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異世界教育物語(仮  作者: 月神波瑠
第1章 〜幼児期編
11/22

初めてのお出かけ

1章 〜幼少期編


生まれてやっと1ヶ月にする決意が出来ました(笑


 この世界の新しい家族のことで気持ちをリセットした日から一ヶ月、前世ならお宮参りする頃だが、この世界にそんな風習があるかはわからない。俺にも少し成長の兆しが――体重も誕生時より1kgくらい増え、手足をバタバタ出来るようになり表情も豊かになってきた。ただ、首はまだまだ据わってないけど。


「ぶぅー、ひひーん」「ばぁーヒヒーン!」

 目覚めのいい朝だ、今日は念願だった外に出られることを、昨日母様が寝る前に教えてくれた。

「ばぶぅー」(ああー待ちどおしいー)

「ゴーン」…………「カーン」っと4刻(あさ6じ)の鐘が遠くから聞こえて来た。


 俺の行動範囲も広がった俺自身で移動は出来ないもの、母様やリリに連れられ寝室と居間と父様の書斎兼寝床がテリトリーになった。あと、少しではあるが窓から外気を浴びることも出来た、まだ季節感があるような感じがしないが少しずつ寒くなり始めているようだ。


 外気を浴びるとき窓から見える景色は、ジジと一緒に暮らしていた田舎村の野放しの畑のようで雑草が一面に生えている残念な光景。ただ、残り180度の風景が俺を待っていて今日の外出はとても楽しみにしている。


 眺望の良い方向より日差し優先したと微かな希望を持って――。


 あと、不思議だった細かい時間の計測だけどニ週間程前に気がついた。カギとなったのは居間にある三連式の砂時計だった、はじめは砂時計とは気づかなかった――単なる何かオブジェなのかと思っていた。何故ならガラスが透明ではなく近寄らないとよく見えなかったからだ。

 この村暮らす住人は個人で時計持っていない、村の中心にある方向から鐘がなってそれがこの村の生活の基本。

 鐘が鳴り始めるは4刻(あさ6じ)からで11刻(よる8じ)で庶民が詳しい時間を知るのは三連式の砂時計を使う、それぞれが3刻分(6じかんぶん)1刻分(2じかんぶん)、1刻分となっている。


 鐘のタイミングで砂時計をひっくり返したり、必要なときひっくり返すと、相対的な時間を残りメモリ等で家庭内のみだが時刻を知ることができる。

 ちなみに砂時計は、リリが朝の鐘と同時に3刻分をひっくり返している。それがメイドのリリの日課だ。(リリはどうやって起きてるのか――不思議)


「ばぁ~ヒヒーン!」

 また、馬の鳴き声がすると母様はゆっくりとベッドから起き上がり、俺を優しく抱きかかえ朝の挨拶をしてくれた。

「おはようーアルフちゃん」

「ぁうー」(おはよう母様)

「今日はお外にでて、お父さんのところに行くからねー」

(わーい――やっと外にでれる、我が家の周辺やこの村のこともわかりそうだ)


 今、俺は居間のベビーベッドに寝にいて母様とリリが台所で朝の食事の支度をしているようだ、父様は起きていないわけじゃなく室内には居ないようで、俺より早起きで何してるかさっぱりわからない。

(自由に動けない俺がちょっと虚しい……早く家の中でも冒険したい)


 家族全員とイケ叔父は食事中ではあるが会話をしながら食べていた。

「リリ、今日は朝食を食べ終えてから支度してお出かけしますからね、あとはよろしくね」

「はい奥様、お洗濯お掃除は済ませておきます、ごゆっくりしてこられても大丈夫です」

「ミレーヌ、代官様には先日伝えておいたからな、予定もないそうだからゆっくり来るといい」

「はい、あなた――、歩いてですからアルフちゃんにもこの村を見てほしいですからね」

「アリスはちゃんと昼までの分はちゃんとお勉強してるように」

「はい、お母様」

「我は今度、3日は戻らないかも知れん」

「兄上、どちらかで調べごとですか? 何か手伝することがあれば――」

「――今は言えんが事情は話すから、気にしないでくれ」


 朝食が終わり台所から皆が出てきて、俺はこのあと二回目の朝食をしっかり頂いた。

 しばらくすると二頭の馬たちが鳴きだし父様とイケ叔父が出かけたようだ。


 俺は外出するために普段着とは違うちょっと綺麗な赤ちゃん服を着せられて、大きな布らしいものに包まれ前向きに母様に抱かれ玄関先までやってきた。

「じゃあ、行ってくるわねリリ、あとはよろしくね」

「はい、お坊っちゃまのお着替えやオシメは、旦那様にお渡ししてありますから何かのときにはお使い下さい」

「あら、ありがとう――リリでも一応持って行くわね、それほど重くないから」

「行ってらっしゃいませ、奥様」


 俺は玄関のドアを抜けて異世界への第一歩を踏みだした。――ただ、母様に抱れ俺の一歩でもない。俺から見える景色はいつもの雑草が生えた景色ではなくヨーロッパの穀倉地帯のようで、奥には大きな森と高い山々が聳え立っていた。今まで見ていた殺風景ではないこの風景に俺が感動していたとき、母様が突然後ろを振り返えって俺に声を掛けた。

