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異世界人、始めました

大変お待たせしてすみますん。

これから刊行ペース上げたい……のですがすみますん。

これから頑張りますん!

「お前、起きろ、起きろ」


 あれ? 誰だ、こいつ。

 胸?


「ない、ない……ない………」


 くるんと寝返り。


「ふにゅ?」


 あれ、これ気持ちがいいぞ?


「ふにゅ、ふにゅ、ふにゅ」


 あれ、ほんと気持ちが……

 そして再度の寝返りで、


「ない」


 そうするとなんか横から負のオーラが漂ってきた。


「……ないって何回言ったの?」


 あれ、あの子って……。

 走馬燈のように脳内で流れる。


「あんた、助けてもらったご主人様の顔も覚えていないの? 奴隷の分際で」


 あ、思い出したよ、はい。

 あの魔法使えないぺったんこでしょ。

 知ってますよ。

 そんなの。


「そう。あんたそんなこと思っていたの。ふ~ん。なるほど」


 ひゃひ。

 にゃんでしゅか?

 すにゅましぇん。

 というか、どうしてわかっちゃうんですか?

 俺もその能力欲しいんですけど。

 マジで欲してますよ。

 その能力って需要と供給、釣り合ってませんよ。

 俺にくださいな。


「いっぺん死ねぇぇ~~~~~~この、この……」


 これ、お決まりなんですか?

 ねえ、そうなんですか。

 そうですか。

 解りましたよ。

 死にますよ。

 いや、死ぬことはないけど、その天罰受けますよ。

 じゃあ、仕方ないか……ッ‼


「この?」


 そして、少女は、こういうのでした。


「この、エロ豚ぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~」


 ぼきん。

 がちゃん。

 ばきん。

 俺の体からの効果音。

 あ~あ。

 なんか痛み通り過ぎてますね。

 そして、フィナーレ。

 きらきらきら。

 そんな効果音が流れるかのように俺の意識が霧散霧消するかのような感覚を覚えた。


     ・・


「こら、そこの異世界人、いい加減起きろ」


 そんな、少女の声で()(ざめ)めた今朝でした。

 まって?

 俺異世界人?

 考えてみる。

 思い返してみる。

 俺は……?

 マンホールに落ちて、その先にある下水道――ではなく異世界に来てしまったのだ。

 俺は……?

 そして、ドラゴンっぽいいや、ドラゴンそのものが、俺に襲い掛かってきて……。

 俺は……?

 殺されてしまうと思ったその刹那、俺は少女に助けられた。

 俺は……?

 そんで……あれ?

 ここに来た経緯と俺が寝ている理由がわからんぞ……?

 なんか、キックが飛んできていたような……いや、そんな強いキックを少女が放てるわけないよな。

 放てるわけ……。

 俺の言葉が途切れたのは、ドアを蹴り飛ばして俺の寝ている部屋に入ってくる少女の姿を見たから……である。

「おはよ。いい朝ね」

 まって?

 これ夢だよね?

 俺が食らったのこれ?

 いいや、そんなこと……ない、よな?

「おう、そうだな……」

 こんなかわいい少女、見たことも聞いたことも……。

「あたしのキック喰らって寝てしまったから少し心配していたのよね。大丈夫?」

 あ、俺すげーな。

 まじすげー。

 これ喰らってたの?

 自分の記憶の中にないことを感謝した。

 こんなの記憶に残っていたらやばいよね?

 いや、記憶がけされたのか……。

 このキックすげーな。

 仮にドラゴンをワンパンしたと聞いても頷けるレベルで。

 俺の目の前にはドアの残骸が散らばっている。

 よく、アニメではドアが壁に突き刺さるシーンがあったりもするが、粉々に粉砕するのは初めてみた。

 勿論、ドアが吹っ飛んで壁に突き刺さるなんてそんな場面に出くわしたことはない。

 しかし、こいつならやりかねん……。

 そう思わせられたのだった。

 こんなに可愛いのに……。

 これだけ暴力的だと俺は怖がるしかない。

 こいつには勝てない。

 そう思っている。

だが……


俺はこいつに助けられたんだよな


 俺には何か特別な力がある。

 しかりそれもまだ不鮮明だ。

 今はこの暴力女の力になる。

 俺の力が使えなくても?

 いいや、特別な力なんていらない。

 猫の手でもいい。

 彼女に差し伸べたい。

 だって彼女はまだ魔法を使えないのだから。

 魔法の使えない魔法少女。

 そんなばからしい話がある中でこの子はどんな思いで生活しているのか。

 俺には想像もつかない。

 俺みたいに孤独なのか。

 いや、俺は俺なりに楽しんでいた。

 アニメとか、ゲームとか。

 逃げ場があった。

 俺は逃げた。

 しかし彼女は逃げていない。

 俺よりも強い。

 彼女も逃げようと思えば簡単に逃げることができる筈だ。

 続けるより、逃げる方が何倍も、何十倍も簡単だから。

 しかし彼女は俺の目の前で魔法少女と名乗った。

 私は魔法少女です、何てこと他人に言えばこいつは魔法少女だ、という目で見られると理解していながら。

 こんなことしたら逃げ場がなくなる、と解っているはずなのに。

 俺ならばどうしたか。

 逃げたに決まっている。

 そっちのほうが楽だから。

 人間、楽をしたいに決まっている。

 勉強だってそうだった。

 俺は得意な理科だけを勉強した。

 国語? 英語? そんなものは教科書すら開いていない。

 古典なんて将来何に使うのか?

 そんなもの逃げたって構わない。

 得意なものだけやればいい。

 そっちのほうが簡単で楽だ。

 しかし彼女は最も苦手な魔法を使役する魔法少女を名乗った。

 いいや、苦手なんてものじゃない。

 使えないのに名乗った。

 そんな、俺の何十倍も頑張ろうとしている彼女に手を差し伸べない?

 それは男として負けだ。

 じゃあ俺は何をすればいいのか。

 そんなのは決まっている。


「頼みがある」


俺の今の特徴は?

俺は……?


異世界人だ。


そして……


こいつの奴隷、だったかもな。

俺は、俺の決意を言葉にすることを決めた。


頑張りたいので感想お願いします!

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