距離が近い
「あのぉー」
「ふぁい!!」
後ろから声を掛けるとビクッと肩を跳ね上げて、返事が返ってきた。
「すみません。驚かせてしまいました。」
「いいいいえ。大丈夫です。ごめんなさい。邪魔ですよね。どきますよ。ははははは。」
全然大丈夫じゃないよね。めっちゃ噛んでるし。
私が声を掛けたからですね。本当に申し訳ない。
「本当にすみません。私の方が邪魔をしてますよね?なにかを見てたんですよね。」
「あ、いえ、それは全然。」
「で、何を見てたんですか?」
驚かした上に図々しいことこの上ないと思いつつ、訊ねてみる。
女の子は、ちらりと店をみると声を落とす。
「ちょっと……」
「あの店がなにか?」
「え?店……私、なんで?え?」
「いや、お店をずっとみてたし、人じゃないのかなって。」
いままたチラ見したしね。
もしかしたら店の中にいる誰かかもしれないけど、鎌をかけてみる。
「そんなにわかりやすかったですか?」
「それはまぁ。」
「だめね。ばれないようにやる必要があるのに。」
「それにしては、目立つ格好してますね。」
女の子は、簡素なワンピースをきているが、それなりの生地が使われているのが見てわかるし、頭からハンカチを被って物陰から覗いている女の子は目立つよ。
「!!」
え、まさか、目立ってないと思ってました?
「……とりあえず、離れます?」
「そう、ですね。これ以上は、目立ちたくない……」
ではまず、頭のハンカチをはずしましょう。
そして二人で広場の椅子まで移動する。
となり同士で座ったもののどう切り出せばいいかがわからず、無言になってしまう。
えーと、とりあえず怪しくないよってアピールすればいい?
そのためには自己紹介か?
勢いで声をかけちゃったけど、初対面の人と、面と向かって改めて話をするなんて、苦手が一杯すぎる。
「あの、なんて言えばいいのか。あー。私、愛奈っていいます……」
「あ、はい。私はミリ……です。」
「えーっと、歳は15じゃなかった16です。」
こっちにきて一年たったから、16だ。
「わ、私は15です。」
「そうなんですか。」
ほぼ同い年じゃん。
「あの!!あなたはなぜあそこに?」
「え?あぁ、ちょっとあの店について調べていて。」
「そうなんですか!あの!詳しく教えてください!!」
勢いよく詰め寄られて思うのは、やはりこちらの人たちは、パーソナルスペースが狭い。




