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仮初の兄妹は食事会でかたらう

掃除ネタ終了です、長かった。

 掃除終了後、中庭担当の生徒や職員が集まって、学生食堂の一つを貸し切って食事会が行われることになった。

 レオニーチェ(レオノーラ)ロザリア(ビアンカ皇女)に連れられて奥のテーブル席に向かった。

 

(なるほど、今日は出店で外食する生徒が多いから貸し切りしても問題ないのか。まあ食堂側も売り上げになるほうがいいだろうしな。人数がすげえ多いから食堂も多いんだよな。この学院。)

 

「レオニーチェ、こっちの席に座りましょう。今日のお兄様はあいさつが長いから先に席を取っておいたほうがいいわ。口止めもレオニーチェには必要ないですし。」


「はい、そうします。

 (軽食って何が出るんだろうな。厨房を覗いて見える範囲だと薄切りパンと肉と野菜、だからサンドイッチかな、でもフルーツも山盛りで置いてある、フルーツも食べ放題で良いのか?別料金だったら恐ろしいからあとで聞いておくか。)」

 

「レオニーチェはサンドイッチはお好きかしら?」


「やっぱりサンドイッチの材料だったんですね。具材にもよりますが、食べ物をはさんであればだいたい好きだと思います。食べ物かどうか判断に迷うものが入っていた場合は好きではないと思います。」


「サンドイッチは食べ物をはさむもの、よね?食べ物かどうか迷うもの、って、いったいどんなものを食べてきたのかしら今まで…。

 それじゃ、サンドイッチの中で特に好きな種類はなにかしら?」


「安く買えた肉や野菜です。それをパンにはさんで食べれば安くておいしいサンドイッチの出来上がりです。

鮮度が多少悪くなっていてもパンにはさめば食べられるけど限度はあります。」


「鮮度が多少ではなく悪くなっていた場合もあるのね……。あの、値段を気にしなくていいとしたらどうかしら?今日はお兄様が支払いを済ませてあるから、好きなだけ食べていいのよ。好きなものが思いつかないなら、小さめに作ってもらっていろいろ食べながらいいものを探してもいいわね。もちろん材料は新鮮なものばかりだから安心よ。」


「新鮮な材料、すてきですね!旬の食べ物は値段も安くなることが多いですし、比較的いいものが下町でも買えるようになりますから助かります。」


 食事会が始まった。

 テーブルは多数あるのだが、レオニーチェたちが座っている席の近くのテーブルは空席になっている。

 遠くから見つめられているようだ。


「自分でどんなサンドイッチにしてほしいか言って作ってもらうのか、これは悩みますね……。

 アルバート様が持っているサンドイッチはどんな組み合わせですか?」

 

「これはベーコンとレタスとトマトの組み合わせだよ。

 最近はこれが気に入っていてね。仕事の合間によく食べているんだ。

 サンドイッチは食べるのに時間がかからないから忙しいときにもいいね。」


「ベーコンレタストマト、すてきですね、素晴らしいですね。

 食べたことはないです、でも今日から好物になりました。

 ベーコンレタストマトの組み合わせは最高ですよね。」


(断面から見える厚切りベーコン、向こうの景色が透けて見えるようなペラペラなベーコンじゃない。

 さらに新鮮なレタスとトマト。トマトは古くなってきたのを買ってきて煮て食うものだと思ってたし、レタスは値段のわりに量がないし値段が下がりにくいからどっちも俺が生で食べるのはめったにない。

 やっぱり高い食べ物は美味いんだなと、当たり前のことを今日も再確認する。良い材料だから美味い、値段が高いから金のありがたみを感じてさらに美味い。高いものを誰かの奢りでご馳走になるのはさらに美味い。

 食う前からわかる、これは絶対うまいやつだと。)


「あの、アルバート様、それ一口もらっていいですか?」

(うまそうなんだけどこの体だとすぐ腹いっぱいになりそうなんだよな。食べ放題だから俺がちょっともらって足りなければもう一個注文すればいいよな。)


