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異世界転生は突然に

「これで一通りこの世界の話はしたんじゃが、最初に気にしとった亜人について補足しといてやろうー、質疑しても構わん、どうせおんなじだからな」

(認めたよ、心読んでるの、やっと質疑応答の時間か……)


 俺は異世界転生で聞きたかった最重要事項をいや異世界テンプレの確認するため神様に聞いてみた。

「亜人ってどんな種族が居るんですか?」

「お主の世界のラノベで言うところの獣人、エルフ、ドワーフ、ダークエルフの種族かのうーちゃんと多種族間で交尾は可能じゃぞ心配は無用じゃぞ」

(…………そこは共通なんですね、ただ交尾って言わないで下さい、オブラート包まれてますが卑猥だし恥ずかしいです)

「生命の神秘やー異世界七不思議の一つやー――」

(また一つ増えました……交尾かぁー違う違う、獣人、キター?)

「獣人族の耳はやっぱケモ耳なんでしょうか、それにエルフ、エルフ耳なんでしょうか?」

(俺は決して耳フェチじゃありませんよ)

「答えはYesじゃ、安心せい」

(キター! 異世界テンプレ設定やー。やっぱ人族でケモ耳ハーレムが理想の……そこには欲望ダダ漏れの俺がいた!)

「そうじゃな、ちょっと待っておれ」


 神様が胸元からスマホのようなものを取り出し何やら操作し出ししばらくすると突然、プロジェクターに「亜人」らしき種族の女性の画像が、今までにないほどの大きさで数十枚が辺り周辺に映し出されていた。その中の一枚に神官服らしき服装で綺麗な白狼らしきケモ耳女性の画像があった。


 嬉しさよりも――明らかに盗撮されたような画像が数点混ざっている、如何(エロい)わしいってことじゃない、ただ目線がこっちを見ていないアングルもおかしい画像だ。


(えっと、スマホ? 白狼? ケモ耳……だ……でも盗……)

「儂のお気に入りの獣人族の神官じゃ特別じゃぞ」

「盗撮ですか?」


 しまった! っとしたような感じに神様が慌ててスマホを操作して画像が入れ替わった。


「ふぅー、セーフじゃな、お主は何もみてないいな!」

「えっと……その方はどなたなんでしょうか?」

「そ、そうじゃったなー」

(落ち着きましょうね神様……)

「儂を崇拝するヴェール教の神官じゃ、っ……通算お供え物ランキングの上位者じゃ、と、とくにマリアナのことはなんとも思っておらんぞ」

「はいはい……そうですね、お気に入りの上にランキング付けてるだけの普通の神官様ですよね」


(そうしときましょうね、非常に気になるけどこれ以上は流石に可哀想だ、話題変えよう)


『ただ、この瞬間どこかの場所で何かが起こったとか起こらなかったとか……』


「獣人族の種類は幾つでどれだけいるんでしょうか?」

「獣人族は先ほどの白狼族、猫族、虎族、犬族、狐族、代表的なのはそんな感じかのう

 大小合わせて12種族じゃな、二万年以上前から集団で数千年間隔で少しずつ異世界転生転移で

 種族を受け入れて増やしていても人数はまだまだ人族に比べて少ないな」


 俺はちょっと驚いた二万年以上前から異世界転移は行なっているんか、一体どれだけ前から

 この世界を創造してるんだろう神様は。

「異種間の獣人族では交尾できないんじゃがな、大丈夫じゃ人族とのハーフはできるぞ」

「そんなことまで聞いてませんが」

「つまらんなー、二万年以上前からじゃな。異世界転移者を受け入れた場合は下界に下ろすのは、下界の様子見ながら数なども調整してからなじゃな、この空間は時間経過は自由だからな、儂でも過去には流石に干渉できないんじゃ」

(ああー、ウラシマ効果ってやつですね、光の99・5%で五日って感じだったっけ)


「なんか声出して質疑応答する意味ないですよね、今更ですが」

「ああ、すまんすまん、切っとくの忘れてたわ!」

(切れるなら最初からお願いしたかったよ、残念神様さん、チャック全開ですよ、神様!)

 俺はポーカーフェイスを装いなが神様の様子を見るが特に反応はなかった。

(確認終了――)

「まあ、色々話してもこれから行くんじゃから、この世界を楽しんでくれ、最後にこれはゲームじゃないからな巻き戻しも出来んし、同じ条件で再スタートも出来んからな」

「さすがにそれは分かってます、今回はたまたまそうなったんだと思います」


「じゃあ、儂から一つ質問があるんじゃがな」

 急に神様は真剣な表情をして俺に聞いて来た。


前世ちきゅうでお主の夢はなんじゃったかな?」

「先生になることです。」


 前世の俺は先生になる為に大学に行き母校の教育実習も済ませて、あとは卒業して両親や隣接県に住むジジ達の周辺地域の公立小学校の何処かに赴任できるよう地元の都道府県の教員免許を取得するため頑張るつもりだった。


 ただ人生夢途中で半ばでここにいる――悔しい思いは残るものの小学生を助けたのことには後悔はない。


「なぜ先生なんじゃ?」


 俺は神様に高校でのイジメあったことやそのときの兄貴が言ってくれたこと、ジジの家にお世話になったことジジから教わった色々な知識、楽しかった小学校の友達と神社でよく遊んだことやいい思い出、先生が教えてくれた勉強の楽しさ、俺は特に小学校の先生になりたかったと思った先生のことなどを話しつずけ神様は黙って俺の話を聴いてくれたあとに……一言。


「そうか……」

 神様は考え深く一呼吸おいて……。

「せっかくの異世界転生じゃ、選択肢は少ないんじゃがこの世界でやってみたいことや将来なりたい職業はあるかな?

