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白と黒の歯車  作者: 凍梨
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プロローグ

プロローグを差し替えました。

主人公のキャラが当初の予定と違いすぎることに気づいたので…

それに伴い始めから乙女ゲー転生という点を隠さない方向で行きます


彼女はまるで咆えるように泣き叫ぶ。

その腕に抱きしめた亡骸に許し乞うように。


なぜ、こうなってしまうのか。

何度繰り返しても、幾度も頑張っても結末は一緒だ。

何故か助けられない。

これが神の意思とでもいうのか!!

そう彼女は泣き叫ぶ。


その腕の中の亡骸は、二つ。


その光景を私は見たことがあった。


「祝福をこの手に。未来を紡いで」


そう呼ばれる乙女ゲームのバッドエンドの一つ。

エンド名は「終わりなき絶望」

このバッドエンドはよく覚えている。

というより、ゲーマーなら一度は耳にしたことがあるバッドエンドだ。


このバッドエンドはこの作品の最終ルート中に発生する。

グランドフィナーレを迎えるために必要なフラグを回収する際に必ず通過しなければいけないイベントがあるのだけど、それを発生させると何故か必ずこのエンドに突入するバグが発生するのだ。

そしてそれ以後はどのルートを目指そうともかならず最終ルートに突入し、バッドエンド直行というバグが繰り返される。

解決方法はデータを全削除して新しく始めなおすか、公式の修正パッチを待つくらい。

けれど結局パッチなど公式から配信されることもなく、超絶バグゲーという汚名で有名になった作品だった。

そのイベントを通過せずにノーマルエンドにいっても結局救いはないらしく、それ以外のルートの評価は高かっただけに残念な作品扱いになった。



そんなゲームだからか「実は最終ルートは存在してなかった筈なのにクランクアップしたときに突如発生した」とかよくわからない都市伝説も聞いたことがあった。

今思えばそもそもグランドフィナーレ用のフラグが本当にあったかも定かではないのだけど…。


目の前で繰り広げられてるのはそんなワンシーンだった。

愛する人を二人も目の前で亡くして泣き叫ぶ少女の姿を見せて終わる、そんなエンディング。


私も何度もみた、エンディング。


だけれど――



たすけてください。



化粧がボロボロになるまで泣きはらした彼女が私に助けを求めてきた。


その事実に驚愕しながらもなんとなく状況が飲み込めた。

これは前世でよく見かけた乙女ゲーへの異世界転生的なものなんだな、と。


これが単なる死ぬ間際の夢であったとしても構わないと思った。

夢であったとしても全力を尽くそう。私の出来うる限りのことを。


だって放っておけないじゃないか。


私も一歩間違えれば彼女と同じだったのだから――




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