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星に願いを

 たした話ではないのに、固唾を飲んで聞かれるのもなんだかなぁと思いつつ説明をする。


「同級生です。」

「もう少し掘り下げましょう!」

「うーん。隣町に住んでいて幼稚園からの同級生?」

「それは、幼なじみってやつっすか?」

「違う。小さい頃からの顔馴染みかもしれないけど、仲良しじゃないから。」

「もう一声!」

「もう少し具体的にお願いします。」


 別に言葉遊びをするつもりはないのだが、私の話したくない気持ちが全面に出すぎて具体性に欠けるらしい。


「うーん……幼稚園からの付き合いで何回同じクラスになったかわからないほどの顔馴染み。でも、一緒に遊ぶとかがあったわけでもないし、寧ろ遊んだ記憶がない。あいつは足が早くて活発で、私は本を読んだり部屋で遊ぶのが好きだからあんまり相容れなかったというか……だいたい、意地悪をされて泣かされたことのが多い気がする。一言で言えばいじめっこです。」

「それを同級生の一言で纏めたんですか。」

「そうですね。あと言うなれば、お互い死を願う関係です。」

「「「「死を願う関係?」」」」

「あいつは私の死を願い、私も自分の死を願ってましたから。」


 あいつが事故とかにあって死んでくれればいいなと思うこともあるが、当てにならない運に任せるのであれば他人でも自分でもどちらでもいいじゃん。

 ってことで、自分が死ぬならどんなシチュエーションが良いのかを妄想する方のが楽しかった。


 そして願うのは、「そんなに『死ね』って言うのなら、私を殺してくれればいいのに。」だったんだけど、口だけで殺してくれなかった。


 まぁ、そのお陰で異世界なんて所に来れたのかも知れないけど。


「とまぁ、そんな感じですね。あれ……?皆さんなぜ、そんなに怒っているのでしょう?」


 え、私また何か言った?……言ったか。

 死にたがり発言したな。


 それか、それなのか。


「あのですね、過去形ですからね。」


 とりあえず、どうにか誤魔化そうとしてみる。

 しかし、みんなの眉間のシワは薄くならない。


「あのー、どうしました?」


 おーい、と手を振ったらなにかしらの反応をしてくれるかなとやってみようとしたときに、バーンと扉が開かれた。

 驚きながらも犯人に心当たりがありすぎると振り返って見れば、予想通りのレティシアさんだった。


「やっほー、みんな大好きレティシアちゃんよ。」


 お決まりのセリフと共に現れたレティシアにナイスタイミングと心のなかで拍手を送るのだった。


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