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異世界教育物語(仮  作者: 月神波瑠
第1章 〜幼児期編
17/22

迷いの森とフェンリ

 まえがき長文で失礼します。ちょっと大変な執筆でした。フェンリは「あたし」、主人公の母親は「わたし」のひらがな一人称で視点も途中で変えてたり、お見苦しい点などあるかもです。

 でも、楽しく読んでいただければ嬉しいです。

 フェンリル視点


 今はあたしは迷いの森の中間地点の小高い岩山の祠らしいところに居る、眠気に勝てず目を閉じて気が付いたら、人族の時間で一ヶ月近く眠っていたようだ。

 多分、原因は神威の解放。――下界での神威の制御ミスと眠ったままで神威の解放を続けてたらしく、気がつくと獣や魔物の気配が全く感じられない。一ケ月眠ってしまい、これは、ちょっとマズイかもしれない。


 急いでターゲットのところに向かわねば……。そう思い神威のを少し残して、私はターゲットの住む方向に走り始めた。


 1刻ほど森の木々の上を飛び越えていくと、凄く懐かしい気配がしていた。ああーあのときの奴と私の娘の娘だろうか……そんな気配が遠くに感じられた。

 向うは私に気付いていないようだが、ここはまずはターゲット優先で、今度は創造神様に弱みを握られると訳にはいかない。


「ごめんにゃ、会いたいのは山々やまだけどにゃ、我慢してにゃ」


 しばらく、森の樹々の上を急いで飛び跳ねた。


 1刻もすれば、迷いの森の外に出られるが、まだ辺りに獣や魔物のらしく存在が確認出来ない。

 あたしは少し拓けた殺風景な水飲み場らしき場所でターゲットと出会う算段することにした。


「どうしようにゃ、んー、ちょっと先のデカイ魔物を囮してにゃ、ターゲットの旦那でも呼び出してにゃ、か弱いフリして保護してもらうかにゃ」


 あたしは決断して囮の魔物を追い込みながらターゲットの村に近づいた。ボーッと下界の甘味の事を考えてしまい、ちょっとミスをして魔物を興奮させてしまった。

 

 囮の魔物は大きく鳴き声を張り上げ、一直線にターゲットの村に進んで行った。


 唖然とするあたしは、慌てて追いかけようとしたが、ここ周辺は樹々が疎らに生えていて跳ぶ辛い、仕方なく地上を走り続けたが細かな木々が邪魔で上手く追いつけなかった。

 周りの鳥達が一斉に飛び上がり大きな音がして、何かに激突したようだが囮の魔物の気配は弱ることなくターゲットの方向へと走り続けていた。


 こんな場所で魔法を使うわけにもいかず……。


 やっと囮の魔物に近ずけた瞬間、どこからともなく風属性の魔法が二発、氷魔法?が一発飛んできたかと思うと、そこには瞬殺された囮の魔物が閉じ込められ一つの氷柱になっていた……。


 魔法が飛んでいる方向を見ると……。少し驚いた――あたしのターゲットが微笑みながら魔法を撃って苦悩はしていたが満足な表情をして立っていた。

「あれれ、でも上手く行ったにかにゃ、でも……どうするにゃ、囮の魔物がいとも簡単な始末されるとにゃ。今後の展開がにゃ……。今、出て行ったら確実に攻撃されるにゃ」


 …………


 ――――少し時間は戻り、ミレーヌ視点へ


「はあー、……やっと、ここまで走ったきたけど。あのデカイ猪の魔物はどこの縄張りの奴かしらね、ここらじゃ見かけられないサイズだわ……」


 わたしの少し離れたところには、この辺では見かけない種類の魔物が興奮して息を切らしてたたずんでいた。魔物も私の気配に気付いたのか、足を地面に叩きつけながら戦闘準備に入っていた。


 無意識に声が漏れてしまっていた。

「さあー、狩の時間だ!」


 わたしは威力の高い風属性の魔法の詠唱を始めた。


 まずは確実に仕留めるため退路を断たないと……そう考え魔物の斜め後ろにある大きな樹の根元に狙いを定めて、根本付近の左面側に切り込みを入れるように魔法を打ち込んだ。


「"山吹の風よ――逆巻け、この手に集い解き放たれよ"……レーレヴィント」――つむじ風(真空の風)。


 魔法は根元に命中し、大きな樹から"バキバキ"と大きな音がしだした。それでも魔物は動じる気配もない。 次の瞬間に、魔物の退路を立つように木がなぎ倒されて轟音と共に、魔物はわたしに突っ込もうと動き出した。


