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無いものは作ればいいんじゃない?

 テンションが駄々下がりのところで、急に現れた明輝のせいで、留まるところを知らず地面を突き破るのではないかというくらい気分が暗くなる。


 誰が心配してくれって頼んだ?

 しかもなに?してやったのにって。


 余分なことを言ってしまいそうで、涙が溢れてしまいそうで私は、口を閉ざすことを選んだ。


「おーい!」


 うざ絡みをしてくる明輝を無視していれば、余計に調子にのって絡んでくる。


「お前さ、そうやって黙るのやめろよ。言いたいことがあるならはっきり言えよ。」

「……」

「だんまりかよ。いいよな。ツゴー悪くなったら黙っときゃいいんだから、楽だよな。心配されたくないなら、そういうことをやんなきゃいいだけだろ。」


 言葉は止まることなく、蛇口から流れる水のように止めどなく流れていく。


『そんなんだから、みんなにキモいとか暗いとか言われるんだよ。んでもって友達も出来ないんだよ。ばかじゃねぇの?それくらい考えりゃわかんだろ。俺だったら友達いなくて色々言われた時点で生きてる意味ないなっておもうけど』


 べらべらと話す明輝の言葉を聞きながら、泣きたくて、吐きそうで、この場から消えていなくなりたいとひたすら願ってみる。

 が、余計に虚しくなるので、感情に蓋をすることにする。


 とりあえずこの場を離れるために、私は小さく笑いながら明輝に同意する。


「そうだね。私に友達がいないのは当たってる。」


 涙が出てきそうになるのも気のせいだと自分に言い聞かせて、へらりと笑う。


 大丈夫。気付かないふりをしていれば、そのうちそれが本当になるから。

 今までそうだったように。


「私、そろそろ帰りたいから、いくから。」


 それだけ言って私は、踵を返し、全力の早足でその場を立ち去る。


 何故走らないかって?疲れるから。

 ちょっと走って疲れるより、早足で移動した方が疲れ度が違う気がするから。


 そんなどうでもいい事を考えながら、後ろから聞こえる声を無視して進んでいく。


 お願いだから誰も追ってくんなよ。


 下を向いてひたすら足を動かして、でも、心の何処かは冷静で人がいない且つ見つかりにくい所に足が向く。

 たどり着いたところは、凛とやりあったこともある庭園だった。

 素早く茂みに隠れて座り込む。


 息を潜めつつ、息を整えるという高等技術を駆使して、とりあえず気配を消す。

 しばらくじっとしていると、誰も来ないことが確認できた。


 落ち着いたところで、ポケットに手を突っ込む。

 しかしあるはずのものがない。


 あれ?と首をかしげて、すぐにあれは使ってしまったことを思い出す。


 しかし、この世界は魔法がある。

 ないものは作ればいいのだ。

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