「あ、ああ、そうだな、まだ口は付けていないから、少し切り分けよう。」


「あっ、そうですね、切ってくれるんですね、ありがとうございます。失礼しました。」

(まあそうか、一口かじらせろ、とかは自分で注文できる金持ちはやらないか。そりゃそうだ。

 皇子、真ん中の具材が一番多く入ってる部分を譲ってくれるのか、太っ腹だなぁ。

 いや、まずこの人数のサンドイッチ食べ放題をおごりだって言える時点ですげえ太っ腹なんだけど。)


「やっぱりおいしいですね、思った通りです。」

(少しパンが堅いな。安いパンは古くて堅くなっていることが多いけど、これはあえてライ麦パンを選んで堅くなるように焼き上げたパン。

 材料がぎっしり詰まった感、高級感感じる堅さ。

 そして厚切りベーコンは少し濃い味付け、肉だけ単独で食べたら少し塩辛すぎるくらいだろうけど、そこにトマトとレタスが加わることにより食感も変え味にも変化があって、うまい。

 俺が自分で作るなら古いパンと干し肉、レタスはキャベツか何か安い野菜で代用、トマトは省略するかトマトピューレを使うくらいになりそうだ。ほとんど原型が残らないな。)


「ああ。美味しいサンドイッチだな。何度も注文しているが、いつもいい材料をそろえてくれていて助かる。」


「レオニーチェ、ハムチーズもおすすめよ。

 チーズの良いものが入ったって入荷担当の者が言っていたから。」


「ハムチーズ、それもおいしそうですね!断面がいいですね、美しい。」

(ハム、チーズ、ハムチーズハムチーズハムチーズ!!ハムと薄切りチーズを交互に重ねて層状になった断面が美しすぎる、

 肉とチーズの組み合わせが美味いことは当然だけど、具材を大量に使いながらもオシャレな感じも出ているな。

 材料を豪華に使うなら厚いハムと厚切りチーズを1枚ずつっていうのもいいけど、こういう形もいいもんだな。

 硬すぎる材料の使い方として応用するのはアリかもな。)


「よかったら半分づつにしましょうか?いろいろ試したいなら。」


「そうですね、お願いします!

 食べられる量は限られていますから、同じ量でも楽しめるように分けて食べるのもいいですね。」

 (お代わりがいくらでもできるから、一口食わせろからの一口デカすぎって言われてケンカになることもないしな。

 あらかじめ分けて食べるのはいい方法かもな。)


「飲み物は何にしましょうか。

 午後が還俗だからお酒の類はないけど、酔わないカクテルがいろいろあるわよ。

 わたくしはチェリーパイナップルレモネードを。レオニーチェにはお兄様のおすすめのものを作ってもらったらどうかしら。」


「そうですね、酔わないカクテルというのは初めてなので、アルバート様のおすすめをお願いします。」


「それなら彼女には灰かぶり姫を。僕はラズベリーとオレンジとミルクの酔わないカクテルをもらおう。」


「灰かぶり姫!?」


 灰かぶり姫の名前がなぜここで出てくるのだろう。

 灰かぶり姫といえば、スリとイカサマ錬金術で舞踏会に潜り込んだはいいが皇子に見破られ追われる物語である。

 自分はスリはしていないが、履歴書にでたらめを書いてバイトに潜り込んでいる。

 それを見破ってるぞというアピールかもしれないし、まだ半信半疑、怪しいと思っているだけかもしれない。

 

「灰かぶり姫というのは、レモン、オレンジ、パイナップルの酔わないカクテル、簡単に言うとミックスジュースだよ。

 この名前、今日という日にはぴったりだとは思わないか?」


「いや、たしかに、ピッタリ、ですね・・・。」


 材料がフルーツジュース3種類だけなら飲んでみれば美味いんだろうが、ネーミングセンスには疑問が残る。まあ味が良ければ問題はないが。

 それにしても、ジュースを絞る前のフルーツが各種取り揃えてあるし、表面に傷がついた物や、色や形が悪いものが一つもなさそうだ。

 これはかなりの高級品っぽい気配。普通のバイトのまかないに出てくるレベルではないのは間違いない。

 いや、まあ貴族のバイトならそういう待遇の場合もあるのかもしれないが。


「おいしそうですね。香りもさわやかです。」

(飲む前から高級品の雰囲気で心が満たされる~!!今は食事に集中するか、考えても仕方ないしな!)