 わたしは、慌てて風の防御魔法を短詠唱して魔物を封じ込めようとしたが……。

 「"山吹の風よ――援護せよ"……マオアーヴィント」――風の壁。


 さすがに短詠唱では魔物を完全に抑えることは出来ずに、魔物も奇声を発して暴れていた。

『プギャーッ』


 わたしは風属性の範囲攻撃は魔法を、今度は魔物を狙い詠唱を始めた。

 「"山吹の風よ――我に従い、渦巻き――舞い踊れ"……ヴィルベルヴィント」――旋風。


 周囲のあらゆる物が魔物に襲いかかり魔物を傷つけ動きが止まった――。

 わたしは魔物にトドメを刺そうと、最も得意な攻撃魔法を詠唱した。

 「"朝霧の風と雫よ――我に従い、形になりて敵に集い、意のままとなり――凍れ"……アイスツァプフェン」――氷柱。


 魔物の周囲から氷の粒が現れ、氷の粒が周辺に集まり魔物を凍りつかせ……断末魔を発して魔物は一気に氷柱の中に閉じ込められた。


『プ、ギャー』


「はあ、ちょっとさすがに疲れたわね、これじゃ、アンといい勝負かしね」


 わたしは凍りついた魔物を眺めながら休息していると、ふと別の魔物の気配がし、気配のする方向に目をやると――ヨロヨロとして一匹の狼の子供が歩きながらこっちを見ていた。


 さすがに範囲魔法の連発はもう難しいが、威力の弱いものなら魔法も可能だと準備はしていたが、その小さいな狼の子は私にヨタヨタと近ずいて来て……『クゥーン』と鳴いて尻尾を振って鳴いた。


「あらあら、敵意はないようね、暗くてよくわかんなかったけど……。この子、真っ白ね」


『ワフゥー』――尻尾を振っている。


 可愛い仕草をしてきて私は思わず、白い狼に子を抱き抱えると……その子はわたしの顔をペロペロ舐めてきた。


「まあ、可愛い――でも、あなたここに一匹だけなのかな? 母親はいないのかな?」

『ワフゥー』――元気よく尻尾を振っている。

「まあ、いいわ、あの人達が来るまで、少し母親探してみましょうね」


 ――――少し時間は戻り、フェンリル視点へ


「やばいにゃ、ここは……、そうだにゃ、迷子の迷子の子猫ちゃん、作戦にゃ」


 あたしは、ターゲットにヨロヨロと近づいて少し気配を強くした。案の定あたしの気配に気付いてくれ、あたしはヨタヨタと近寄って行った。

(あたしは、監視者の一柱神だ、こんな人族なんて、こ、怖くもないけど、創造神は怖い――変な意味で……)


 あたしは一柱神だ! ここで媚びを売るわけには行かないが背に腹はかえられない。


 甘味が待っているのだ! そう言い聞かせて、あたしはターゲットにさらに近づき《《泣いて》》みた。

『クゥーン』


 ターゲットは可愛いと言ってくれ、あたしを抱き抱えてくれた。なぜだか四千年前の母親に抱っこされてる感じがして嬉しくて尻尾が反応しちゃった――にゃ!。


(しかし、このターゲットが本当に将来、死んじゃう予定だったのかな? そんな疑問が)


 あたしは考えた、無い胸で、いや――これは創造神様の策略何ではないのかと……。

 ただ、普段から締まりの無い表情だがあの怒り顔は本当だった。確かにリストアップした中にそれらしい結果の女性が幾人もいたけど。どれが、どれかも……今となっては判らない。

 まあ、創造神様だ。ちゃんとフォローはしてるだろう。


 今は甘味のこと、――いや、ターゲットの周りを護ろう! 甘味こみで!


 あたしが、真剣に考えをしている間だ、ターゲットは母親を探してくれていた。


「クゥーン」――尻尾はだらーんとしている。

(ごめんなさい、あたしには、もう母親いないし、嘘だしこの姿、三人の子持ち出し、曾孫まで入れると家族全員で百一匹はいるし)


 あたしはそれでもやっぱり嬉しかった。身体を小さくした事もあったのか、しばらく温もりを感じていなかった事なのか。とにかくこのターゲットはあたしが護る存在だと認識できた。


 しばらくして氷柱化した魔物場所に戻っていて周囲に別の気配がしてきた。

 外見からしてこの村の騎士団のようで――ターゲットを呼ぶ声がしてあたしは抱えられたままその集団に近づいた。


「ミレーヌ…………――この魔物の氷柱はいったいなんだ? なぜ俺達を待たなかったんだ?」

「――あら、あなた、見ての通り、私が狩った今日のメーンディッシュよ」

「そ、そうか――その胸に抱いてる。白い狼の子もか?」

 あたしはハットした! ターゲットを見ると飽きられた表情をして騎士を見ていた。

「クゥーン」――尻尾全快で振っている。

「そ、そんなわけあるわけないでしょ、あなた!」

(ああーこいつが、ターゲットの雄か!、あたしを食べるなんて十万年早いわよ!)