 ただ、この世界はお主には厳しい世界じゃと思うが気持ちを改めて前世ちきゅうの夢や思いは忘れて過ごして貰えるといいんじゃが」

(お、職業選択の自由ですか? ……無いですよね民主制の少ないこの世界、君主制の国家に産まれれば両親の階級で行く末は決まってしまう……でもやっぱり)


「やっぱり俺は先生に成りたいです、先生になって子供達に勉強、いや色々と学んで欲しいです遊びや友達や色々です! 」


 迷わず俺は神様に答えた! 神様の顔を見つめていたら見る見ると表情が今までと違う感じになりゆっくりと優しい声で話しはじめた。


「そうじゃろうのう……残念じゃが、これからお主が行く世界にはお主の前世ちきゅうにある小学校のような学び場はないんじゃよ」

「え……」


 俺の声が驚きで漏れてしまったが冷静に考えればそうだ、先進国の日本のような幼児教育や初等教育と義務教育がこの世界(いせかい)いや国家にあるわけないがない、神様の授業を受けて政治形態や文化水準や文明の低いことはわかっている。


(『異世界転生しても叶えられない夢だったのか……(泣)』)


「まあ、そうじゃのう……お主の前世ちきゅうの国のニッポンの識字はどこくらいじゃったんじゃ?」

「えっと、正確には知りませんが95%だったでしょうか」


 神様は深刻な顔をしながら……。


「そうか、授業ではそのあたりは全然説明しなかったんじゃやがな、この世界進んでる国家でも10%程度なんじゃよ」

「え……」

(ちょっと低過ぎない?)


 確かにそれはそうだ文字はなくても人は育つ、ただ文化や文明の継承は言葉だけじゃ無理だ――文字の読み書きによる知識の継承が大事だこの世界の文化や文明の低さはそういうところなんだ。


「魔法や剣と拳の世界じゃからなー、手紙や文章などでの愛情表現なぞせんからな」

(……)

「冗談だがな――、正直どの大陸も子供達に教育を施すほどの経済的余裕も通わせれる環境もないんじゃよ」

 神様がにっこり微笑みながら俺に一言いった。

「そうじゃ、お主の国のようにはいかんがこの世界(いせかい)でお主が言うとった、教育と義務教育とやらをやってみるとてはどうじゃ?」


「ただのう、国家や大陸レベルに普及させるのは無理じゃとは思うが、お主周りから徐々になら出来るじゃろ、時間はかかるが」

「そうですね」


 俺でも規模が大きくなければ可能かもしれない、ただせっかくの異世界転生それだけじゃダメな気がする神様だってヤレとは言わないが」


「それとついでに文化水準や技術と産業やらの文明も色々と向上させてもられるかのう」

「え……」

(やっぱり、大変そうなお願いが――でも神様からのお言葉だきっとチートスキルやチート能力が神の加護がー)


「で、お主はどの大陸に転生するのが良いのかな?選ばせてやろう……三分間やろう、麺が伸びない短い時間じゃがな」

「えっと……」

 ここはあえて突っ込まず――俺は少し考えて、やはり異世界転生と言えばアレだ――そう思って神様に答えた。

「では、コーラシア大陸で、国家はお任せします」


 俺は当然とばかりに神様にお願いした。

(俺は人族で亜人のいる大陸、決してケモ耳ハーレムなんてやましい気もしは、これっぽっちもないけど……)


「まあ、お主からするとこの世界は幻想だったんじゃしわからんでもないが、お主だけを優遇するわけにはいかないが、色々やってもらいたいし裕福な環境へ転生させるとしようかのう」

「へ?」

「変な暴走しないように監視をつけるがな」

(え、変な暴走ってケモ耳、モフモフ、ハーレムですか? 監視ってなんですかそれ!)


「ちなみにチートスキルやチートステータスはないからな知識チートだけで十分じゃろう」

(え、マジですかー、そんなー俺のテンプレ異世界生活がー……)

「これからどうするかはこの世界に降りてからゆっくりと考え行動するがよい」

「はい……」

「授業の内容とこれから必要なことは記憶に書き込んおいてやるぞ、お主の前世ちきゅうの記憶と混ざってしまうが混乱しないように頑張れ若造よ! これはサービスじゃー」

「……」

(じゃあ最初から記憶に書き込んでくれれば……授業を受けた意味が……)


「だから特別授業なんじゃよ――あと、死なない程度の能力と《《KAREA》》もつけてやる……これも特別サービスじゃ、ではなぁーナァーーーー」

「え、えー――まだ言ってる」


 そう言った瞬間から意識が徐々に遠のいていく。

(死なないない程度って?どう言うことですか?そんな苦労するんですか?俺!)

 …………

「え、えぇー。俺のテンプレ異世界生活が――…………」


 俺は暗闇に包まれた――。


 ……。


「ああーしまった、マリアナの記憶消すの忘れてたわ、今度の合コンで会ったらあやつに怒られそうじゃな」

 そんな神様の声が響いたとか響かなかったとか……。


『異世界に教育を普及させるための長い挑戦が始まる?』






ここまで読んで頂きありがとうございました。


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