「酔わないカクテルっていうのは美味しいものですね!作り方を知りたいです。

 (単独で飲んでうまいものどうしを混ぜるっていう発想があんまり浮かばないんだよな。うまいものとうまいものを混ぜれば材料にかけた金額は同じだから金銭感覚的にはうまいものになることは間違いないんだが、味覚的にうまいものになるとは限らないし、うまいものとうまいものを混ぜてまずいものができてしまったらショック大きそうだしな。)」


「それならあとでレシピを届けさせようか。」


「お願いします!」

(レモネードスタンドは稼げるけど近くに同業種がいると売り上げが落ちるんだよな!

 その場合品数を増やすことで差別化ができる、だけど材料が増えると売れ残りのリスクも大きいんだよな。

 ミックスジュースのレシピがあれば、そういうときに少ない材料でたくさんのメニューを増やせて高級感も出せる、かもしれない。

 タダでもらえる情報ならありがたくいただくぜ。

 カクテルグラスは量があんまり入らないから1杯を安くしてそれ以上に量を少なくして何杯も飲ませるのもいいかもな。

 でもお金の管理が難しくなるか?そのへんは要研究だな)


「酔わないカクテルというのもたまにはいいものね。パーティーだとワインやカクテルで酔ってしまうことも多いから。

 酔って体調を崩したふりをして離席するのには使えるけど、何度も同じ手を使うのも大変だし会わなくちゃいけない人が減るわけでもないしね。

 ところでレオニーチェ、せっかくの食事なんだから、なにかお話しましょう?

 たとえば、最近の暮らしとか、何か質問とか、話題はなんでもいいわ。レオニーチェと話せるっていうだけで私もお兄様も幸せなんだから。」

 

「最近、ですか。

 小麦粉を差し入れでいただいたので、チャパティをたくさん作りました。

 輝くような白、素晴らしかったです。」


「チャパティ、というと薄焼きのパンのようなものだったかしら?珍しいものを作るのね。」


「本物を食べたことがあるわけじゃないので本物とは全然違うかもしれません。

 孤児院への寄付でいただいた本の中に異国の料理の本があって、その中で材料がなんとか揃えられそうなものを時々試しています。

 長持ちする食糧、小麦粉や稲の実や調理油や塩は在庫に余裕があると安心できますね。」


「今でも食料の心配はするのね……。いえ、空腹、飢餓というものの恐ろしさは深いトラウマになっていてもおかしくないし、食べ物に困らない状態であることが精神の安定に必要で、そのためには日持ちのする食料をもっておくのが有効だろうということも想像はつく……。

 稲の実は収穫時期がもうすぐのはずだから収穫したら買って来て贈りましょう。油と塩は今すぐにでも揃えられます。」


「えっと、余ったからあげるといわれたら喜んでもらうし、安く売ってくれるといわれたら喜んでもうちょっと安くしてっておねだりはするんですけど。

 買ってきてあげるよと言われると断らざるを得ない苦しみが。いや、欲しいんだけど、欲しいとは言いたくないみたいな。

 古い小麦粉とかで捨てる一歩手前くらいのものがあれば捨てずに寄付してほしい、とは思います。」


「厨房に声をかけておきますわ。小麦粉は難しいかもしれませんけど、孤児院に運ぶ物資の中に余った食材を入れる場所があったら入れておくように。」

(不用品という名目で準備するとしても、小麦粉は理由が思いつかないわね。

 本当に捨てるようなものを寄付するわけにもいかないし。

 いや、小麦粉を入れた袋を少し汚して廃棄品ということにすれば贈る理由をこじつけることもできるわね。手配しておきましょう。)


「期待してます!小麦粉は残ることはないだろうというのはわかってます、言ってみただけです。」


「ところで、ほかに欲しいものはあるかしら?