「そ、そうか、それはすまんかったな、フェンリも」

(はい? どういうことで? あれれ、もうペット決定か! このあたしを)

「ワン!」(甘んじて受けてやろう。甘味十年分でな、フェンリを)

「あなた? 私はこの子を飼うなんて言ってませんわよ」

「でも、せっかくの白い狼だし、食べるんじゃないなら、てっきりペットかと……」

「もー、いいですわ。この子の母親が見つかるまでは保護します。もう家族です! 次ペットなんて言ったら、アレですからね」


 あたしは感じとった。このターゲットは危険すぎるいや、この雄もだが別の意味で危険だと感じた。

「すまなかった。まあ、でもな……いやいいか」

「もう、フェンリで名前は結構です! 伝説の聖獣フェンリル様ですか、いいですね」

 ターゲットは私にニコッと笑顔をして笑っていた、ターゲットの雄は続けて話しかけていた。


「で、だ、この――夕食なのか、どうするのだ? これは」


 あたしが周りを見回すと、二人以外の人族の騎士団員の数人は唖然としたまま、残り数人は氷柱を見て会話が聞こえてたのか小声で笑っているのが伺えた。


「ワフン」――尻尾がブンブン回っている。(同感だわ、その反応)


「これだけ大きいんだもの、村で配りましょうー」

「そうか、ではここで解体するか持ち運んで村役場前で配るか、一回で三人前は行けそうだな」


 そう言うとターゲットの雄は、部下の何人かに指示を出していた。ただ、ここでそのまま解体出来るとは思えない。この氷柱がいつ溶けるんだろうか分からないから……。


 あたしとターゲットと雄は、雄が乗ってきた生物に乗って迷いの森を抜けて、ターゲットの住居についた。


 ターゲットの玄関ドアが突然開き、メイド風らしい若い雌が一人出てきて挨拶をしたいた。

「おかえりなさいませ、旦那様、奥様」

「ただいま、リリ」

「ただいま、リリ、詳しい話は俺がするから、まずは中に入ってみんなを集めて」


 雄がそう言うとあたしを抱き抱えたまま皆が住居の中に入って行った。

 そこには、とても若い雌の子と、生まれたばかりの雄の子は小さいベッドで寝ていた。

(寝てる雄の子が、今回の特別転生者なのか――)


 雄が家族全員を狭い居間? に集めてからあたしを家族会議なの話をしはじめた。


「アリス、リリ、迷いの森の騒ぎは今は大丈夫だ、怖い思いしたかも知れんが、ミ……ミレーヌが晩ご飯のために仕留めてくれた」

「…………」(…………)

「あ、あの。あなた? そうではなくてですね、この子の事を先に――」

 ターゲットがそう言うと手を伸ばしあたしをみんなの前に見せていた。


「す、すまん……この子なんだが、名前はフェンリで今日から少しの間家族だ! よろしく頼む」

「この子の母親が見つかるまでですけどね、 見つかるかわ分からないけど、それは気にしないで起きましょうー」

「わーい、この子の真っ白でかわいいね、お母様」

「お、お、奥様。この子のは……、もしかして、あの! 演劇に出てくる伝説の大賢者様のお供の、フェ、フェンリル様では!」


 若いメイド風の雌はあたしを見てかなり興奮をしているようだ。ただ、種族的には間違いではないが若い一柱神にだし、この姿は子供だし。――それにそれはあたしの孫娘だ! もう五百年はあってないけど。


 しばらくして、家族会議も終わり皆でくつろいで言えると、転生者のことが気になりベッドに飛びのり、あたしは転生者者の顔を舐めてやったら、そのあとも一幕あった――。


 まあ、そんな一幕があってあたしはなぜか。バスタブの中で、若いメイド風の雌に洗われているわけ。

「ふん、ふん、ふーん、フェンリ様、おかゆとこはございませんか?」

(…………)


 もういい、考えることはやめて、なすがままになって……。


 気が付くとターゲットと一緒に寝ていて、そばに転生者もいた。そっとあたしは転生者とターゲットを見て考えた。一柱神として八百年位で一番若い部類だが、下界に降りた以上、一柱神のプライドと地位は封印しよう。ここは一匹のフェンリルとして、この家族? を護って行こう――。創造神様の命令じゃなくて、一人の家族としてだ。


 決して『甘いもの』を食べたいわけじゃない。信じて下さい、創造神様!。

 あたしはベッドで眠る二人を見つめながら語りかけた。


 「これから家族として接するのだ、覚えておくがいいわ、私の十戒をにゃー」


 ――次話つづく。


 上界のフェンリですが、一柱神担ったとき、神人化で人型になってます。

 犬の十戒を模写してしまいます。犬の十戒をご存じない方は、少しでも興味がありましたら、是非に「ググ」って欲しいと思います。『犬の十戒』で!

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