「ほらアレが私たちのお家ですよー、あなたには見えないかもだけどねー」

「あうー」

「凄いでしょー、あなたのお爺様が建ててくれたんですよー」

(うわぁスゲー、平屋で意外とデカイし敷地の広さは半端ない)

 我が家は屋敷のような豪華さはないが遠くに見えた、この村の住居とは違う木造作りの家。


 俺が見ている我が家と敷地の光景は想像していたものとはかけ離れていた、大きい平屋が一軒、納屋一棟、東屋一棟まである。そのほかにも気になるのが家の周辺の大きな木々、柵に囲ま家の隣にある広い家庭菜園いや立派な畑、そんな予想も出来なかった光景が俺の目の前に広がっていた。

 あと一つ、我が家の隣というかちょっと離れた所にも似たような家が建っていた。ただ人が住んでる雰囲気は感じられないが家ほどの広さは無い、それでもこの村にそぐわない光景。

 俺はこの光景も含めて我が家の土地周辺は――別荘地なのかと思うほどだった。


 我が家の周辺をあとにしてしばらく歩くと、遠くに見えていた集落がはっきりと見える所に着いた、住居は前世の感覚なら三部屋程度の木造りで家が五軒密集していた、ただ、予想していたものとは若干違った、中世ヨーロッパの農村では二部屋が一般的だと思ってからだ。

 あと、家の周囲にも穀物倉、納屋などの農業に関連した施設があり以外と裕福な印象に感じられた。


 少しなだらかな丘の上に立つと、まだまだ遠いが道の先には橋がかかっている小川があり、石作りの壁だろうか、そんなものに囲まれた大きな村が見えた。大きな村といっても遠くて分からないが木造の家が密集していて村を中心に農地と未開墾の土地に囲まれていた。


 その丘から見える景色は、実際行った事はないが父ちゃんが自慢げに写真を見せていた、婆ちゃんの居た富良野の小麦畑の感じなんだろうか、そう思ってると母様の声が聞こえた。


「今は残念だけど――ここからの景色が綺麗なのよ、小麦がね、――風に揺れると…………」


 母様と俺が見てる小麦畑はまだまだ青々としていて、金色の絨毯には見えなかったが、俺には懐かしい――表替えしした畳みのように思えた。


 目に映る景色に感動している中、この風景に足りないものが俺には感じられた。この世界と中世のヨーロッパの農村地帯と比べると足りないもの、――それは風車や水車だ。

(まあ、今はそれ以上はいいかな、純粋にこの風景を楽しもう)


 半刻程歩いても人とすれ違うことも無くやっと石造りの壁が見えてきた、ただ壁城とは言えない子供の背の高さの石の上に木製の柵がある簡単な造りだった。

 そのあと木造作りの村の門をくぐり中心部にたどり着くと母様が疲れた顔も見せずに優しく話しかけてくれた。


「やっと着いたわねー、あそこがお父様がお勤めしている所よー」

「あうー」(お疲れさま母様ー)

 

 俺の見える範囲には屋敷らしい建物と役場の様に思える二階建の建物が二棟並んでいて、大きな広場、大小二十軒程の住居と小さな屋敷があるものの、人影の少ない寂しい感じの村だった。


…………


 突然、村役場二階の上の時計塔のような部屋から大きな鐘の音が聞こえてきた。

 "ゴーン"…………"カーン"、"カーン"


(ああー、やっぱりここから鐘が鳴っていたのかぁー)

 鐘の音が収まると、母様は俺に声を掛けてくれた。

「あら丁度いい時間だわ、じゃあ、いきましょうね。アルフちゃん」


 母様は俺を抱き抱え直し村の中央の広場から役場前まで、俺に周囲を見せてくれるような感じでゆっくりと歩いてくれた。

 玄関口の前で母様は一度立ち止まり、身なりを整えてから役場の玄関のドアを片手で押しながら薄暗い役場の玄関口に入った。


 玄関口は6畳ほどの大きさがあり、ドアや窓はあるが中が薄暗いのは、この建物の玄関ドアに使われている素材の透明度が余りよくないのと、玄関口側面の壁の窓に程度の低い魔物の素材が使われていて、透明度がかなり低く光があまり通ってない感じだ。

 我が家の居間や書斎などの窓は質感からガラスではなく高い魔物の素材が使われいて透明ガラスに近い感じで光はかなり通っていた。

 この国のいやこの世界はまだまだ透明なガラスは普及していないようだった。


 母様はさらに歩き広い役場のフロアに入りると、そこにはいくつかの木製の机と椅子がまとまった場所に別れていて、各部署なのだろうか結構大勢の人が仕事をしていた。

 各部署らしいところに長いローチェスト? のようなものがカウンターの代わりに置かれ、その上には絵で描かれた木製のプレートが置かれていたが、俺には分からない絵柄と連想出来る部署名のわかりらないものがいくつかあった。

 代表的なものでパルピスなのか「書き物課?」と小麦の絵が書かれた「農作課?」と王家の紋章だろうか剣と盾の絵があり「王領騎士団」ってまんまの部署でこれは村役場だ!。

 ただ、若干役場にそぐわない王領騎士団……がそんな感じだった。


 ――その日の話はつづく……。

ここまで読んで頂きありがとうございました。


お出かけ、戻りが一話分だとは思いましたが、長々となりそうなので話数を分けさせて頂きました。

タイトルも強引ではありますが。

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