 なんでもいいの、言ってみて?なんとかできるかもしれないわ。」


「ほかにほしいもの、ですか。

 不用品ならだいたいのものは何かに使えますね。今回の掃除の落ち葉もたき火に使えますし。

 運ぶ経費のほうがたぶんかかると思うので使えなそうで残念です。」


「落ち葉の使い道までは考えていなかったわね・・・

 不用品で使えそうなものはまとめておくことにしましょうか。

 そのほかに、なにか困ったことや悩み事などあったらいつでも言ってちょうだいね。

 わたくしたちにできることならいつでも協力するから。」


「それなら、ちょっと聞きたいことがありました。

 たいしたことじゃないんですけど。」


「あら、なにかしら?」


「胸のサイズって、どうやったら育つんでしょうか?

 ロザリア様ほどじゃなくても、そろそろもうちょっと育ってもいいと思うんですけど。

 やっぱりみんな大きいほうが好きですよね。

 アルバート様もそう思いますよね?」


「ぶっ!?けほっ、けほっ。」


「い、いや、大きさは関係ない、と、僕は思う。」


「そういうことを言っても大きい人に目が行くと思います。

 大きいといいという話は聞いたことはありますが逆は今まで聞いたことがありませんし。

 大は小を兼ねるといいますし。大きくて損をすることはないんじゃないかと思います。

 私も昔は大人になれば大きくなるものだと思っていたけど、個人差が大きいみたいなんですよね。

 揉まれると育つといううわさを聞いたことはあるのですが、本当でしょうか。」


「レオニーチェ、レオニーチェ。ちょっと待って。お願いだから口を閉じて。

 えっと。どこまで言っていいのかしら。

 あのねレオニーチェ、よく聞いてね。大事なことだから。

 お兄様を離席させてから詳しく話すから、ちょっとだけ待っててちょうだい。」


「あ、はい。聞きます。

 口開けるなって言われてた、閉じます。」


「……おまたせ。お兄様にはちょっと急用を入れさせたから、今のうちに説明するわね。」


レオニーチェはうなずいている。


「まず、胸をもむことがどういうことか、レオニーチェにはわかる?

 口は開けていいから言ってみてくださいな。」

 

「胸の肉をもむ、だからマッサージですよね、ほぐすことでいい感じに育つようになるんじゃないかと思います。マッサージ師とかそういう人にやってもらうのが安心なのかな?」


「(やっぱりそういう解釈なのよね。まあ本当の意味を知っていたらお兄様の前で言ったりはできないでしょうし。)

 そういう方法で胸が育つという説はたしかにあります。

 でも、そういう方法には必ず守らなくてはいけない大切な条件があるんです。」


「大切な条件?コツですね、教えてほしいです!」


「愛し合っている方にしてもらわないといけないんです。」


「愛し合う関係……?お互いが『愛しています』と言いたい相手ですね。

 私のことを愛しているなら胸をもんでください、って言えばいいわけですね。わかりました。」


「その二択はお兄様が暴走するからやめてあげてくださいな!?

 あれ、そういえば、一応念のため聞きますけど、その場合の相手はどなたを想定していますか?」


「今のところだれとも思っていません。

 私が愛している相手はたくさんいますけど、私のことを愛しているかどうかは聞いてみないとわかりませんし。」


「やっぱり、念のため確認してよかった。

 レオノーラ様の愛していますは人類愛みたいな意味なのよね……。

 以前わたくし相手にも届きましたもの。愛していますって書いてある手紙。」


レオノーラのラブレター大量配布事件は記憶に新しい。


「この場合の愛し合っているというのは、恋愛的な意味ですわね。レオノーラ様の場合アルベルト皇子がお相手ということになります。そんなことを頼めるところまでいっているなら必要ないとも言えますわね。」


