイリンガル


の意味です。

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