【閑話】ドコノココネコ(前編)
読んでも読まなくても本編には一切関係ありません。苦手な方はスルーしてください。
「あーつまらん。」
今日はお休み。
特にやることがなく、玄関の段差に座って開け放たれた扉の外を眺める。
秋風がたち、私の髪の毛を揺らしている。
「チュンチュン。」
「ん?」
鳴き声に視線を落とせば、足元に青色の小鳥がチョンチョンと跳びながら近づいてきていた。
「雀、ではなさそうだね。」
鳴き声的には雀だけど、色は茶色ではない。
「チュン。」
「それは、肯定?」
「チュンチュン。」
「会話が成り立たない。」
雀モドキは、そのまま跳びながら玄関から出ていく。
そして、ちょっといった先で私を振り返る。
「?」
また一歩二歩進むと、私を見る。
「ついてこいってこと?」
「チュン。」
だからそれは、正解かどうかがわからないんだよ。
聞き耳頭巾がほしい。
とりあえず雀モドキについていってみる。
どうやら、当たりだったらしく、雀モドキは振り返りながら、途中ちょっと翔びながらも私を先導しているらしい。
「どこまで行くのさ。」
「チュンチュン。」
どんどんと進んでいくと建物の裏側にたどり着く。
建物の裏には、なにか小さなものが転がっていた。
「なに?」
雀モドキは、その小さなものの近くまでよると、「チュン。」それに話しかける。
「みー。」
「え?猫?」
半信半疑で近寄ってみると、紛れもなく子猫だった。
「みゃぁ。」
「猫くん……どうした?」
君かちゃんかは、しらんけど。
子猫を見ると毛は薄汚れて茶色っぽくなり、力なく鳴き声を上げている。
助けてあげたいと思ったが、すぐに伸ばした手を止める。
「あなた、お母さんは?」
「みぃ……」
「わからん。」
たしか母猫が近くにいると攻撃かもしれないし、人間の匂いがつくと育児放棄されるんじゃなかったっけ。
キョロキョロと回りを窺うが特に姿は見られない。
だからといって飼えるわけでもないのに助けていいものなのか?
猫、人ん家の猫を触るのは好きだけど、飼ったことないし。
とりあえず清浄魔法で子猫を綺麗にする。
「魔法なら匂いはつかないでしょ。」
綺麗になった子猫は、真っ白な体にポツンと黒ぶちがあった。
「みゃぁ。」
「あとは、食べ物か。」
ミルク、はだめなんだよな。
ブドウ糖?って何であげればいいんだ?
ガムシロップやスポーツドリンクなんてこっちの世界にはないぞ。
「砂糖をうんと薄めればいい?ちょっと待ってて。」
台所に戻り、お皿に水をいれ砂糖を少しいれる。
砂糖が溶けるようにスプーンでかき混ぜながら、猫たちのもとへ戻った。
続きます。