「それならあきらめます。そのうち自然に育つかもしれませんし。」

(皇子に手伝わせるほどのことじゃないんだよな。マッサージするだけだし。

 出店でちょっと高くて品物がいまいちなのに売れてる店があってなんでだろうと思ってたら店員が胸大きかったりするから大きいことはいいことなんだけど、確実に大きくなるってわけでもないだろうしな。

 もし手伝ってもらえるなら出店をやる時の客引きとかのほうが手堅く金になりそうだよな。)


「そうね、それがいいわ!

 やっぱり体についての話題は女同士で話すべきだと思うの。男性が周りにいないところで。なんでも話してって言ってはいたけど、ちょっとここでするには問題ある話だと思うわ。

 今回は時間が限られていますから別室に行く時間はないけど、今度機会があったら女子会をしましょう。その時にはそういう話でも話し合えるわ。」


「そうですね!」


・・・・・・


解散後、買い出しを無事に終え、レオニーチェは孤児院に帰って来て髪色の擬装を解き、レオノーラに戻った。

買い出しの間も店員や通行人にレオノーラ様と何回も言われたが人違いなので問題ないはずである。


「タダメシで腹も満たされ買い出しもバッチリ、出発前より軍資金が増えているというこの喜び。

最高だな、レオノーラ様の還俗に感謝だぜ。俺だけど。」


「あらあら、おかえりなさいませ、レオノーラ様。お仕事お疲れさまでした。」


大部屋で待ち構えていた笑顔のレオ(レーナ)を見て恐怖で硬直してしまう。笑顔なのに真顔にしか見えない、殺気すら感じる気がする。


「げっ!?……レオノーラただいま戻りましたー…。(やべえ、バイトしてたことバレてるーっ!?)」


レオノーラを見てレーナは面白そうに笑う、今度は本当の笑顔のように思える。


「ふふっ、冗談よ。そんなに焦らなくていいわよ。どうせ屋台の売り子でもしてたんでしょ?レオノーラの姿なら『味の説明のために』とかいえば試食の名目で1食ごちそうになるくらいはできるでしょうし。あんたがレオノーラの姿で早めに出発するなんて言ったらただ買い物するだけには思えないわよ。」


「レーナ、すげえな、ほぼ正解だ!」


「ほぼ、が怖いわね。少し違う部分はなんだったのかしら。

 まあいいわ。ちゃんとおなかすかせておきなさいよ、間食なんかしないように!

 夕食はあっちではりきって準備しているんでしょうから。

 帰りが遅くなりそうならアルタ様経由で多少遅くなってもいいって話は伝えておくように。

 レオノーラが残りたくなったから還俗を伸ばします、なんてことはできないことになっているんだからね。

 とにかく、夕食を全部持ち帰りたいとかは言わないで、ちゃんと食べて帰ってきなさいよね。

 食べておいしいって言っているレオノーラ様を見たくてごちそうを準備しているんでしょうから。」


「そうだな、夕食も期待できるんだよな!

 今日は何が出るんだろうなー。バイトのまかないもいいけど還俗でごちそうになる高級料理もいいんだよな。」


「できれば腹痛起こさない程度に食べなさいよね。体を戻した後は不調がこっちにくるんだから。」


「はーい、気を付けますレーナ様!」


「はいはいいいお返事ですね。毎回返事はいいのよね。」


「誰かのおごりで食べ放題だと限界に挑戦したくなるんだよな。理性で抑えようとしても抑えきれない、そんなこともある。」


「まあいいわ、どうせ言っても変わらないのは知ってるから。そろそろ迎えの馬車が来る頃ね。髪を軽く整えるからそっち座りなさい。」


「お、助かる。それじゃ頼むぜ、よろしく。」


「ちゃんと半端に整えておくから大丈夫よ。あんまりきれいに整えすぎるとあっちの侍女たちががっかりするでしょうからね。」

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